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OMORIというゲーム

最近クリアしたゲームについて。鬼のように号泣したのと色んな思いがおさまらないのでここに吐き出します。神ゲーだった。

まずOMORIというのはアメリカのインディーズゲームだそうで、日本ではPCとSwitchとで遊べます。私はSwitch版でプレイしました。

ドット絵のRPGで、主人公オモリがなぜか消えてしまった“バジル”という友達を探すために個性的な友達と一緒に不思議な世界を冒険するというゲームです。この世界がめちゃくちゃ可愛くてキャラクターたちも敵も可愛いんです。


なんでこのゲームをしようと思ったのか。好きなゲーム実況者さんが数年前にこのゲームをしているのを知り、どんなゲームなのかなって調べてみたところ実況で見るよりも自分でプレイした方がいいゲームという意見が多かったのでSwitchで販売するまで待ってたんです。
んで、買ったはいいけど手をつけずに放置していたところ他の実況者さんもプレイし始めたのでこりゃそろそろやるか、と腰を上げたのが最近だったという…。OMORIの存在を知ってから2年は経ってました。

一見ほのぼのそうに見えるけどゲーム開始前に「うつ病・不安神経症・自殺の描写、及び映像が激しく点滅する演出が含まれます」という注意喚起が出てくるのでこれはただの可愛いゲームではないとは分かってはいたけども結構ショッキングな展開が待ち構えています。

ここからはネタバレも含む感想になるから今後やりたい!とか未プレイな方は見ないでくれー!
死の描写とかホラー表現がものすごく苦手な方以外でRPGのストーリーとかを楽しみたいタイプの人にはぜひプレイしてもらいたい。これは自分でやらないとダメなゲームです。ちなみに私はホラーとは知らずに夜中にビビりながらプレイしましたがめぶきレベルでもプレイ可能な位のホラー要素です(ホラー超苦手、映画もお化け屋敷も無理)








まず自分でやるべきだっていう意味が本当によく分かった。プレイしていくうちに主人公サニーの傍にずっと一緒にいた気持ちになります。きっとサニーも夢の中のオモリも子供だったからかな、他の子達に対しても同じ気持ちであの子達を見守っているって気持ちが強かったです。その中でちょっとサニーとは距離が近いかな、って感じ。

まず「うつ病、死、自殺」という注意書きからとオトナリルームにあった誰かの遺影のようなものを見てきっと誰かが亡くなっている、オモリはそれを抱えている、というのをなんとなく察してゲームを進めていきました。
そしてバジルの失踪、オモリが苦手な高いところ、水。バジルが高いところから川や海に落ちたのかと最初は思ってた、けど目が覚めたサニーの家に訪ねてきたマリ、その恐ろしい姿。何がなんなんだ?と混乱しながらその不穏な空気に耐えきれずにヘッドスペースの可愛らしい世界に逃げて冒険を楽しんでた、それがもう既にサニーと同じ心境だったんですよね。

ストーリーを進めていくと徐々にマリがいないことに気がつく、もしやと思った頃、マリの死を現実のオーブリーから聞かされる。
そうなってくると気になるのはマリの死因、絶対水死だと思ってたんです私。だからヘッドスペースからみんなの姿が消えたときに真っ先にあの砂浜にいきました、やっぱりそこにマリがいた。泳ぐのを克服して…、ああサニーが溺れてしまってマリが助けてくれたのかな、って。その先入観があとの考察を邪魔してしまったんですね。じゃあバジルは何を抱えてるの?サニーが溺れてしまった原因なのかな?って。
ブラックキーのあのハングマンの絵も、きっとサニーが自殺を選ぼうとしているんだとそう思ってた。だから現実でマリが自殺をしたとみんなに言われた時、あの木で首を吊っていたと分かった時に本当にショックだった。あのマリがなんで?自分の命を断つほどに何を抱えていたの?って。

けど待っていたのはもっと残酷な真実で。バジルのアルバムの写真を集めていく時、本当に手が震えてた。ホラー演出も怖かったけど信じたくないって気持ちが強かった。知りたくなくて心が折れてもうゲーム止めようかと思ったけど進めたのはサニーとバジルをこのままにしていちゃいけない、って思ってしまったから。ゲームごときにって思うかもしれないけど、架空の存在だし他の人もプレイしてるのに。私の手に渡ってきたソフトの中で生きてるのはこの目の前のこの子達だけだし、私が手を止めたらサニーもバジルもみんなもずっと苦しいまんまあの世界に閉じ込められちゃうって思ったので。長い間放置した人間が言うなよって感じだけど、思い入れのあるゲームに関してはこんな風に感じちゃうんです。

泣きながら写真を集めて真実を知って、ブラックスペースで苦しんでるバジルを見てたし、それを作り出してるサニーを知ってたから涙が止まらなくて。なんてものを抱えてたんだって。
バジルの家で目が覚めて、ケル、オーブリー、ヒロに「会えなくなるのは寂しくなる」っていうサニーを見て私は自首するから、だから会えなくなると思ったんです最初。けどそのあとバジルに会いにいって、生きていることに安心した後に二人を見てこの二人は全部終わらせるつもりなのかなって。バジルを攻撃するしかなくなった時にサニーどうして、って思ったけどすることでバジルも救われると思ったんだね。これに関しては後で書く別ルート見たからなんだけど。

過去の思い出をちゃんと見て、そして先に進んでくサニー。その中でオモリを倒す、決別する。そこで何をするのか決められたんだねって。マリちゃんじゃないけど本当にここまで頑張ったねって涙止まらなかった。
特別エンディングもたまたま見れたので本当に最後まで見れてよかった。やってしまったことは消えないから、ずっと二人とみんなの中にあったしこりがこれで少しでも小さくなるんじゃないかなって。苦しいのは変わらないけれど、本当に前に進むことができるようになったんだなって、終わった後にしばらく動けなかった。
きっとあの後みんなが許すか許さないかって話になってくると思うけど、きっと許してくれるんじゃないかな。しっかり怒って、それでも時間がかかってもずっと友達でいてくれると思う。二人が長い間どんなに苦しんでたか知ってるからずっとあの先も友達なんじゃないかなって思ってます。


そこから数日おいて別エンディングも見たいな、と思っていわゆるひきこもりルートを見て酷く後悔した。
真実を知った後、バジルの部屋に行かずに自分の家で寝ました。聞こえてくるサイレンの音に何が起きたか悟って本当に本当に後悔してしまった。他のルートをやる気が無くなって、他はネタバレを見ました。

ここからは私の考察。
バジルから逃げる=バジルを助けない。だから自分も死ぬ気はないんだろうなって思う。みんなに会えなくなるのは寂しいっていうのはあの町に二度と行かずにみんなとも縁を切るってこと、全部から逃げるんだと思った。自殺ルートもあったけど全部逃げるため。
けどバジルを助けるためにも心中を考えてた、逃げるか死ぬかしかサニーの中には選択肢はなかったんだと私は思ったから。どっちにせよ気を失った後に会ったマリちゃんのおかげで前に進めたんだと思う。

ピクニックの外で会ったマリちゃんは私は全部本物のマリちゃんが魂になってサニーに会いにきたんだと思ってる。夢の中だからサニーの頭の中のマリちゃんかもしれないけど、あんなに自分を責めてずっと自分の世界から出てこなかったサニーだからきっと外から来たマリちゃんだと思いたい。あの言葉たちも全部全部マリちゃん本人の言葉だと思っていたい私のエゴかもしれない。
あのおもちゃ箱の鍵も、マリちゃんがずっと現実を見れない苦しみ続けるサニーを見て用意してくれたのかなって、ゲームの世界なんだから少し非現実的でも希望を見たいなって思ったんです。


マリちゃんだけじゃなくて久々に会った現実の友達がサニーを連れ戻してくれた。全員辛かったのにみんなみんな他の人の辛さも蔑ろにしないでいてくれて、自分が一番辛いと思ってる人はいない。もっとみんな幸せになってくれって思ったし抱きしめたかった。

この写真ほんと泣いた。ここにバジルもいて欲しい、というかこの時みたいにあの後みんなでグループハグしてて欲しいな。

本当にすごいゲームだった。
衝撃的な展開もそうだけど、何より全員と一緒にいれた三日間がまるでずっと傍で見守っていたかのように感情移入できて、みんなに命を感じることができた。本当に素敵なゲーム、出会えてよかった。

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