紺珠記

タイトルの「紺珠」(かんじゅ)は、「なでると記憶を呼び起こす紺色の宝玉」だとか。 その…

紺珠記

タイトルの「紺珠」(かんじゅ)は、「なでると記憶を呼び起こす紺色の宝玉」だとか。 そのままだと忘れていってしまうあれこれを思い出すきっかけになるように、日々のことを綴っていこうと思います。

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  • 東京寫眞帖

    東京の風景。 昭和の名残を探して。(現代の景色も撮っています)

  • 今日の本棚

    読書記録を兼ねた感想文です。

  • ものがたり) 夢路にて

    帝都の実力者・汐見子爵と人気役者・篠乃井冬月との出会いとその後のものがたり。

  • ものがたり) 残響

    いつかの時代、いつかの場所。 捕虜だった青年とその主人の話。

  • 言の葉メモ

    ショートストーリーや、短編未満の言葉の切れはしをまとめています。

最近の記事

2024探桜記・近所の神社の桜

探梅記ならぬ探桜記。 もはやGWが目前ですが、最後の3回めは近所の旗岡八幡神社です。 神社のあたりはちょっとした桜並木になっているのですが、最寄り駅までの道の途中に神社があるので、会社に行こうとするだけでお花見ができます。 しかも帰宅時間には、途中の床屋さんがライトアップをしてくれているおかげで、夜桜も楽しめてしまう。 なんという好環境。 3月30日・桜まつり 去年の夏はこの神社で初めて盆踊りのイベントがありましたが、今度は桜まつりをするとあって、前から楽しみにしてい

    • お茶でもひとつ : 富山棒茶

      4月は毎年忙しいものですが、突発案件に見舞われてさらに忙しくなった先週は、週末になったら新しいお茶の袋を開けようと、それだけを楽しみに乗り切りました。   ということで、今回のお茶はこちら。 富山・藤岡園の富山棒茶です。 やはり棒茶は熱々のお湯で飲みたい。 しゅんしゅんと音を立てるやかんから急須に熱湯を注いで、のぼり立つ香りを楽しみました。  今日のお茶のおともは、くるみゆべしとさつまいもチップス。 くるみゆべしは安定の美味しさ。 チップスの方は甘い味を期待していたので

      • 追憶の庭

        春になって花屋さんの店先にエニシダの元気な黄色の花が並ぶようになると毎年、買おうか買うまいか迷います。 というのも、前にいちど枯らしてしまったことがあるからで。 水をよく吸うエニシダには、日当たりの良すぎるうちのベランダは不向きなのかもしれません。 (ずぼらな世話人=私も… 苦笑) 何年も前のその春も、花屋さんの前を通るたびに気になって大長考したあげく、ようやく決心したのでした。 ついでとばかりにコデマリの鉢植えも買って部屋に戻る道すがら、植木鉢を包んだビニール袋から伸び

        • 2024探桜記・九品仏川緑道

          探梅記ならぬ探桜記。 2回目は九品仏川緑道です。 先週末、自由が丘に買い物にでたついでに、もう散ってるだろうなと半ば諦めつつ、緑が丘駅まで散策してきました。 ところでこの緑道、私の手元の地図帳には「佐山緑道」と記載されているのですが、現地には「九品仏川緑道」との看板が。 昭和49年までは九品仏川という川が流れていたそうで、Wikipediaや目黒区のウェブサイトでも「九品仏川緑道」と書かれているので、正式名称はそちらなのでしょう。 というか、「佐山」というのはどこから

        2024探桜記・近所の神社の桜

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          2024探桜記・多摩川台公園

          探梅記ならぬ探桜記。 すでに桜の季節もすぎて初夏の陽気ですが、今年のお花見の記録ということで、写真をまとめてみることにしました。 初回は多摩川台公園です。 多摩川ぞいの河岸段丘の上にある多摩川台公園は、東横線の車窓から見ると、春先は丘全体が桜に覆われてとても素敵です。 大好きな景色のひとつです。 水生植物園の桜 私のお決まりのコースは、多摩川駅に近い南側の入り口から入って公園を北上するというもの。 公園の南端はあじさい園で、六月ともなれば紫陽花を楽しむ人でいっぱい

          2024探桜記・多摩川台公園

          お茶でもひとつ : 白牡丹

          先週に続いてこの週末も中国茶。 今日は白牡丹です。 包装から取り出したティーバッグを嗅いでみると、甘い香りがしました。 茶葉の状態でこんなに香るなんて、淹れてみたらどんななんだろう、とわくわくします。 お茶の色はやわらかい黄色。 この間飲んだ鳳凰単叢はわりと濃いめの茶色いお茶だったので、当たり前のことながら、銘柄によって色味も香りも違うことを実感します。 茶葉の香りそのままに甘いお茶でした。 明るい午後の日差し。 お茶を淹れて本を読む。 BGMには、音を絞ってYouTu

          お茶でもひとつ : 白牡丹

          お茶でもひとつ : 鳳凰単叢

          おいしいお茶を飲みたくなって、先日、お気に入りのお茶を取り寄せました。 以来、なんとなくお茶のことが気になり始めたところに、会社近くの丸ビルの地下で、中国茶のお店を発見。 もう何年も前、中国茶に興味を持ってカルチャースクールに申し込んだことがありました。 ところが、通い始めてまだ数回という時にそのカルチャースクールが倒産してしまい、講座は当然、終了。 私の中国茶との縁はそこでいったん切れてしまっていました。 それが、思いがけず、職場の近くにお店を見つけたことで、かつて

          お茶でもひとつ : 鳳凰単叢

          東京寫眞帖 : 目黒不動・後編

          1月も末の28日、お不動さまの縁日の目黒不動にやってきた話の続きです。 前編はこちら。よろしければどうぞ。 (平塚橋から目黒不動までの道中の記事です) 仁王門 仁王門の前にも屋台が並んでいました。 思わず右に左にきょろきょろしてしまいます。 仁王門で一礼。 見渡した境内にはたくさんの屋台が立ち並んでいました。想像していたよりもずっと多くて、楽しい気分が盛り上がります。 大本堂 目黒不動の大本堂は、山門正面の小高い岡の上にあります。 が、しかし。階段には参詣者の行列

          東京寫眞帖 : 目黒不動・後編

          東京寫眞帖 : 目黒不動・前編

          どこかに出かけたらなるべく早くに記事にする、という今年の抱負がすでに崩れてしまっていますが(苦笑)、1月末の週末、3年ぶりで目黒不動に行ってきました。 毎月28日はお不動さまの縁日で屋台がたくさん出ると聞いて、前からその日に行ってみたいと思っていたのですが、これまではなかなかタイミングが合わず… 今回ようやく、初の28日参拝となりました。 今日はその前編、目黒不動への道中の紹介です。 武蔵小山・パルム商店街のあたり 東急目黒線の武蔵小山駅から中原街道の平塚橋交差点まで

          東京寫眞帖 : 目黒不動・前編

          お茶でもひとつ

          在宅勤務といっても、仕事がてんこ盛りで一日じゅう机にべったりということもしばしば。 食事どころかお茶を淹れる余裕もなく、やかんから白湯を注いで飲むだけ、といったような日々が続いて、ふと思いました。 おいしいお茶が飲みたい。 お茶のいい香りでほっとしたい。 ところが手元の急須は最近目詰まり気味。 急須を傾けても、ちっともお茶が出てきません。 あげく、注ぎ口ではなく、急須と蓋の隙間からお茶がこぼれでてくる始末。 注ぎ口と一体化している茶漉しの部分を念入りに洗ったり、注ぎ口の

          お茶でもひとつ

          ちいさな慰め

          昨日、ベランダのローズマリーが咲きました。 蕾があることに気づいたのはいつだったか、それからずいぶん長いこと待たされました。 一昨年の暮れから昨年の年明けにかけてはたくさんの花芽がついて、ずいぶん楽しませてもらったのですが、今年はなんとひとつきり。 毎日水やりをしながら鉢植えを眺め回すのですが、どれだけ見ても蕾はひとつ。 今回は植え替えもして栄養剤もあげていたのですが、なかなか思うようにいかないものですね。 昨日は在宅勤務の日で、朝ごはんのついでに会社メールをチェックし

          ちいさな慰め

          今日の本棚 : その熱量に脱帽・2

          ミールとは 言葉に取り組む人の熱量に圧倒されて、先日、この記事を書きました。 なので、少し前に読み終わったこの本についても、noteに書き残しておきたくなりました。 言葉の習得にかける熱量がこちらもすごい。 「ロシア語だけの青春 ミールに通った日々」 黒田先生の本は何冊か読んだことがあって、ロシア語をはじめとしたスラヴ系の諸言語をネタにしたエッセイなどは、寝入りばなの気軽な読書にちょうどいい感じ。 先生がロシア語を学んだのは「ミール・ロシア語研究所」という語学学

          今日の本棚 : その熱量に脱帽・2

          因果は(わりとはやく)めぐる

          今日は自分の底の浅さというか、年がいのなさが露呈する、恥ずかしい話をひとつ。(なので、後日この記事は消してしまうかもしれません) さて今日の午後は、金曜土曜と早寝をして体力が回復したこともあり、天気も良いので神田明神へお参りに行ってきました。 一年ちょっとぶりの参拝でしたので、とても楽しみな気持ちで神社へ向かいました。 神社でのお参りのとき、私はけっこう長々と手を合わせるほうです。 柏手を打ってから神拝詞を小声で呟き、住所と名前を心の中で名乗り、それからこれまでのお礼とお

          因果は(わりとはやく)めぐる

          今日の本棚 : その熱量に脱帽

          気になるタイトル 図書館で「次は何を借りようかなあ」と書架の間をうろうろしていた時、ある本の背表紙が目に止まりました。 「ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと」 …?? 文字も暦も持たない? ふだんの語学の勉強は中国語9割、ロシア語1割で、狩猟採集民にはまったく興味がないのですが、思わず手が伸びました。 文字はともかく、暦がなくてどうやって暮らしていくんだろう、と単純に疑問に感じましたし、「ゆる言語学ラジオ」でアマゾンの少数民族・ピダ

          今日の本棚 : その熱量に脱帽

          東京寫眞帖 : 赤坂の桜

          所用で赤坂に出かけた週末、青山通りを赤坂見附の駅へと戻る途中、ふと溜池山王までひと駅ぶん歩こうと思い立ち、一木通りへそれてみました。 ふだん縁のないエリアなので、右に左に顔を向けながらうろうろしていると、路地の向こうに桜の咲いている景色が目に飛び込んで来ました。 公園のようです。 賑やかな鳥の鳴き声も聞こえます。 当然、足はそちらへ。 路地を抜けると、巨大な鳥のオブジェの背中が見えました。 どの桜も好きですが、河津桜は春に先がけて花開くからか、心を浮き立たせてくれるよう

          東京寫眞帖 : 赤坂の桜

          冬雷震震

          雪の降った翌朝は底冷えがして、暖房を入れてもなかなか部屋が暖まりません。 水道の水も切れそうに冷たくて、やかんをかけようとして注ぎ口からはねた水に、心臓がきゅっと縮こまります。 カーテンを開けると向かいの三角空き地も真っ白。午後にはここで子どもたちが遊んだりするのかな。 昨夜は雷でした。 ぶあつい布を裂くような、そんな音がしばらく続いて驚かされました。 冬の雷。 とくれば、「上邪」の「冬雷震震として、夏に雪ふり…」という一節が頭に浮かびます。 読み下しがうろ覚えなのです

          冬雷震震