繭乃

モデル:役者:舞台照明が好き。 自作私小説『明日の月は綺麗でしょうね』 是非ご一読くだ…

繭乃

モデル:役者:舞台照明が好き。 自作私小説『明日の月は綺麗でしょうね』 是非ご一読くださいませ。 エッセイ的な何かは書きたくなったら書いています。 言葉の持つ力はすごい。言霊を信じる。

マガジン

  • Mayuno's MEMENTO MORI

    たまーに更新する、繭乃の死生観と色々

  • 明日の月は綺麗でしょうね

    私小説『明日の月は綺麗でしょうね』 《連載終了》全20話 僕と少女の危うい関係性がこの街に埋れてゆく。 「ねえ、君は、僕が人殺しだって言ったら、どうする?」

  • 繭乃活動記録

    繭乃が参加、制作等をしたものの宣伝と備忘録

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プロローグ

 春。渋谷。夜7時前。  だんだんと気候も暖かくなり始めて、人々の陽気さも増していた。土曜日の渋谷は見渡す限りの人。  「治安の良い街」とはかけ離れた渋谷に何も期待はしていないにしても、土曜日の今日は尚更治安の悪さが露呈している。  見渡す限りの人に比例するように、見渡す限りの道にはゴミ。ファストフード店のジュースカップ、コンビニの袋、空き缶、煙草の吸い殻。いつから"道"は"ゴミ箱"に変わったのか。この街のマナーとモラルの無さが伺える。  大量に散乱したゴミから発せられる臭い

    • 長めの独り言ちょっと聞いてよ。

      鬱の頃の私っておもしろかった。 今の私は、その頃に比べたら大したことはない。と思っている。 今の方が圧倒的に生きやすいことには間違いないけど、昔のあの奇抜な思考はもう出来なくなった。 24.5歳で何か解脱したような気持ちになった(結論してはないと今は思う)。 鬱のどん底から這い上がった経験をしたからだと思うのだけど。 振り返ってみると大した経験では無かったのかもしれない。しかし、当時渦中の私の中では大きな転機だった。 鬱どん底だった当時の私は、自力でどうにかこうにか這いあが

      • 古きものから思考し感じとる

        先日、東京駅すぐ近くにあるJPタワー/KITTEの「インターメディアテク」に行ってきた。 無料で観れてしまうのに、あまりにボリューム感のある展示で、見応え抜群、脳みそが痺れる素晴らしい展示だった。是非色んな方にこの展示の良さを感じて欲しいため、拙い文章で申し訳ないが、私の備忘録と共に少し紹介させてもらいたいと思う。 *** この「インターメディアテク」は日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館(UMUT)が協働運営する公共施設である。 これが無料で観れてしまうのだからこ

        • 初の舞台照明オペを終えて

          2023年1月18日(水)〜22日(日) 猫ノ手シアター「二律背反・四面楚歌」 こちらの舞台の「四面楚歌」の方で初めての舞台照明オペレーションをさせて頂きました。 *** そもそも何故私が照明という仕事を始めたのかと言いますと…。 私は元より"照明"というものに興味があり、学生の頃からずっと触れてみたい仕事だなと思っていました。ステージに立つ人を引き立てる仕事=裏方にとても憧れがあったのです。 ですが、どういう訳か私自身が表立つ方を始めてしまったので(表立つ方もすごく楽

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        記事

          「メメント・モリと写真」を鑑賞して

          9月の頭に複数の写真作家からなる写真展「メメント・モリと写真」をTOP MUSEUMへ鑑賞してきた。 この主題となる"memento mori (メメント・モリ)"は、古代ローマの思想であるのだが、当初は「今を楽しめ」という、現在の「死を想え」とは真逆の意味を持っていたのだそうだ。後に言葉が広まるにつれてキリスト教と思想が交わり、そこでは『天国・地獄・魂の救済』が重要視されることにより"死"が意識の前面に出てきたため、今現在、当初とは違った意味持つようになったのだとか。 (

          「メメント・モリと写真」を鑑賞して

          第二の故郷

          私にとっての第二の故郷は湘南の街である。 数年前まで、いやもっと前だったか、湘南には祖母の家があった。 なんでも刺激を受ける幼い時期をこの街で過ごし、たくさんの知見を得てきた。私が湘南の街や、海への想いが強く根付いているのはそのためである。 しかし、冒頭にもある通り、様々な事情で幼少期を過ごした祖母の家は数年前に取り壊されることになり、今は跡形も無くなってしまった。現在、かつて庭のある割と大きな家があったその土地には、二軒の家が建てられている。 2022年7月21日 午前中

          第二の故郷

          「人」という字は

          ここ最近囚われ続けている感情に少しでも整理をつけようと、このnoteを綴る。 これからもこの気持ちを忘れないためにも。 * * * 「『人』という字は人と人が支えあって出来ている」 というフレーズは、日本人なら一度は聞いたことのあるであろう某大先生の言葉だ。 私たちヒトは一人で生きてはいけない。もしそう思わない方がいるとしたなら、私は論破できるだけの根拠と事実をその方に話せると自負している。 その理由の簡単なところだと、毎日食しているその食材・料理は誰が育て作ったものだ

          「人」という字は

          死ぬまで僕のこと引き摺って歩いて

          この言葉は主にボーカロイドやメジャーで楽曲制作をする『MI8k』と書いてミヤケと読む、彼の楽曲の中の言葉である。 とりあえず一度騙されたと思ってこれを聴いてみてほしい。 (オシャレ鬱ソングなので、そのつもりでどうぞ) この『嗤うマネキン』を簡単に言えば失恋ソングだが、ただの失恋ソングとは言い難い。 大切な人を失ったであろう主人公の、こんなにも繊細な機微をここまでぎゅうっと言語化出来る彼の語彙力と想像力(体験談なのかもしれない)に感服する。 彼の楽曲の中でも特にこの曲にはマイ

          死ぬまで僕のこと引き摺って歩いて

          舞台「ダメージメンクラブ」を終えて

          ガンガンガング Vol.5 「ダメージメンクラブ」作・演出 ちば悠平 2022.1.20-1.24 池袋シアターグリーン BASE THEATER 先日、無事閉店(閉幕)いたしました、 ダメージメンクラブ。 わたくし、繭乃は、R-1にてシスター役を務めさせて頂きました。 この5日間、いつ中止になってもおかしくないご時世でありましたが、ご来店(ご来場)頂きました皆様、本当に、本当に、ありがとうございました。 感染対策のご協力も、ありがとうございました。 最後まで走り切ることが

          舞台「ダメージメンクラブ」を終えて

          私は何者でもない。凡人だ。

          そう理解するのに何年も何年もかかった。 私は何者かでありたい。特別でありたい。 それは今も思う。特別になりたい。 何者にもなれない自分を愚かだと一時は思っていた。 そのための血の滲むような努力もしていない奴がね。 肩書きがあると安心した。 おそらく、学生の頃からそうだったと思う。 学級委員はそういう理由でやっていた。 『人の上に立つ』ということを履き違えていた、 ただのイタい奴だったに違いない。 私は、特別な存在ではない。 ヒトという大きな括りの中の一人。 ただただ、毎日

          私は何者でもない。凡人だ。

          舞台「ダメージメンクラブ」出演情報!

          おはようございます、こんにちは、こんばんは。 新年明けましておめでとうございます。 繭乃です。 昨年もたくさんたくさんお世話になりました。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 最近は気温が1桁の日も多くなり、指がもげそうなくらいに夜の冷え込みも凄まじく、オミクロンとか言うゆるキャラみたいな可愛らしい名前をしておいて微塵も可愛くない奴が蔓延り始めていますから、皆様身体にはどうぞお気をつけてお過ごしくださいね。 皆様が健やかで穏やかな一年になりますように。 さてさて、本題

          舞台「ダメージメンクラブ」出演情報!

          とある絵描きと私が見た海

          「繭乃にはこの海、何色に見えるの?」 今から約2年程前の春の終わり。 私は傷心しきっていた。 全てを一度ゼロに戻したくて、バイトもほぼ行かず、活動という活動もせず、自分に絡みついていたしがらみというしがらみをすっかり無くした。 新たな自分に成るべく、それまで嫌っていた自己啓発本なんかも読んでみたりするのに「どうせ変われやしない」とフラフラと歩いた渋谷でわざわざ声をかけられては、面白そうだと感じるものに誰彼構わず付いていって。 全て壊す勢いであらゆるものを解放し、受け入れた。

          とある絵描きと私が見た海

          舞台『98色の短編集』を終えて

          2021年9月25日〜10月3日 @三栄町LIVE STAGE 作演・前田直紀(@maeda_n_) 舞台「98色の短編集」 9日間 全12ステージ 全ての公演を終えました。 このご時世の中ご来場頂きました皆様、本当にありがとうございました!そして、配信を購入してくださった皆様もありがとうございました!応援してくださった皆様もありがとうございました!! 皆様に支えられて、舞台は無事幕を閉じました。 あとはこの後全員に体調の変化がないことを祈ります。 いやぁ…秒速でした…

          舞台『98色の短編集』を終えて

          私を「私」たらしめるもの

          「私」というものを作っているもの。 お砂糖とスパイスだなんて、ファンシーなものでは出来ていない。もっとドロドロとしたもので出来ている。一言で言い表せと言われると分からないが、混ざりに混ざりすぎて綺麗なものとは言えないのは確かだ。きっとそれはみんなそうなのだと思う。一言で言い表せる人なんて居ないように。 私を「私」たらしめるもの。 強いて言うなれば"苦悩"ではなかろうか。 そう思う所以を語るには少し過去の話をしなくてはならない。

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          私を「私」たらしめるもの

          9月舞台出演情報\解禁!!/

          こんにちは、繭乃(@mayuno42)です。 この度9月25日(土)から10月3日(日)に開催します舞台に出演することが決まりました! 今回ご縁を頂いたのは昨年末での舞台『ホールマン』でご一緒した前田直紀さん(@maeda_n_)です。 前回は役者としてご一緒しましたが、今回は前田さんが脚本・演出をされます。どんな舞台になるか今から楽しみです♪ そんな舞台の詳細を以下にまとめていきます! ▽ ▽ ▽ 三栄町LIVE×前田直紀公演 「98色の短編集」 《演出》前田直紀

          9月舞台出演情報\解禁!!/

          脳死した思考

          今世間にブームを起こしているTikTokにYouTube、他動画サービスの数々。 電車内や道ゆく人が視線を上げて移り変わる景色を楽しみながら歩を進めているところを見かけることはほぼ無いに等しいほど、私たち現代人にとってSNSや動画コンテンツというものは親密なものになっている。 かく言う私もYouTubeは昔から好きで、ゲーム実況やアーティストのMV、YouTuberチャンネルを楽しんできている。様々な人が色んな角度から自分をアピール出来る時代になった。 それは良しとして。

          脳死した思考