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日本の伝統とゼブラが日本を変える?!

先日、日本政府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2023(通称「骨太の方針」)」および「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」で、ゼブラ企業の推進の方針が明らかになりました。

その影響もあってか、最近またゼブラ企業という言葉をちらほらと聞くようになってきました。今日はそのゼブラ企業について私の見解を書いてみようと思います。

第二次世界大戦以降、日本は大きな経済成長を遂げて経済規模が拡大し、様々なものやサービスで満たされている社会になりました。経済発展とともに世の中が進む一方で、日本のような先進国では格差や貧困の拡大(中間層の衰退)、都市と地方の格差、気候変動問題など、これまでと違った課題が注目されるようになり、資本主義が新しいフェーズに突入すべきなのではないかと世論も変わりつつあります。

そのような中で、現在の岸田政権が、経済政策のコンセプトとして「新しい資本主義」を掲げ、成長と分配の好循環を実現していくと宣言しましたが、これは、世界で起きている上記のような課題の解決のため、いよいよ国家としても新しい創出の取り組みにチャレンジし始めたのだと感じています。

21世紀に入って、製造業から情報産業へのシフトとともに、ファイナンスはとても進化を遂げました。これまでよりも大規模での資金調達ができるようになったことで、すごいスピードで成長して短期間で社会インフラを変えてしまうようなスタートアップ企業を生み出す仕組みができてきたことは、資本主義のアップデートです。
これらの企業はユニコーンと呼ばれ、たくさんのユニコーンが世界中に増えてきました。

大きな企業が周辺市場も含めて長らく市場を占拠して停滞が起こっている状況だと、ユニコーン的な企業はイノベーティブな新しい価値を生み出し、また世の中に揺らぎを生み出すことが可能で、とても素晴らしいですよね。

短期成長で市場を独占し、大きく株主還元できるというコンセプトで大きな調達を実現可能としたこのユニコーン創出の仕組みに対して、時間軸を長く捉え、現在の市場を大きく破壊するのではなく共生の仕組みで社会変えていくという仕組みがゼブラ企業の特徴と言えます。株主に資本を還元する形だけでない仕組みのため、わかりにくい感じはありますね。

市場が大きくないと、資金が集められず課題を解決できないままになってしまうということがあります。市場は小さいかもしれないけど、社会の課題になってることを、企業が協力的に、かつ漸進的に解決していけるのがゼブラ企業で、地域ごとに存在している違った課題を解決するのにも素晴らしい形だと思っています。

日本には、三方よしや公益資本主義という考え方があります。
そして、そのような考え方のもとで、地元に根付いて社会と長期間にわたって調和して100年以上継続している企業が多いのがこの日本です。だからこそ、このゼブラ企業の思想は日本で馴染みのある考え方だと思いますし、すでにゼブラ企業の思想を実践している企業は、知られてないだけで、多数存在しているのではないでしょうか。
日本が伝統的に大切にしてきた経営思想をベースとして、変化する時代に応じて新しいものやサービスを創出し続け、トランスフォーメーションしていけば、自然とこのゼブラ型の企業が日本に増え、また世界中にも広がるきっかけになるのではと考えています。

弊社もそのうちの1社として、大小様々な社会課題を解決するサービスをたくさん生み出し続ける企業として進んでいきたいと思ってますし、またASEANでの事業の展開も進めていってますので、ゼブラ企業が増えるのに貢献していきたいと思ってます。

↑先日に書かせて頂いた私たちの目指すモデルのあり方として、シンプルに市場を独占する1つのサービスで規模拡大するだけでなく、様々なモデルを生み出していきたいと考える私たちの考え方

ゼブラ創出に寄与するファイナンスが新しく整っていけば、社会においてゼブラ型企業が増えていくのにプラスになるので、これからのファイナンスの進化に期待しています。

最近では、ゼブラ企業を社会実装すべく取り組みしているゼブラ アンド カンパニー(https://www.zebrasand.co.jp/)という会社が立ち上がったようですね。
資本市場の仕組みを活用しつつも、市場独占して規模拡大するだけでない新しい社会課題の解決のあり方が日本に広がっていくのをとても楽しみにしてます。


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