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星団ってなに?

 今回は2つの星団について紹介していきます。前回は星雲について紹介しました。では、星雲と星団は何が違うのでしょうか。星雲が塵やガスが集まって出来ているものに対し、星団とは恒星が互いの重力により集まっている星の集団のことです。それでは、星の集団である星団の2つ、散開星団と球状星団の2つについて紹介していきたいと思います。
 
 はじめに、散開星団について紹介していきたいと思います。散開星団とは、数十から数百程度の星が、50光年程度の領域に比較的緩やかに集合している星団のことです。散開星団の星は、次に紹介する球状星団と違い、高温の主系列星が含まれていることが多いです。これらの高温の主系列星は低温の主系列星などに比べると寿命が短くなっています。そのため、高温の星が最後を迎えるほどの時間がたっていないことが分かります。このことから、散開星団はできてからそれほど時間がたっていない、比較的若い天体であることが分かります。また、星団に含まれている星々は、1つの星間雲からほぼ同時に生まれたと考えられています。散開星団が若い天体であることは、星団の星々の重元素量からも分かります。なぜなら、宇宙が出来た頃は、水素やヘリウムのみでしたが、それよりも重い元素が含まれているからです。
 散開星団は天の川銀河の円盤と呼ばれる部分に存在しています。円盤部分には塵が存在しており、光を遮ってしまうため天の川銀河にある散開星団の数は正確には分かっていません。

 次に球状星団について紹介していきたいと思います。球状星団とは、数万から数十万程度の星が、名前の通り丸く集合している星団のことです。球状星団は先ほど紹介した散開星団と違い、通常は高温の主系列星が含まれていることはありません。主に球状星団は、寿命が長く質量が比較的小さい星によって構成されています。このことから、球状星団は古くからある天体であることが分かります。また、散開星団と同様に球状星団が古くからある天体であることは、星団の星々の重元素量からも分かります。なぜなら、重い元素は太陽と比べて100分の1から1000分の1程度しか含まれていないからです。
 球状星団は天の川銀河のハローと呼ばれる部分に存在しています。ハロー部分には塵はほとんど存在しておらず、光散開星団よりも観測しやすくなっています。そのため、球状星団の大部分が観測されていると考えられており、その数は約150であると言われています。

 今回は星団について紹介していきました。天の川銀河付近にはたくさんの星があることが分かったかと思います。星の若さによって星団が変わるのはとても興味深いですね。この記事を読んで天の川銀河に少しでも興味を持ってくれると嬉しいです。