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メッセージ要約 2024.2.11「神と共に歩んだノア」

○創世記6章9節~22節「神と共に歩んだノア」(安食弘幸牧師)

 数年前、マイクロソフトが人工知能をインターネットにつないで自分で学習させるという実験を行った。その結果は、恐るべきものだった。何と「ユダヤ人のホロコーストは無かった…」「ヒトラーは実は素晴らしい人だった…」など、そんなことを言い始めたそうです。ネット上の情報からそういう結論をこの人口知能は得たわけです。つまり、私たちもネットの情報に触れ続けていると、同様に極端な人種差別主義者、反ユダヤ主義者になったり、過激的な思想「独裁者が、この世界を治めるべきだ。」という反キリストが登場してくる下地を受け入れる、そういう思索になってしまう。それは、聖書の教えからかけ離れた思索である。ですから、私たちは、世の中を流れる情報だけでなく、聖書の情報から離れないようにしなければならない。

1.洪水前の状況

 前回、ノアの洪水前の時代のことを学びました。人類がどんどん増えていき、それと共に悪が蔓延していた。ネフィリムという独裁型リーダーが武力で人々を制圧し、逆らう者は殺される。創造主なる神を忘れ、人間中心の世界がそこにあったのです。今日の箇所には、さらにその時代のことが詳しく書かれています。「神は地の前に堕落し、地は暴虐で満ちていた。(11節)」「地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちている。(13節)」

そもそも、神様が洪水によって、人類を滅ぼそうとされたきっかけは何かと言うと「主は、地上に人の悪が増大し、その心に図ることがみな、いつも悪に傾くのをご覧になった。(5節)」からです。しかし、暴虐に満ちた世界で、神様はノアに一筋の光を見出されました。「ノアは正しい人で、彼の世代の中にあって全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。(9節)」からです。また「しかし、ノアは主の心にかなっていた。(8節)とあります。口語訳では、「しかしノアは主の前に恵みを得た(8節)」と訳されており、神様ご自身が身を乗り出して、ノアに恵みを差し出して下さり、その伸ばされた恵みの御手をノアは獲得し、その結果ノアは、正しい人「彼の世代の中にあって全き人(9節)」と認められたのです。これは、私たちと神様の関係と同じです。初めに神様が私たちに恵みの手を伸ばしてくださり、皆さんは、その恵みを獲得したのです。信仰によって受け取ったのです。その結果、私たちは、神の前に正しい者、義とされたからです。

2.ノアに対する神の命令

 14節からは、神がノアに命じた命令が具体的に書かれています。まず「あなたは自分のために、ゴフェルの木で箱舟を造りなさい。(14節)」そして、箱舟を作る理由として、「わたしは、今、いのちの息のあるすべての肉なるものを天の下から滅ぼし去るために、地上に大水を、大洪水をもたらそうとしている。地上のすべてのものは死に絶える。(17節)」からだと言われます。そして神様は、その箱舟を造る材料とかその構造とか大きさを細かく指定しています。「ゴフェルの木(いとすぎの木)で箱舟を造りなさい。内と外にタールを塗りなさい。(14節)

」「箱舟の長さは三百キュビト(135m)。幅は五十キュビト(22m)。高さは三十キュビト(13.5m)。」興味深いことにこの寸法比は、今日、世界一安全とされるタンカーの寸法であり、黄金率と言われている。「箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内に天窓を仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、箱舟を一階と二階と三階に分けなさい。(16節)」一つの階の床面積は、約920坪。それが3フロアで3倍して2760坪(9110㎡)。なぜそんなに大きい船が必要だったのか。その理由は「また、すべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹づつ箱舟に連れて入り、あなたとともに生き残るようにしなさい。それらは雄と雌でなければならない。(19節)」「鳥は種類ごとに、動物も種類ごとに、また地面を這うすべてのものも種類ごとに、それぞれ二匹ずつが生き残れるよう、あなたのところに来なければならない。(20節)」つまり、洪水によってあらゆる生き物が死に絶えてしまうので、選んだ全種類、雄雌つがいで、箱舟に入れる必要がある。だからその広さが必要なのです。

3.ノアの信仰

 そして22節で、「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。」とあるが、この暴虐の世の中で、神の言葉を実行するのは、非常に困難を伴うものでした。いとすぎの木の伐採、運搬、製材、組み立て、それをノアとその3人の息子で行う必要があった。トラックも電動工具もない。また費用も国の補助金やクラウドファンディングもない、全部ノアの自腹です。それ以上に周りの人からの嘲笑に耐える必要もありました。しかしノアは「信仰によって、ノアはまだ見ていない事柄について神から警告を受けたときに、恐れかしこんで家族の救いのために箱舟を造り、その信仰によって世を罪ありとし、信仰による義を受け継ぐ者となりました。(ヘブル11:7)」実は、今の時代にも神様が用意された箱舟がある。それは、イエス・キリストの十字架の救いです。今の時代の神の裁きから逃れる方法は、この神様が用意されたイエス様という救いの箱の中に入ることなのです。

 世の終わりにノアの日と同様に携挙が起こり、救いの箱舟の中に入っている人は、救われます。皆さんは大丈夫かもしれませんが、愛する家族や友人にその現代の箱舟を知らせることが出来るよう心から願っています。

(T・H)

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