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髙木ブー著「アロハ、90歳の僕」/ブーさんの周りに吹く優しい風と、隠れた名曲「パパの手」

ウクレレの名手でもある髙木ブーさんのご著書を読んでみました。

【ドリフターズの歴史】
初代ドリフターズは、1956年に結成された「サンズ・オブ・ドリフターズ」というロカビリーバンド。
ちなみに、このバンド名に使われたドリフターズはアメリカの4人組コーラスグループで、日本では越路吹雪さんが歌ってヒットした「ラストダンスは私と」の楽曲をリリースしたバンドだそうです。  

初代サンズ・オブ・ドリフターズには、まだのちのドリフメンバーは1人もおらず、3代目リーダーに抜擢されたのがいかりや長介さん。その後他のメンバーが入り、荒井注さんがご病気で抜けた際付き人だった志村さんがメンバーになったそうです。
あのドリフターズが、元々それぞれに楽器を演奏するミュージシャンバンドだったというのは驚きですよね。

【高木ブーさんてどんな人】
本名高木友之助さん。現在90歳。
巣鴨で生まれ、姉2人兄3人の6人兄弟。父親がジャズのレコードを聴いていたハイカラな家庭だった。

【ウクレレとの出会い】
15歳の誕生日に、8歳上の兄がウクレレをプレゼントしてくれた事がウクレレとの出会い。
転校して来た古川和彦くんという子がウクレレの達人で、すっかり仲良くなった。古川くんは、プロになりたいという宣言通りプロのハワイアンバンドの一員となった。

【就職せず音楽の道へ】
進学した中央大では音楽研究会に所属。(先輩に谷啓がいる。)ますますウクレレにのめり込み、バンドを組んでダンスホールやクラブで演奏。東京ガスへの就職をやめて音楽の道へと突き進む息子を、親は応援してくれたという。

【1933ウクレレオールスターズのこと】
サザンの関口さんが呼びかけ2018年に生まれたウクレレバンド。メンバーは野村義男、荻野目洋子他多彩。
1933 はブーさんの生まれ歳。

【ウクレレが生きる力に】
まだ50代だった妻を亡くし失意の中にいた時、学生時代のバンド仲間が声をかけてくれた事で、またバンドを結成し小さな会場で演奏を始める。

【ウクレレ街道を突っ走る】
1996年に初CDをリリース。
ソロコンサート、趣味悠々でウクレレの講師などを歴任。
1998年、初のソロコンサート。
また、ウクレレフェスティバルやサザンの関口和之さんがプロデュースしているウクレレピクニックなどたくさんのステージに出演。

【ブーさんによるウクレレのお話】
ウクレレの原型はポルトガルのブラギーニャ。19世紀後半にポルトガルの移民がハワイに持ち込み、ハワイアンコアという木で似た楽器を作り普及して行った。
ちなみに、「ウクレレ」はハワイ語で「飛び跳ねるノミ」という意味。

ウクレレは心臓にいちばん近い楽器と言われている。「楽器の演奏って、音を出しているだけじゃない。その楽器が持っている魂に触れること

【ハワイ語に含まれる深い意味】
alohaはこんにちは、さようなら、などの挨拶の言葉であるが、愛してるという意味もある。
もともとは、「正面に向き合って息をする」という意味がある。5つのアルファベットそれぞれに、
A 寛大 L 調和 O 喜び
H 謙遜 A 忍耐
という意味がある。
ちなみに、ありがとうの意味のマハロには、あなたが私の魂の中にありますように という意味もある。

【ブーさんに与えられたハワイの名前】
ブーさんは20年位前に、カメハメハ大王の直径の子孫にあたる人間国宝の方がハワイ文化の普及に貢献したとして授けてくれた「ホワコクワ」という名前がある。
これは、友達を支え助けになる。精霊を分け与えるという意味。

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【読後感】

ブーさんは、自分が自分がと前に出るタイプではなく、基本のバンドマンの姿勢を保ったまま、ただ流れに乗ってここまで来たといいます。
加藤茶さん(80歳)曰く、「人とぶつかったり揉めたりするのが根っから嫌いな穏やかな人」
あの雰囲気通りの穏やかで優しい方なのだという事がよくわかり、とても温かい気持ちになれました。

私が、ブーさんがウクレレの名手である事を知ったのは、コロナ禍で放映された、世界のウクレレプレイヤーがウクレレでバトンを繋ぐウクレレリレーの番組でした。
2020年5月末にウクレレを始めた事で、ウクレレに関するアンテナがこの番組へと誘ってくれたのだと思います。

動画をご紹介します。
サザンの関口和之さん作詞作曲「パパの手」
おそらく亡き奥様が撮ったであろう写真や動画(中盤は一般の方の写真)を背景に、ブーさんが歌うこの歌、心に沁みます♡

荻野目洋子さんのウクレレ弾き語り↓

ブーさんは歌もとてもお上手。
甘〜い声に癒されます。

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ブーさんの本から何か温かいものが伝わってきました。
温かい波長は人が本来持っている温かい心に共鳴して振動し、また別の人に伝えていくのだと思いました。


音楽を愛し、あれよあれよという間にテレビの人気者になり、今はウクレレを友に娘さん家族と仲良く暮らすブーさん。長生きして、その温かい空気感を私達に伝え続けてほしいです。

最後までお付き合い頂き
ありがとうございました❤︎

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