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  • Blue エンタメコラム

    映画、音楽、世相、文化などいろいろコラム。エンターテインメントは天と地の分け前。

  • 素朴なる探求心

    世の中の様々なことで気になったことを記します。なんでだろう?ちょっと変、納得できない、不自然、理不尽。でも、さかのぼると必ず理由がみえてきます。知的かどうか謎ですが「素朴なる探求心」こそ私の原動力かと思います。

  • 歴史の望遠鏡

    この世の理不尽や不合理を疑問に思うこと。実は多くの場合、そこには人間の歴史がある。そこに生きた人々の怨念と情愛がある。

  • NAINEN クルマと人の写真館

  • 神々の畦

    日本人とは何か?考えれば考えるほど独特な文化を持つ日本人、特に世界に類を見ない日本語や、現代に至るまで他者の影響を殆ど受けないほど確立された死生観や宗教観は、明らかに弥生時代以前からのものです。それは一体何なのか?日本人の正体に想いを巡らせてみたいと思います。

最近の記事

ドキュメンタリーの時代。

先日行われたベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞に、ドキュメンタリー作品が選ばれましたね。「ダホメ」という仏植民地時代の西アフリカ・ベナンから奪われた美術品の返還問題を扱ったフランス映画です。 ドキュメンタリーの時代が来たかもしれませんね。 ドキュメンタリーって社会問題とか扱っている場合が多いので、ちょっと難しいというイメージがあるかもしれませんが、思えば情報化社会の現代において、口当たりのいい情報や楽しいだけのニュース、刺激的な映像なんてのは吐いて捨てる程あるわけで、表面だけ

    • 世の中悪い奴ばっかりであたりまえ

      先日行われた国連の安保理で久々に米国が拒否権を発動しましたね。(パレスチナ・ガザ地区での『人道的な即時停戦を求める決議案で日本など13カ国は賛成し、英国は棄権したhttps://www.bbc.com/japanese/67668551)。 米国は孤立、世界から非難を浴びています。米国は何でここまでしてイスラエルの肩を持ち続けるのか? と、いきなりすいません! 急にどうした?と思われるかもしれませんが、2024年、不穏・不明瞭な時代を紐解くキーワードとして提供できればと思って

      • 銃と宗教とお茶

        前回の「国家」でややこめんどくさいことを言いまして、やっとモンゴル帝国がなんでこの世から消えちゃったかいう準備が整いました。 近年、社会主義の崩壊とともにモンゴルも近代化が進んでいるようですが、ちょっと前までは、街は汚物が散乱し、マンホールに孤児があふれかえる、なんかもう世界に冠たる乞食帝国だったのです。 この状況は、モンゴル帝国の終焉と歴史的につながっています。 彼らから最強の騎馬民族の地位も誇りも奪ったのは、大きな意味で「近代」なわけですが、より正確にいうと、「銃」

        • EVだからと言ってエコじゃない!F1内燃機関最終章

          私 #魔窟シネマ という動画もやっております。 今回は「F1内燃機関最終章」として、カーボンフリーの世の中で滅びゆくかにみえる自動車レースの最高峰”F1”がこの期に及んで放つ、魅力の数々を3回にわたって語り尽くします! 1回目となる今回は、F1の魅力とは一体何なのか?さらにはF1のエンジンの意外な事実も深掘り! 爆速で爆音なF1の魅力を語り尽くします!是非ご覧ください!いいね!コメントもお願いします! 0:00 OPトーク「ジャスティス・リーグ の画角サイズについて」 3:

        ドキュメンタリーの時代。

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        記事

          国家

          現在、世界最強の国はどこかといえば、そりゃもうアメリカです。 第2次世界大戦前からそうだった。その前はイギリス・大英帝国でしょうか、スペインという時もあったのでしょう。 文明が発達した国が武力も優れているというのは現代においては当然の常識ですが、これは実は人類の長い歴史の中でも珍しい時代だと言えます。 近世以前はそれこそ、野蛮人のほうが強かった。 フン族やら、バイキング、ゲルマン、東の方には倭寇なんていうのがいて、中国の王朝や古代ローマなどの先進国を苦しめる方が普通だった

          皮、革。

          世界の中で日本はキーワード検索数だけは世界でダントツトップ、図抜けてSDGsに関心の高い国です。ほとんどの国はこんなにまじめにやってない。 にもかかわらず、 https://agora-web.jp/archives/220604202219.html   SDGs日本は何かかんや言われ、日本のSDGs達成度は世界19位に低下。「SDGsの認知度が低い!」 私はこういう動きは実に怪しいと考えます。 これは「国連」が旗を振る新たな信仰であり、グローバリストたちが新たに作る消費ト

          マニュアルだから

          車の運転というのは、もう30年以上やってることなんですが、なかなかイメージしたようにいかないものです。うまくならない。 いつぞやイタリアのミラノに行った時、夜タクシーに乗った。 タクシーとはいえ、イタリア人で、プロドライバーなですから、ぴゅん、ぴゅん飛ばすわけです。ランチャ・リブラのワゴンだったと思いますが、のけぞるくらいの加速して石畳の上をバコバコ言わせながら、しかもスムーズに駆け抜けていく。 「とばすなー」 とか思いながら、ふと運転手をみると暗闇の中、右手が流麗に動い

          マニュアルだから

          運命のプランシングホース(8)

          ■最強の遺伝子 ポルシェ917のエンジンは4.5リッターフラット12。V12をそのまま水平まで開いた状態のエンジン。でかい。これが空冷というから、空冷フィンがついていてさらにデカイ。これを冷やすために上部にデカイファンがついていて、それがぐるんぐるん回るのである。ファンの位置は90度違うものの、エンジンとしては911に非常に似ている。 ポルシェというのは外観でなく、エンジンフードを開けたとたんポルシェとわかる、テクノロジーに独自のこだわりとアイデンティティを求める数少ないメー

          運命のプランシングホース(8)

          月明かりの中、

          月明かりの中、 森の中の一本道を一人の旅人が街を目指して歩いてました。 ところが、森の一本道は2つに別れていたのです。 どちらにいけばよいか迷う旅人、ふと顔をあげると 彼の目の前に2人の妖精が現れました。 一人は真実を言う妖精。もう一人はその反対のことしか言わない妖精。 2人はそう言って自分たちを紹介しましたが、どちらがどっちなのかは言いません。 旅人は街はどっちか、思い切って聞いてみましたが、答えは 「右」 「左」 どちらを信じていいのかわかりません。 旅人は考え

          月明かりの中、

          丹波哲郎、最後の芝居(2)

          丹波哲郎演じる源頼政と大杉蓮の源行家は、皇族の命令たる【以仁王の令旨】を出させ、弱いながらもオフィシャルなカタチで反平家連合を作り上げ、実際に全国的なムーブメントを起こした存在としてもっとクローズアップされるべきだと思います。 結局、義経の「なんか世の中に痕跡を残したい」という若き欲望も、頼朝の「このまま終わるわけにはいかない」という父に誓った執念も、さらに言えば東国武士団の世の中に対する不満も、すべて頼政と行家2人の死を賭して提示したプランに情熱のはけ口を求めていくわけです

          丹波哲郎、最後の芝居(2)

          丹波哲郎、最後の芝居(1)

          ひさしぶりに大河ドラマ「義経」見てましたが、おもしろいですね。 大河は、だいたい途中で「見てられん!」とか思ってやめちゃうんですが、13話まで我慢した甲斐がありました。 主演はタッキーこと若き日の滝沢秀明。当時からジャニーズの力は相当あったと思いますが、それでも大抜擢ですよね。例のごとく牛若丸が幼少期から若者・義経へ成長していく物語は(見る人にとっては)面白いのでしょうが、やや苦笑シーンの連続の話で、清盛役の渡哲也と、途中から出てきた頼朝役の中井喜一がリアリティを支えてきた

          丹波哲郎、最後の芝居(1)

          運命のプランシングホース(7)

          ■917~20年目の栄光 じゃ、ポルシェはレースに関心がなかったのかといえば、そうではなかった。戦後、最初にルマンに出場した356がクラス制覇したのを皮切りに550、RSK、904、906、908は続々とレーシングカーをサーキットに送り込み58年にはすでに全体で400勝を挙げるまでになっており、F1世界でも62年には804/8でフランスGPで優勝している。 つまり、レースに関心がなかったのではなく、資金がなかったのだった。 得意の技術商売も当時はそれほど効果を出しておらず、

          運命のプランシングホース(7)

          運命のプランシングホース(6)

          ■王者の雌伏~前編 50年代~60年代、フェラーリの6連覇、フォードとの死闘で、これでもかと盛り上がるスポーツカーシーン、一方のプランシングホース、ポルシェは何をやっていたのか。 以下、ポルシェ略史である。  (面倒ならざくっと飛ばしてください。) 創業者フェルディナント・ポルシェは、1875年、当時のオーストリア=ハンガリー帝国に属する北ボヘミア(現在のチェコ西北部)で、ブリキ細工職人の生まれ、並外れた技術者としての才能は少年期から既に現れていたが、工業高校の夜間部卒業後

          運命のプランシングホース(6)

          清和源氏

          ※こちらの記事は下記の続きです。よろしければ先にお読みください。 実は義経=チンギス・ハーン説には続きがあって、清王朝の皇帝は源氏の子孫だというものです。 清の祖はアイシンギョロ・ヌルハチ。。これ何ですか?ってくらいへんな名前ですが、字は愛新覚羅努児哈赤、名字は【あいしんかくら】のほうが通りがいいでしょうか、ラストエンペラー溥儀の祖先。要は北方の異民族ですね。 その興りは16世紀。豊臣秀吉の朝鮮侵攻に明が気を取られていた隙に、満州一帯の女真族を統一したヌルハチ・ハーンが

          殺戮創造性

          第二次世界大戦の史観みたいなことにこれから入るのかと思いきや、なんとなくドイツの兵器はおもしろいのが多いのでそれを書きたくなりました。 やっぱり、スタンダードな武器を大量に作るアメリカに対抗するため質に走ったのか、はたまた超絶の人殺しクリエイティブ能力がゲルマン民族には備わっているのか、ドイツの武器というのはすごい、ちょっと創造性がハンパではないわけです。 私が好きなのは、移動地雷ゴリアテ。神話の巨人の名を持つ畳1枚くらいのミニ戦車で、リモコンで敵戦車の下まで動いていって

          殺戮創造性

          バズーカだけじゃなく

          バズーカ砲という兵器があり、 これは第2次世界大戦中アメリカとドイツでほぼ同時に実用化されました。特徴は普通の弾丸とちがって当たった瞬間に中から高熱ガスが飛び出し、それが相手の装甲を貫くのです。また発射時の反動がないこと(ロケットみたいなもんで)で無反動砲とも言われます。あれは後ろに立ってるとまずいんですね。炎というか爆風をもろにかぶります。 大きい破壊力だけど無反動ということで手持ちOK。小さくても戦車をやっつける歩兵用の必殺兵器となりました。 でも米独設計思想がちょっと

          バズーカだけじゃなく