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バイクったら


バイクの何が好きかって、バイクにのってる人は大抵バイク好きだからですね。
当たり前と思うかもしれませんが、車はそんなことない。好きでもないのに車に乗ってる人とか私のまわりにもいっぱいいますよ。
そうするとどうなるか?商品が変わってくるんですね。
BMWは素晴らしい車ですが、すごく高いBMWに乗っていながら
「ビーエム、かっこいいけど、ハンドルが重い」
とか言ってる人とかがいます。BMWは理由があってあの重さにしているのに、ハンドルを軽くした別のクルマが売れる。売れるものに市場はひっぱられますから、安全性やスピード、路面状況の把握といったハンドルの重さに秘められている機能は別のカタチで出さざるを得ない。
そんなわけで車というのは常に不合理な要求にさらされ、それに応えることを宿命付けられている。別に好きでもない人を車にのせる。(自動運転なんてそんなのの最たるものですが)運転すらしない車に何百万も出させる。というのはそういうことですよね。

バイクはそういうことがない。好きじゃなくなったら降りますから。だから商品も違います。時速100キロ出してるのに、30キロの時みたいに走りたい。なんていう人はあんまりいない。100キロなら100キロの緊張感に応える車体の路面を把握する力と対応力が問われます。
「こける」とか「むき出し」というバイクの特徴は、“スピード”というものの正体が何か、体で理解させてくれます。理解を怠った場合の代償は大きいですから。車はなんとなくそのへん心理的に逃げれるんですよね。

だから余計に好きな人しか乗れない。
リスクと偏愛を同時に持つというのは他のコミュニティにはないことでしょう。
あの高速のサービスエリアでのバイク部門のへんな一体感は、そんな心理に裏付けれられているのではないかと思うのですが、、。

(2005.1.22初出)

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