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七色の光の実験室

2021年の年初め、ヒプノセラピーを受けてみた。ヒプノセラピーとは催眠療法のことで、催眠にかかった状態で自分の過去や過去生(前世)を見ていく。以前受けた時は全く催眠状態に入れず「目の前に何が見えますか?」などと聞かれても「何も見えないんですけど・・・」と思っていた。でも、今回のナビゲーターはいつもお世話になっているボイストレーナー。きっかけは2020年の暮れにいつものようにボイストレーニングを受けている最中に「ヒプノセラピーのナビゲートを勉強したら出来るようになったのでやってみない?」というところから始まった。特に悩んでいることもなかったし、以前やった時には全く意識の世界に入れなかったので「興味はあるけど、数年前にやった時は全然ビジョンが見えて来なかったんだよね」と話すと「でも今は毎日瞑想しているでしょ?きっと大丈夫だよ」と言われた。
2020年の暮れには木星と土星が会合するグレートコンジャクションなる天体ショーがあり「土の時代から風の時代に変わった!」などと一部の人たちの間で騒がれていた。世界中でコロナが蔓延し、確かに今まで当たり前だったものが壊れはじめ、そこからヌヌっと顔を出してきたものもある。天体の動きとリンクしているのか否かはわからないけど、確実に時代は大きく変わろうとしているのだ。だったら、その幕開けの2021年の年明けにヒプノを受けてみるのも面白いかもしれない。ダメならダメでいいではないか。そう思い、やってみることにした。

「自分が一番リラックスできる場所に行ってください」

体に合わせて自在に変化するビーズクッションに横たわりながらセッションは始まった。まずは自分の家のソファに横たわっているイメージをする。

「目の前に乗り物があります。その乗り物に乗って森を駆け抜けていくと目の前に大きなスクリーンがあります」

意識の旅のナビは始まっていく。
入り込みすぎるより、適当にしていた方が目の前に広がる映像ははっきりしてくるようだ。そして、驚いたことにナビをしてくれているYちゃんは私の見ているビジョンと同じものを横で見ていたのだ。まるで一つのテレビを二人で見ているかのように。なので、解像度の悪い私の映像はYちゃんと答え合わせをしていくうちにどんどん解像度が上がりはっきりしていった。まるで、台風で画面が乱れている昭和のテレビの画像から、まだ8Kどころか4Kにもなっていないけど令和のそれのように。
「まずは今の自分に必要なビジョンを見せてもらいましょう」
ということで見えてきた映像は日本昔話のオープニングのようだった。

「坊や〜、良い子だ、ねんねしな♪」

という歌と共に流れる、あの童子が龍の背中に乗って空を楽しそうに飛び回っているやつだ。
いきなりスペクタクルな映像で楽しい。
夢と同じで意識の世界は自由でいい。
でも夢よりももっと生っぽい感じだった。

これって自分で創作しているのかな?

よくわからないけど、その時に感じた感情と受け取ったメッセージのようなものはなんだかリアルに体に残る。
いくつかのビジョンを見た後、
「最後にちょっと先の近未来を見せてもらって終わりにしましょう」
ということになった。そうすることによって今やるべき事が輪郭を帯びてくるというのだ。
一つの物語が終わると必ず森を抜けた先にある白いスクリーンの前に戻ってくる。そして、そこから再び始める。

最後に見た映像は地下にある洞窟のような部屋で、天井から自然光が差し込んでいた。外とは完全に遮断されている。まるで手塚治虫の「火の鳥」や宮崎駿の「風の谷のナウシカ」に出てくるような近未来であった。きっと、外は汚染されていて人間が住めるような状態にないのであろう。その部屋に流れている空気はてらっと七色に光っていた。
部屋には白衣を着た女性が一人。実験をしていた。私よりも年齢が若かったので、きっと来世の映像だったのだと思う。
なんとか生き残った地上の植物を大切に保管しながら絶滅しないように育成しているようだった。死んでしまった大地を再び再生させるために研究を重ねていたのだと思う。

よく生きてきた中で起こったことには全て意味があって繋がっている、なんて話を聞くけれど、それって来世にまで繋がっていくんだな、と思った。このコロナ禍で自分の生まれ育った場所の庭を使って風と水の通り道について大地再生の活動をしている矢野 智徳さんから指導を受けながら勉強していたのもなんとなく、自分の中で合点がいった。

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