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新・天下の芸どころ・名古屋論

「尾張名古屋は芸どころ」と言われます。
この芸どころ・名古屋の発端となったのは、徳川宗春の治世が関係するとされます。

今回は、芸どころ・名古屋をデータで確認することと、私なりの尾張名古屋芸能論を書こうと思います。


習い事の事業所が最も多い県



まず、尾張名古屋が技芸に関係するところは、習い事の多さです。
この習い事の事業所の数は、人口10万人あたり16都道府県で、名古屋は最も多いと言うデータが出ています。

出典:NAGOYAライフ(データで見る名古屋のくらし)

習い事のカテゴリー別に見ると、特に関係するのは、「教養・技能」「そろばん」「書道」「外国語」「スポーツ・健康」になります。

出典:NAGOYAライフ(データで見る名古屋のくらし)

それに比べて「音楽」「生花・茶道」は少ないため、名古屋人は文化的なものよりも実質的なものに関して関心を示すのかもしれません。

この時点で、やや芸どころ論が怪しくなってきましたがw

しかし、名古屋人の習い事気質はあると言えるかもしれません。これを確定させるには、次の経済的豊かさとの関係を見なければいけません。

経済的豊かさは関係があるのか?



習い事をするためには、当然ながらお金が必要です。
ですから経済的豊かさが重要になります。
経済的に豊かだから、習い事をさせる、だから習い事の事業所も多い、と言うことだったら、「習い事が気質と関係している」と言うよりも「経済的豊かさが関係している」となります。

それでは、それでは見ていきましょう。

出典:国土交通省
都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)

これは可処分所得から支出を差し引いて残った金額なのですが、この数値が大きければ、習い事にお金を使えることとなります。

ここでは県別なので、名古屋ではなく愛知県としてみますが、愛知県は14位です。なかなか微妙な順位ですが、習い事の事業所は数は上位だが、経済的豊かさは中の上くらいとなります。ここから見ると、経済的豊かさも関係しているかもしれませんが、やはり気質が関係しているように見えます。

ですから、名古屋人には習い事気質があるのではないか、と言えるように思われます。

有名人を見ると、浅田真央やイチローですが、コツコツ練習するようなイメージです(イチローは名古屋と言うか豊山町ですが)。

大学進学率はどうか?

習い事気質がありそうな名古屋人。
それなら、大学進学率も高いのでは?と思うかもしれませんが、そんなこともありません。

出典:文部科学省(データ),名古屋市HP(グラフ)

進学率は高くもなく、低くもなく、くらいでしょうか。
実質的なところにお金を使う、という意味では、名古屋人にとっては大学進学は実質的ではないので、このような数値となっている、とも解釈できるかもしれません。

尾張名古屋の技芸イノベーション


浅田真央やイチローなど、名古屋人・愛知県人はコツコツと技能を積み上げるイメージもあります。この技能を積み上げイノベーションを起こす気質は、江戸初期の剣術家・柳生如雲斎にみられると思います。

柳生如雲斎は、尾張柳生新陰流の祖であり、彼が「介者剣法」から「素肌剣術」への転換を行いました。昔は鎧をつけており、そうすると身を低く構えますが、それを突っ立った自然体の剣法に変えたのが如雲斎の功績です。
これは技能のイノベーションと言えます。

中でも重心を低く構える「沈なる身」を否定し、重心を高く自然体に構える「直立の身」を推奨したことは、甲冑を着けて斬りあう「介者剣術」から普段着で使う「素肌剣術」への転換として評価されている。

出典:Wikipedia

また、この柳生流は尾張藩主も道統を継承しています。つまり、尾張のお殿様も剣豪だったのです。今で言うと、愛知県知事や名古屋市長もスポーツやトレーニングに熱心で、知事・市長がトップアスリートだった、という感じでしょうか笑

そして、ここから「尾張麒麟児」と言われる柳生連也も輩出されます。
七代・徳川宗春以前から、既に尾張の殿様は技芸に熱心で、藩をあげて「芸どころ」の基礎はできていたのではないかと思われます。

「モノづくり」と「芸どころ」の交差点


古くから繊維、陶磁器、自動車、工作機械など「ものづくり産業」が盛んな名古屋圏ですが、「ロボット製造業の愛知県の事業所数は全国1位の59事
業所(対全国比14.7%)、製造品出荷額等は全国2位の約1190億円(対全国比14.0%)」となっています(名古屋市市民経済局)。

名古屋市市民経済局

この「モノづくり」は「芸どころ」と関係しているかもしれません(してないかもしれませんw)。

名古屋人の職人気質



名古屋はロボット産業が盛んであることを前述しましたが、これを「芸どころ」に求めるとするならば、「からくり人形」になるかもしれません。

「43年連続、日本一のものづくり県の原点」に徳川宗春を発端とする尾張名古屋・芸どころ論が関係する、という説です。

宗春が残したものは尾張に根づいたさまざまな芸人や職人、そして芸事で、途切れることがなく現在まで伝えられています。上方から尾張にやってきた「初代玉屋庄兵衛」のからくり人形の匠の技も九代にわたって継承されています。

マシニスト出版株式会社
http://www.machinist.co.jp/2022/08/17018/

宗春の時代に赤字が増えたそうですが、芸能を奨励することで、そうした技芸が根付くのであれば、よい意味で投資だったと見てもいいのかもしれません。

航空宇宙産業「宇宙の尾張名古屋・尾張愛知」



愛知県は「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」に指定されています。名古屋を中心に、この尾張地区では航空宇宙産業の一大生産拠点となっています。

ちなみに、国産初の飛行機製造は名古屋です。航空宇宙産業が日本でトップなのも頷けます。

名古屋市経済局イノベーション推進部『ひらけNagoyaポテンシャル』
https://nagoya-potential.jp/privacy/

宇宙では過酷な環境となるので、ロボット技術は必須です。そうしたことから、前述したロボット産業と航空宇宙産業の創発が名古屋は可能ではないかと思われます。

尾張名古屋・尾張愛知は「天下の芸どころ」から「宇宙の尾張名古屋・愛知」へと羽ばたいてもらいたいです。

私は、その中で「潜在運動系」と言う独自の身体技法をコツコツとこの名古屋地区でお伝えしていこうと思います!

この潜在運動系の身体の使い方は効率がよいので、ロボット技術に応用できませんかね笑

それでは、また。





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