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運命のプランシングホース(3)

【暴走する真面目~ポルシェ】
対してポルシェというメーカーは、ポルシェ博士が戦犯でしばらく動けなかったこともあって、慎ましいところから始まっている。
「スポーツカー本来の楽しみを既存のコンポーネンツの組み合わせで味わおう」これが、ビートルのエンジンから進化したポルシェ356。しかし、彼らの技術的アドバンテージはそんなレベルのものではなかった。まんまるカエル顔の愛らしいポルシェ911はルックもエンジンレイアウトも古典的だったが、未来を感じさせる同時代のイタリアンスーパーカーよりはるかに速かった。以降、ポルシェのロードカーはさながら技術の見本市となった。ターボ、トランスアクスル、ティプトロ、4WD、ABS、PDK、、。サーキットでは勝ちすぎていくつかの選手権を潰してしまったこともある。ゲルマンの“真面目さ”は際限を知らないのが難点だ。
そして959。前述のF40と同時期の“超スーパーカー”ながら異次元の技術を搭載していたのは記憶に新しい。

実はこれがポルシェの正体だと思うのだが、ポルシェという会社はロードカー自体の販売以外に他メーカーへの技術供与が大きな収入源をしめている。メルセデスE500やアウディRS2といった他のメーカーのクルマをポルシェが作ることもあるくらい。。
その意味でも、ポルシェ本体の車は世のスポーツカーたちのよきお手本であり続けなければならない。
そのプライドがそうさせるのか?とめどもない技術的野心と挑戦の果てにスポーツカーのカタチが変わってきてないか?スポーツとは何か?誰でもスポーツしていいのか?儲かればいいのか?ポルシェという会社は暴走している雰囲気もあるから心配だが、それでも7速MTなどという変態マシンを観ると少し安心する。

ポルシェ911ターボS きっとほとんどのカタログスペックが上のクルマより実際は速いという特徴を持つ。そのあたりは昔から変わらずのポルシェの凄味

PS:技術オタク「ポルシェ」を語る上で、空冷ボクサーエンジンとそれをリアマウントするレイアウトは重要で、その出発点があるからこそ、多くの技術を使わざるを得なかったともいえます。後述ご期待で。(続く)


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