自治体がAmazon Web Services（AWS）と包括的な連携協定を結ぶ際には、以下のような問題点が指摘される可能性があります。

依存度とベンダーロックインのリスク: AWSとの包括的な連携協定を結ぶことで、自治体はAWSの提供するクラウドサービスに依存することになります。この依存度が高まると、将来的に他の選択肢に切り替えることが難しくなる「ベンダーロックイン」のリスクが発生します。価格の変動やサービスの変更に対して柔軟に対応することが難しくなる可能性があります。
データセキュリティとプライバシーの懸念: AWSを含むクラウドプロバイダーは、利用者のデータを管理・保管する役割を果たすため、データセキュリティとプライバシーの保護が非常に重要です。しかし、クラウド上でのデータ漏洩や不正アクセスのリスクがあるため、自治体はデータの適切な保護措置を講じる必要があります。特に、行政サービスにおける個人情報の管理には特に注意が必要です。
地域経済への影響: AWSとの連携協定により、その地域内での技術・サービス提供者の発展機会が制限される可能性があります。これにより、地域の経済活性化や雇用機会の創出に対する影響が懸念されます。
運用コストと予算の制約: AWSなどのクラウドサービスを利用する際には、初期費用やランニングコストがかかることがあります。自治体の予算や運用コストに対する影響を考慮しないまま契約すると、予算の制約や運用の難しさが生じる可能性があります。
公共サービスの継続性と可用性: クラウドサービスの障害や停止が発生した場合、自治体が提供する公共サービスに影響を及ぼす可能性があります。このため、適切な冗長性やバックアップ戦略が求められます。

これらの問題点を考慮し、AWSとの包括的な連携協定を検討する際には、利点とリスクをバランスさせた上で、適切な戦略を策定することが重要です。