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東京寫眞帖 : 神田須田町あたり

昨日は神田明神へ初詣に行ったついでにニコライ堂に寄り、そのまま東京駅まで歩くつもりでいたのですが、大手町へと向かう本郷通りがあまりに人通りが少なく寂しいので、小川町の角まで来たところで人の多い靖国通りへと曲がりました。

この辺りは大昔に一度、会社の人たちと飲みに来たことがあるようなないような…
いずれにしても、昼間に歩いたことのないエリアです。

広々とした靖国通りを歩いていると、向こう側にレトロな建物を発見。行列ができているので、なにかのお店のようです。
よく見たら「手打ちそば」という提灯がかかっていました。お蕎麦屋さんなのですね。

店構えがすてきですよね。
ここだけ時代が違うみたい。

有名店なのかも、とネットを検索してみると、「神田まつや」というお店で創業は明治17年。建物は大正時代以来の木造建築だとか。よくぞ令和の今に至るまで残っていたものです。

「神田まつや」を過ぎると、ほどなく須田町の交差点に出ます。かつては都電の路線がいくつも交差する場所だっただけに、広場のようにぱかーっと開けた交差点です。
ここを右に曲がって神田駅方向に行くつもりでしたが、信号待ちしながらふと左を振り返ると、これまたレトロな建物があるではないですか。

交差点の向こうにまたまたすてきな建物が。

どう見ても戦前の建物でしょう、これ。
ということで、吸い寄せられるように信号を(自分が行こうとしていたのとは)逆方向に渡り、近づいて見てみます。
「株式会社鷹岡」
うーん? なんの会社でしょう。
いまもここで営業しているのでしょうか。
それにしてもすてきな外観です。

社名の上の連続装飾もいいかんじ。

半分近く降りたシャッターの下から、いかにも昔風の扉がのぞいています。ガラス窓に書かれた書体も昔風でそそられます。

扉に近づいてみました。

その後調べてみると、鷹岡という会社は今でもありました。
というより、この建物自体も現役でした。
ぜひ平日に中を見てみたい… あ、でも関係者でないと入れないですかね。

鷹岡ビルに満足した私は、結局神田駅には向かわず、万世橋へと足を向けました。
万世橋も、名前だけは知ってはいるもののこれまで来たことのない場所です。
秋葉原が近いためか人通りはさらに増え、海外からの観光客もたくさんいて、橋の上でカメラを構えていました。

万世橋からの眺め
(お茶の水方面)
万世橋のたもと

思いがけず好みの建物に出会えて、橋から川を眺め… いい拾い物をした気分です。知らない道を歩く楽しみのひとつは、こういう出会いですよね。

(2023.1.7)

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