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にーっこにこ動画♪

 昔のニコニコ動画は午前0時になると時報が流れた。その時間になると観ていた動画が中断され、全ユーザーが強制的に時報を聞かされる。その間に送信したコメントは時報を聞いている全ユーザーの画面に流れる仕様(要するに、時報というニコ生をみんなで同時視聴させられる)なのだが、昔は「死ね」「氏ね」「タヒね」というコメントが左から右へ大量に流れていくという異様なノリと一体感があった。楽しく動画を観ていたのに時報に割り込まれた事への怒り、ニコ生運営の無能さへの抗議、特に恨みや不満はないが何かを叩いて憂さ晴らしをしたい、一体感を味わいたい、など様々な理由があってオタクたちはそうしていたんだと思う。大多数のオタクはキレてるとかではなく「そういう文化だから」という理由でやっていたと思うけど、俺たちは24時間おきに数秒だけ接続されるだけの関係性だったから実のところみんながどういう気持ちで「死ね」と言っていたのかはわからない。ただ、あの空間には人の数だけ「死ね」に意味があったし、ほんの僅かな時間だけ一緒に叫んで解散するだけの関係性はかなり好きだった。


午前0時に集まって「死ね」とコメントしていたみんなは今頃何をしているんだろう。

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