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伊東ゆう著「万引き 犯人像からみえる社会の陰」/万引きの実態

以前、生まれて初めて万引き現場を目撃してしまった事を書きました。

小学生の女の子が、
私の目の前で栄養ドリンクを取ってポケットに入れたのです。
あの時私は、咄嗟に固まってしまい声も出ず、でも気になって追いかけ…
その結果、犯人の保護者らしき人が現れその人が商品を購入した所まで見ました(ーー;)
あの時本当はどうするのが正解だったのだろう?ということが知りたくなり、
この本を読んでみたという訳です。

著者の伊東ゆう氏は万引きGメンをされていて、テレビにもご出演された事があるようです。映画「万引き家族」の制作協力や、各地で講演会など多岐にわたって活動されている方です。

結論から言うと、
やはり、万引きGメンといえども、その場で声がけする事は許されておらず、
店外に出た瞬間に声がけをする。
その後事務所に連れて行き、犯行手口や理由などの聞き取りをし、支払い不可であれば警察を呼ぶ、という流れになるようです。

なので、普通の人が、万引きを見かけても声を掛けるのは危険もあり避けた方が良い、いや、声がけはしてはだめ、ということがわかりました。

子供は罪には問われない事を悪用して、子供に実行犯をさせる親もいるらしいです…
また、誤認事故を起こすと大変厄介なので、2個以上取ったのを確認してから声がけするように、と指示するクライアントさんもいるそう。

この本を読んで、
毎日のように行くスーパーで、
毎日のようにそんな犯罪が起きていたのか!と驚愕しました。

以下、万引きの実態です。

●手に持った商品を、死角になっているコーナーなどに持って行って隠していたレジ袋に入れる。
●マイバッグにそのまま入れる。
●カートに商品を満載したまま持ち出し車に積む。(カゴヌケ)
●フルセルフレジの悪用。
(バーコードを手で隠す。一部の商品のみ実際に購入する)
●ペットボトルに貼ってあるオマケが付くシールを次々と剥がす(シールを剥がしただけでも窃盗罪が成立する)
●内引き(従業員による横領、レジ不正)
●トイレの私物化↓
万引きしたものをトイレで食べる。
万引きした服を着、タグを便器に流し詰まらせる。
さらには、髪を染める、洗濯をする、
など

また、万引きではないけれどモラルに欠けた行為。悪質な場合は逮捕される例も。
●試食品をごっそり袋に入れる
●大量の氷を持ち帰る。
●備え付けのビニール袋を大量に持ち去る(これ、見た事あります!)
●値引きシールを、新しいものに付け替える。

<万引きをする理由>
●本当にお金がない
●お金はあるが、お金を出して買うのが嫌
●換金目的
●刑務所に入りたいからやる人。
●心の病気

共通しているのは、
どの人も罪の意識が欠如しており
話が通じない。
見つからなければそれでいいと思っている。

商品が簡単に手に取れ、店舗の大きさに見合う従業員がいない事も
犯罪を助長している?
という事は、スーパーマーケットの出現により万引きが増えたという事なのだろうか。

通常の業務だけでも多忙なのに、
万引き犯が出るとそれに付随する業務が増えて、店長さんはその度心身共に疲労が極限に達するようで、
お気の毒でならない。
しかも話が通じなかったり、粗暴だったりする人相手であり、時には凶器を持っている事もあるから命懸けだ。

✳︎✳︎✳︎

やるせない気持ちになりました。
自分が万引きしている夢まで見ました^^;(あんパンを取って支払わずに食べてた)

問題の背景に貧困問題、家庭問題があり、単純に、万引き犯を責める気持ちにはなりません。
しかし、人間として、それでいいのですか?と問いたくなるような方達がこんなにいるのだと知った事だけが
この本を読んで良かった事でした。
とても、悲しい気持ちになりました。

そして、
今後の自分自身の身の処し方に気をつけなくては!と、気が引き締まる思いでいます。
それは、口が大きく開いたトートバッグを好んで使っている私のような人は、犯人と間違えられ易いという事です。

瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず

↑これです!
バッグを持つ時、すぐに入れられるような持ち方をしない事。
買った物をバッグに入れる際は、店員さんに見えるように入れる事。
レシートを無くさない事。

などなど。

もし万引き現場を目撃した場合は、店員さんに声掛けするのが良いそうです。自分から声掛けするのは危険だということです。
皆様も、いろいろお気をつけくださいね。

それでは、今日はこの辺で。
ここまでお読み頂き
ありがとうございました❤︎

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