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オーティス・レディング 縁の地巡り遍歴

ずっと下書きのまま完成していなかった文章をちゃんと書き上げようと思います。

私は中学生のときにケーブルテレビで放送していた映画「ブルース・ブラザース」をきっかけに60年代ソウル・ミュージックに傾倒。中でもオーティス・レディングが大好きです。大好きすぎて、この十数年、彼の縁の地巡りをしてきましたので、それを紹介します。

最期の地、ウィスコンシン州マディソン

まずは1967年12月、彼の自家用飛行機が墜落したオーティス最期の地、モノナ湖。2011年3月に訪問しました。
当時はスマフォが普及し始めた頃で、レンタルのポケットWi-Fiもあまり一般的ではなかったと記憶しています。iPod Touchと公衆無線LANを頼りにシカゴからグレイハウンドのバスでウィスコンシン州マディソンに移動。モノナ湖のほとりにあるMonona Terrance Community and Convention Centerの屋上にオーティスの銅像があるという情報は仕入れてあったため、まずはそこへ。

しかし、早速問題が。3月上旬、まだ雪が積もるウィスコンシンではこのコンベンション・センターの屋上は閉鎖されていたのです。拙い英語で警備のおじちゃんと話してみましたが、残念ながら銅像を見ることは叶わず。

Monona Terrace Community and Convention Center
Monona Terrace Community and Convention Center(屋上に銅像があるらしいですが、封鎖)

代わりにモノナ湖の辺りを少し散歩しました。3月上旬で湖面がガッツリ凍っていて、オーティスが堕ちた12月も寒かったのだろうか・・・などと切ない想いを抱いたことを今でも覚えています。

モノナ湖の湖畔
モノナ湖の湖畔。3月でも湖は完全に凍っています。

躍進の地、テネシー州メンフィス

同じく、2011年3月が初訪問のメンフィス。ソウル・ミュージック・ファンにはお馴染み、STAXレコードのスタジオがあった地です。このときは飛行機でニューオーリンズに着いた後、バスでメンフィスに移動。(さらにそこからバスでシカゴへ移動。若いから出来た旅程ですね・・・。)

まずはスタックス博物館。STAXレコードに限らずブラック・ミュージック全般の展示が充実しているので、ファンは一度は訪問をお勧めします。

STAXレコード跡地に建てられた博物館

そして、もう1カ所、このときにとても感銘を受けたのが公民権博物館(National Civil Rights Museum)です。1968年4月にキング牧師が暗殺されたロレイン・モーテルが博物館に改装されています。オーティスの死からわずか4ヶ月後の出来事。オーティスが、キング牧師が生きてたらSTAXレコードの歴史も変わっていただろうか、なんて想いを馳せてしまいます。60年代のソウル・ミュージックをより深く感じるには、やはり公民権運動の歴史は外せないと思います。「スタックス・レコード物語」という本に書いてあったと思いますが、こんな事件が起きる前はロレイン・モーテルはSTAXレコードのミュージシャン達が黒人・白人関係なく裏のプールで遊べるような場所だったそうです。

ロレイン・モーテル跡の公民権博物館

その後、メンフィスには2013年に再訪しています。そのときは、なんと公民権博物館が改装中で見れなかったので、またいつか行ってみたいなぁと思っているところです。

青春の地、ジョージア州メイコン

時間は流れて2019年5月。オーティスが育った地、ジョージア州メイコンを訪問。生誕の地、と書こうとしたのですが、どうやら生まれは同じジョージア州のドーソンで2歳の時にメイコンに移住したらしいので青春の地ということで。

実は私、元々は2017年12月、オーティス没後50年に合わせてメイコンを訪問できないかと思っておりました。私は、浅はかにも何か式典があるのではないか、とオーティスの妻、ゼルマ・レディングが代表を務めるオーティス・レディング財団に連絡を取ってみたのでした。そこで返ってきた返事は、「我々はオーティスの死を記念するイベントはしていません。5年ごとに誕生日の頃に生誕記念のイベントをやってるから、その時に来てくれたら嬉しいよ」というものでした。なんて素敵な返事だろう。

そんなこんなで2017年には訪問しなかったので、2019年5月、ニューオーリンズのジャズフェスに行くついでに(?)訪問。一度アトランタに降り立ち、バスでメイコンへ。

 まずはオーティスの銅像。遡ること8年前、マディソンではお目にかかれなかったので、感動はひとしおでした。

Otis Redding像
Dock of The Bayの歌詞も。

場所は市街地から少し離れた橋のところに・・・とマップを調べていたら、なんと現在は橋の改修のために銅像は撤去されているとのことです!
数年後に再度置かれるとか・・・。私が訪問したときも、なんか工事してるなぁと思いましたが、危ないタイミングだったかもしれません。

また、その少し前のレビューには公園がホームレスの棲み家になっているとい書き込みもあるので、治安には十分ご注意を。

もう1つ、メイコンでの訪問場所といえばオーティス・レディグ財団です。
小さな町の小さなスペースですが、オーティスの記念グッズなどが色々と売られています。また、この財団は子どもたちに音楽教育をするためのサマー・キャンプなどを催していますので、ソウル・ミュージックを愛する方々は寄付をしてみるのも良いと思います。


外観
展示物

注意点としては、日曜は定休日です。それ以外の時間も書いてある通りの時間に空いてないときがあるみたいです。9時始業と書いてあるのに、私が行ったときは午後からしかオープンしませんでした 笑。確実に訪問したいなら、事前に訪問予定を伝えておいた方が良いでしょう。

ちなみにこの日、メイコンからは日帰りだったのですが、帰りのバスに乗り遅れてしまい、大変な目に遭いました。「アメリカのバスはどうせ遅れる」とタカを括っていたところ、バスが目の前で去っていく事態に。なんとか数時間後の別のバスでアトランタに帰ってこれましたが、バスの本数もそれほど多いわけではないので、下手すると翌日のニューオーリンズ行きの飛行機に乗り遅れていたかもしれない恐怖・・・。皆様、旅の計画は慎重に。

最後に

今後、もし機会があったら行ってみたい場所は Big "O" Ranch です。日本ではあまり使われませんが、「Big "O"」はオーティスの愛称で、彼の自宅兼牧場です。現在もご家族が管理されていて、普段は開放されておらず、オーティスの誕生日に開放されることがある様です。それこそ、今度こそお祝いの時に訪問できたら良いなぁなんて希望をいだいています。

この記事が誰かの参考になるのかは分からないのですが、そんなオーティス・レディングの縁の地を訪問してきた記録でした。

これからもオーティス・レディングの音楽がたくさんの人を楽しませてくれますように。


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