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それだけ

このまま
もうこのまま目を開かずに
いてもいいかもしれない。

楽しかったり、嬉しかったりした残像を
何度も何度も繰り返して
見続けていたほうが
幸せかもしれない。

体が熱くて息がしづらくてうなされる。

風邪ひくのってこんなに辛いんだっけ。

あいまいになりつつある記憶の糸を
少しずつたぐりながら思い出す。

そもそもカレは
ワタシになんてこれっぽっちも興味なんてなかったんだ。

ただ、あまりにもワタシが執着するから
少しだけそれに付き合ってくれていただけ。

それだけだ。

このまま熱と汗とでぐちゃぐちゃになって
朽ち果ててしまうのも
悪くはない。

そうすれば
もう
心躍らせる必要だって
なくなるんだから。

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