適切なタイミングで出会うオーリー練習の楽しさ

オーリーはしばしばストリートスケートボードにおいて最初にして最大の壁だと言われる。私のイメージではゆるいプッシュ、チクタクの次にはショービットなどと同時進行でオーリー練習が始まる気がする。

それは早過ぎるというか、オーリーの前にもっとたくさんの「適切な難易度で楽しい」と感じる通過点があると私は思う。そしてその通過点を通ってきた方がオーリーの進み具合が格段に早くなり、途中で進歩がなくて楽しくないという負のループを避けれる気がする。

実際、私は今オーリー練習をしているが、世間で言われる程の絶望的な難しさは感じず、練習量に比例して進歩している感覚がある。楽しい笑。以下に私がどんなスケートライフや練習を経てオーリー練習に至ったか書いていく。

私のスケボーライフはペニーの22インチから始まった。元々パンクロックが好きでそのカルチャーの延長からスケボーには興味を持っていたが、怪我の心配からなかなか踏み出せずにいた。

しかしある時、ムラサキスポーツかどこかでスターウォーズコラボのペニーを見つけて一目惚れしてしまった。それからは自分なりに調べて、ストリート用とクルーザーは用途が全く異なることや、サイズは小さい方が難しいことなど学んだ。

そして、まずはトリックはできなくてもいいし海辺を気持ち良く走れたらなーというのと、色んな所に持ち運びたいという思いから、ペニーの22インチを購入した。スターウォーズのR2D2のグラフィックが描かれたものである。

お気に入りを持つことは練習と同じくらい大切だと個人的には思う。

最初はデッキの上に乗ることさえ困難だった。こんなにもウィールがスムーズなのかと技術の高さに感心した。

そこからは一般的な練習として、プッシュや思う方向へのターン、チクタク、そして特にフットブレーキはしっかり練習した。このブレーキの練習で軸足の重心バランス強化ができ、プッシュの安定にも繋がった。

そうしてクルージングを楽しんだ。風を切りスイスイ進むのは爽快である。スケボーをやって良かったと何度思ったことか笑。

次に私はボンレスを練習した。道中の段差を越えるオーリー以外の選択肢を探した結果、ペニーでもできそうだったからである。

ボンレス練習で学んだのは、空中でしっかりビスの上に足を置きにいく意識や、ストリートデッキで作られたハウツーはペニー用に再解釈しないといけないことなどである。

次はノーコンプライに挑戦した。足で回すのか、足首なのかと自分のやり方を分析して試行錯誤する考え方を身に付けた(ボンレスは割と乗りにいく勇気だったので)。

そしてこの時期からスポットで人と一緒に練習する楽しさを覚えた。ストリートデッキの人からしたらペニーはおもちゃみたいな物だと思っている人もいるかもしれないが、そのスポットではみんなが私を受け入れてくれて、むしろペニーでトリックに挑む姿勢を褒めてくれた。

次に本格的にポンピングを練習した。ただクネクネするだけじゃなく推進力を生み出す乗り方である。これに伴いはじめてキングピンの締め具合調整をした。安定を少し失う代わりに曲がりやすくなり、調整の楽しさも知った。

次に私はサーフスケートに手を出した。たまたま友人が持っていて、試させてもらった時にとても楽しかった。ポンピングは独特の感触で普段使わない腰を効果的につかっている気がしたし、永遠にこぐことができた。旋回半径も小さく好きな動きができる。

サーフスケートで鍛えられたのは、さらに高い次元での丁寧な重心バランスである。前輪がグニャグニャなので少しの荷重移動で大きく動く。特にプッシュは身体の軸を保って丁寧にしないとすぐにバランスを崩してしまう。

そしてようやく私はストリートデッキに手を出した。クルージングもしたいのでペニーの32インチを購入した。

長くなってしまったがこの状態で挑むオーリー練習はとても楽しい。進歩を実感できるスピードで成長できるからだ。もしこのようにステップを踏んでいなかったとすると、オーリー練習が板が浮くとかの次元の話ではなく、まずもっとスケボーに慣れるという練習からになってしまう。

練習することで確実にスケボーに慣れていってはいるが(進歩しているが)、自分としてはオーリーの練習なので少しでも後輪が浮かないと全く進歩していないように感じる(本当は進歩しているのに)

この進歩を実感できない時間が長くなることで、練習してもできない、楽しくない、といってスケボーから遠ざかってしまうのではないかと私は思う。

このような段階を踏む認識が広がって、1人でも多くの人が長くスケボーを楽しめるようになればと私は思う。



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