堤防で-1

簡単なようで、つい複雑なものにしている「望み」について

「吉川さんは、どうする予定にしてるの?」
「ぜひとも一緒に、と思ってるけれど、どう?」

先日、こんなお声かけをいただきました。その瞬間、自分の中でいろいろ感情が渦巻き、そしてスーッと引いていきました。

様々なものが引いていった後に残った気持ちは、シンプルに「私も、ぜひ、ご一緒したいです」でした。

そうして気が付いたら、長い間宙ぶらりんにして判断を先送っていた件について、「行く!やる!」の自分で諸所の行動をスタートできたのでした。

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皆さんは、手にしたいものは何?と聴かれて、すっと自分の自分の言葉が出てくるでしょうか?

欲しいものなんて・手にしたいものなんて、山ほどあるよ!という方もおられるかもしれません。それは、素敵なことだと思います!!そして、時に、人って、『自分はこれを望んでいるんだ』と口にすることが、難しいこともあるのではないかなと思うのです。

冒頭の話なのですが、これは先日の私の体験です。ある場への参加について、ずっとふわっとさせたままでいた、という話です。

・「行く!」と定めて、諸所の行動をスタートさせる、でもない
・「今回は見合わせる」と定め、その前提で組み立てる、でもない

宙ぶらりんにさせている自分を感じながらも、漠然と
「子どもたちいるし、難しいよなあ・・・」
「距離を考えると、遠いしなあ・・・」

でも、子どもを言い訳にしたくないので、「無理だ」と言いたくない。とはいえ、時間のことや預け先など、調整が必要になることも事実で、そうなると・・・と、このあたりで思考がSTOP。これを繰り返していました。

・「行きたい」と言ってしまっていいのか?
・自分に「やりたい」を宣言させてしまったら、何が起こるのか?
・それを自分は引き受けられるのだろうか???

こうした、『やってみなければ、答えは永遠に出ない問い』が頭を占めて、自分の動きを鈍らせていることも自覚がありました。

「吉川さんは、どうする予定にしてるの?」
「ぜひとも一緒に、と思ってるけれど、どう?」

こんなお言葉を掛けていただいたことをきっかけに、「私は、何がしたいの?どうしたい?」をシンプルに尋ねてあげることができ「やりたい、行きたい」が、やっと言葉になりました。ただ、この言葉を自分に言わせる段階においても、「いいのかな?」という思いや、「今更かな?」という思いが湧いて、口にするのにためらいがあったことも事実です。

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やりたいなら言えばいいのに!
欲しいなら、欲しいって言えばいいじゃない!

と、自分でも思う時があります。自分に対しても、誰かに対しても。

そして、

「その”やりたい”が、なかなか出てこなくて」という体験、私には多くあります。もしかしたら、気持ちが強いほど、願いが切実なほど、自分に言わせてあげられない場合も多いのかな、と思うくらいです。

「自分に何かを望ませる」ことが 「今に不満を持っている」ということとつながってしまうことも、私はよくあります。足るを知るのも大事だよね、今に満足していないわけじゃないから、このままでいいのでは?みたいなことです。

「望んだからには/それを口にしたからには、実現しないと」とプレッシャーに転換されがち、という方もおられるかもしれません。その先にあるものを敢えて考えさせないことで、ここちよい現状(本当に精査すれば、それは決して心地よいものではないのだけれど)に身を留まらせていることにも、身の覚えの多い自分です。

「自分の望み」は、表に出てくるきっかけを待っているだけなのかもしれません。

~あなたの望みはなんですか?~

一つでも多く自分の声を聴いていただき、一つでも多くの実りを手にしていただけたらとの思いを添えて、今日は「望み」についての話を綴らせていただきました(*^_^*)

お読みいただきありがとうございました。

松本コミュニケーション研究所は、人との対話を通じて自分の言葉を聴き、自分への理解を深めることで、目をつむりがちな日常にひそむリスクにいち早く気がつき、ひとつでも多くのリスクを回避いただけることを目的に活動をしています。いただいたサポートは、目いっぱい大事に活かします!