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「問いを立て、答えを更新し続けるように生きる。」#1

めいちゃんち退居者インタビュー #1 」めいちゃんちを退居した人の、出会う前、その最中、退居後のストーリーを追うことで、めいに流れる物語を掘り出すインタビュー集です。記念すべき第1回目は岩倉隆史さん。シェアハウスの事業をはじめて1年が経つ頃に入居した方です。

前回は、めいちゃんちでカフェを経営する中で「日々の暮らしが底上げされるような、“いつも感じる幸せ”をデザインでつくっていきたい。」との思いが芽生え、デザインを本格的に学ぶため、めいちゃんちを退居するところまでを見ていきました。


暮らしを営むことは、消費と生産をえらぶこと。

 「自分の中でいつも大切にしてきた問いは『どのような“コト”をして生きるのか?』と『どのような“暮らし”を営んでいくのか?』というふたつです。」と、岩倉さん。

 自分が楽しくて没頭できる“コト”としてデザインを。“暮らし”として、生産から消費まで想いが交わされる生活圏を、自分たちの手で作りだすことを決めたのだそう。

 1年をかけて、11の都道府県を周り、これからの暮らしの基盤となる場所を探し歩いた。自然が豊かで、自分が関わるコトに想いを持ち、新しい価値観にも寛容な人に多く出会った和歌山県の古座川町という町を選び、移住を決めた。

 移住してからは、まずエネルギーや食べものの自給、古民家のDIYなど、暮らしをつくる挑戦をした後に、地元のコミュニティに溶け込んでいき、チラシの作成などから少しずつデザインの仕事を増やしていった。


問いを立て、答えを更新し続けるように生きる。

 いわしさんとともに古座川に引っ越してきた女性と夫婦になり、家族も増えた。

 最近(2018年4月現在)は、三重県御浜町の「仕事と暮らしコミュニティーセンター」や和歌山県田辺市熊野の「田辺市熊野ツーリズムビューロー」の理念の設計など、地域の課題や循環する社会のデザインを、紀伊半島エリアから手がけている。

 岩倉さんに続いて、古座川町に20代の移住者が現在8人暮らしている。想いのある人がまた集い、日々の暮らしが人によって豊かに彩られるあたたかいコミュニティを育んでいきたいのだとか。 

 「真摯に生きる。」ことを信条に、自ら問いを立て答えを見つけ、その答えを表現することを繰り返して、人生を拓いてきた岩倉さん。

 18歳でめいちゃんちに入りカフェを始めた青年は、できることを着実に積み重ね、遠く離れた土地で、コミュニティを育んでいた。

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 ここまでお読みいただいたみなさま、ありがとうございました!次回は、グラフィックデザインに携わる女性の物語をお伝えします。

(文章:大西芽衣)


いつもお読みいただいて、ありがとうございます。