見出し画像

私は何者でもない。凡人だ。

そう理解するのに何年も何年もかかった。
私は何者かでありたい。特別でありたい。
それは今も思う。特別になりたい。
何者にもなれない自分を愚かだと一時は思っていた。
そのための血の滲むような努力もしていない奴がね。

肩書きがあると安心した。
おそらく、学生の頃からそうだったと思う。
学級委員はそういう理由でやっていた。
『人の上に立つ』ということを履き違えていた、
ただのイタい奴だったに違いない。

私は、特別な存在ではない。
ヒトという大きな括りの中の一人。
ただただ、毎日息をする。
お腹が空くから食べる。眠いから眠る。
欲しいものがあるから働く。稼ぐ。

表現者で "ありたい"  から
役者をして
モデルをする。
たまに。

役者もモデルも中途半端だ。
死ぬ気でなろうと思うなら、
それだけで食っていきたいのなら、
何かを捨てるべきなんだ。

なのに。私は私がかわいい。
生活を捨ててまでやれてはいない。
アルバイトをしなくちゃ食っていけない。
生きていけない。
モデル、役者、と名乗れない。
ただの一般人なんだ。

私は自己肯定感が低い。
それでいて自尊心(プライド)は高い。
人にどう思われるかがいつも不安だ。
私を好きになって欲しい。
誰かの唯一無二になっていたい。
知られたい。

知られるのは怖い。
あなたは誰…?
どんな人なの…?
すぐ私のことなんて忘れてしまうんだ。
他のものに目移りして
私は過去に置き去りにされていくんだ。

悲観しいだ。
マイナス思考。
疲れる。
一緒にいる人もきっと疲れる。
こんな私を知ったら皆きっと離れていく。
だから私は一人でいい。
孤独は全人類共通。
…なんて自分で自分をあやして生きている。
あやすの語源は「愛す」だからね。
愛してあげなきゃ。
自分のことは自分でね。

生きているだけで偉い。

それだけで充分なはずなんだけどな。
私を必要としてくれる人が何人かいるだけで
それだけでありがたいのにな。

何者かになりたい。
そう思うのは傲慢だろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?