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「好きとマーケットの交点で。」 めいちゃんち退居者インタビュー #2

今から7年前の大学院生の時に、めいちゃんちに入った陽次さん。めいちゃんちに入居。復学して大学院に進んでから、1年目は、学生起業のような形でアプリの開発を、2年目は研究していた。

デザイン、テクノロジー、経営を軸に就活。

日中は研究室で実験をこなしたり、他の大学で非常勤講師を務め、夜は友人とのスタートアップで開発とディスカッションという充実した日々を過ごしながらも、夕食はできるだけ家で食べたり、定期的に住人たちで宅飲みを楽しんでいた。入居前の「1人の時間が大切だし、みんなと楽しく生活できるだろうか?」という一抹の不安は、すぐに消えた。

インドでの営業の経験から、「サービス開発を次はやってみたい」と思い、知人伝で誘いがあった仲間たちでアプリ開発のスタートアップにチャレンジ。メンバーの卒業に伴い、アプリはできたが、リリース寸前で出資打ち切りになり、1年で停止に。頓挫という形で終わったが、チームの作り方や、プロダクトの開発など多くを学んだ。

インドやサービス開発の経験から、就活は、経営、テクノロジー、デザインの3つの軸に定め、大手からベンチャーまでを総ざらいで見ていった。経営コンサル、デザインコンサル、IT系、消費財メーカーなどに対象を絞ってインターンに参加し、一番雰囲気が合うと思ったクックパッドに決めた。

めいちゃんち住人のりょうや、サービス開発を一緒にやっていた信頼できる友達の、「いや、お前ホンマは迷ってないやろ。クックパッドでしょ。」と言われたことが後押しになった。

他のスタートアップからお誘いもうけたが、内定が早くでたこともあり、今しかできない学術研究に修士の2年目は没頭した。そのうちに教授から信頼され、企業との共同研究のリーダーを任された。
その経験は、今プロジェクトマネジメントの仕事に生きている。

スタートアップでマネージャーとして働く。

「『好きな事を仕事にしないほうがいい』という人がいるが、好きな事でご飯が食べれるようになればこれほど幸せな事はない。ただし、“好き”は難しい。“好きなこと”とは、行為自体に苦痛を感じず続けられることだと思う。それを仕事にできる努力をしていきたい。
“好きなこと”を仕事にするためには、マーケットの理解も大切。好きなことをプロダクトやサービスで提供したときに、それで救われる人がいるか、あわよくばお金をいただけるか、その仮説検証を正しく行えれば、どこでも働ける。」と陽次さん。

(今の会社でのチームの様子)

卒業後に上京。東京でも、大学時代の友人と就活で出会った友人たちとシェアハウスを始めた。めいちゃんちでの経験から「人と一緒に住みたい」との思いがあったのだとか。

クックパッドに新卒として働き始め、配属されたのは新規事業開発部。10人に満たないほどの超スモールチームで、事業コンセプト作りから、プロダクト設計、顧客開拓、UX/UI設計…全てをやる必要があった。就活時に定めた「経営・デザイン・テクノロジー」という領域全てに取り組める環境だった。

組織にはピラミッドがあり、上に行けば行くほど日々取り組む課題の抽象度が上がる。

「この市場環境において、顧客にどう満足してもらい、そのために何をするのか?」ということを社長が考える。それは役員に落ち、「その責任領域でどう目標に落とすか?」ということをやる。「売り上げを1000万だが1億にしなさい」という目標を、どうやったら達成できるのかを考えて分解し、指示を出して、従業員が実行をする。そんな風に事業はできていく。

客観的にアドバイザーとして入りたいのか?現場での実行力をつけたいのか?という点で、キャリアの設計は大きく分かれると思う。僕は、クックパッドという事業会社、つまり現場側を選んだ。結果的に、コンサルティング的に考えるし、実際に動くのも自分、というどちらの側面にも関われる仕事をさせてもらっている。一番辛いのは辛いが、幅が広い。

いろんなレベルの力をつけたいなら、小さい会社の方がいいかもしれない。もしくは、外資の「人は卒業するもの」という前提の会社に行くか。人材の流動性のない会社は、仕事の範囲が狭い。抽象度の高いものを取り扱うことが、人の成長になる。

では、これからは?と尋ねると、こんな風に答えてくれた。
まぁ個人の時代だからね。組織を動かして、プロジェクトを進める力は変わらず大切。だけど、個人で稼げる人が一番すごい。好きな人と好きな仕事で食べていけることが一番いいよね。」と笑った。シロネルというコーヒー集団で、移動するカフェを運営したり、ECで豆の販売を行っている。もともとみんなの趣味で始めたようなものなので、これだけで生業にするのは「まだまだ」なのだそう。「その点では、自分の好きなことで事業を作っているめいの2人は同志だと思うし、これからも個性的で優しいコミュニティを育み続けて欲しいです。」と陽次さん。
どう収益化するか、好きとマーケットの交点で、仕事が生まれ始めている。

(シロネルの instagram)

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執筆・編集 めいちゃんち

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