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やはりユーザーが熱狂するものは作れていなかったようだ

少し前に以下のnoteを書きました。あるMVPで1人のユーザーさんが感動してくれて「ようやく人が欲しがるものを作れた」と興奮していました。

改めてマネタイズやスケールの壁にぶち当たる中で正直にユーザーさんに連絡したところ、どうやら間違っていたようでして、その詳細をnoteに残します。

感動はしてくれても熱狂はしていない

「感動」「感激」という言葉を使ってくれはしたのですが、改めて今の事業課題についても明かしたうえで、次の質問をユーザーさんにDMしてみました。

①先週の利用頻度はどのくらいでしたでしょうか?

②もし月額で払うとしたらいくらくらいでしょう?

③もし明日から使えなくなったとしたら、どう感じますでしょうか?

現時点のプロダクトと、想定する完成形の2パターンでそれぞれ答えてくれたのですが、まず①は「現時点では試作段階のため試用として2,3回」とのことでした。Google Analytics をみても(一人を特定して分析はできないですが)なんか継続率はよくなさそうだなぁと感じていましたので、その悪い予感は当たっていたことになります。

②については、2パターンのいずれも0円との回答でした(500円という回答が来ても鵜呑みにしてはいけないですが金額をオープンクエッションで聞くことでニーズ感は探れると考えています)。

完成形では①は100回以上になるとのことでした(既にグーグルで週に100以上のレビューを調べているそうです)が、ノイズを完全に除いてしまうことによる新たな出会いの喪失が起こるのは残念に思うとも仰っていました。

③については本格運用が開始して1年経てばなくては困ると思うとのことでした(ちなみにこの質問は有名なPMFの図り方の質問で、本来は直接聞くのではなくマス的にアンケートとして4択で聞くのが一般的です)。

いわゆるエヴァンジェリストカスタマーとは、MVPで不満がある段階でもお金を払って使ってくれるユーザーさんです。チープな機能とデザインの製品でも、既存の代替手段より優れているのでMVPを不満を言いながらも使ってくれるそうです。

そういう意味では、実用最小限の価値を提供できていなかったのかもしれません。

月額でお金を払うほどではない

またそもそもニーズを満たす製品ができたとしても、本来時間をかけて調べれば辿り着く場所にお金を払ってまで案内してもらおうとは思わないとも仰っていました。

> 情報に対し、道案内の精度をあげてるので本人がその条件で絞り込む手間を払えば、同様の情報にアクセスが可能です

チャットでのヒアリングはやはり避けたい

また前回のnoteでは「お互いにITリテラシーが高く、リアルタイムでのインタラクティブなチャットならインタビューは可能」という判断をしていましたが、やっぱり何だかんだ顔や身振り手振りが見えないと見落とすインサイトが多かったり、今回のようにニーズを見誤ったりするなと思いました。

少し余談ですが、Zoomで初対面だった人に実際に会うと、どこか印象が違うように思えたことはないでしょうか?見た目がウェブカメラと肉眼では違って見えることもありますが、Zoomでさえこれが起こるので、いわんやチャットをや、といったところです。

ユーザーさんとテックやSFのチャットするのは楽しい

これは事業とは直接関係ありませんが、相談の延長でそのままユーザーさん(正確には将来のユーザー候補さん)と1時間くらいチャットで話していました。

今回はユーザーインタビューというつもりはなかったので、現状を正直に話したり、聞くに徹するよりも、やや好きなタイミングで自分が言いたいことを言っていました。

互いにガジェットやSFなどが好きなだけ合って、気づいたら僕も「同感ですw」とかフランクに話してしまっていまして、なんか中学生のころに友達とチャット(PCチャットをやっているのがクラスで僕らくらいだった)してたときの感じや、オンラインゲームにハマっていた時にギルドメンバーとチャットで話していたことを思い出しました。

性格的なものですが、ビデオで面と向かって話したり、ボイチャするのはやはり結構ストレスがかかるのですが、お互いがタイピングになれていると、リアルタイムのチャットというのは多少のすれ違いはあれ楽しいものです。

まわりのC向け起業家もユーザーさんとご飯いくほどの距離感で接しているとのことでしたし、Y Combinator の翻訳記事にも「おすすめはユーザーさんと飲みに行くことだ」と書いていました。それほど、尋問や取り調べの雰囲気ではなくフランクな雰囲気を作れということです。

今回の方が弊社の将来的なファーストユーザーさんになってくれるかは分からなくなったのですが、事業や製品を通してこういったユーザーさんとの楽しい時間を持てたのはとてもうれしく思いました。

これから

また振り出しに戻った感じではありますが、stand.fmでも話しているように「検索エンジンの次」「5年後の未来に欠けているもの」「今のZ世代が購買力を持った時に受けるもの」を考えています。まぁ七転び八起きです。

小暮さんMTG1110

小暮さんMTG1110 (1)

おわりに

この記事はリリースしたサービス名で検索したときに上位にでてきてしまったり恥ずかしさもあり一度非公開にしていたのですが、やっぱり失敗した過程も少しは公開していいかなと思い再公開しました。

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