特別な他人になれたら

素敵な文章を読むと、自分でも文章を書いてみたくなる。昔から文章を読んだり書いたりするのが好きだった。ただし得意というわけではなく、中学生の時に読書感想文を提出したら「あなたのことはわかったけど、本の内容はまるでわからない」と言われたほどだ。
 
ときどき訪れるこのアウトプットしたい欲。いつもはTwitter(旧X)で満たしている。Twitter(旧X)というのは表記ミスではなく、そのうちXの名前がTwitterに戻るのではないかという願望からきている。

Xには文字数制限があり、とりとめのない長文駄文を書くには適さない。そこで、初めてnoteというものを使ってみる。使い方もわからないし、あとで消してしまうと思うが。
(ずいぶん前にアカウント登録だけしていたので、一度も投稿しないまま「noteをはじめて9周年記念!」というバッジが付与された。なんだか申し訳ない)


特別なバンド

みなさんはSPECIAL OTHERSというバンドをご存じだろうか。スペシャルアザース。通称スペアザ。私のXをフォローしてくれている人であれば嫌でも目にしていると思う。横浜の高校の同級生で結成された4人組インストバンド。私が愛してやまないバンドである。

全員髭

私のXのアカウントユーザー名(ID)は「SP_remi」だが、”SP”はスペアザのことであり、”remi”はキーボード担当の芹澤優真のミドルネームだ。ファンの間では有名な話だが、メンバーにはそれぞれミドルネームが存在する。尊敬するアフロビートの創始者、Tony Allenによって名付けられたものだ。

芹澤 "REMI" 優真 (Key)
又吉 "SEGUN" 優也 (B)
宮原 "TOYIN" 良太 (Ds)
柳下 "DAYO" 武史 (G)

意味としては
又吉の“SEGUN”が「勝者」
宮原の“TOYIN”が「とてつもなくすごい男」
柳下の“DAYO”が「幸福を運ぶ者」

そして芹澤の“REMI”は「力強いビジネスマン」

明らかに芹澤だけ毛色が違う。

バンドマンにつけるミドルネームとは思えない。しかし私はそれが気に入り、Xのユーザー名としてremiを拝借している。

出会い

スペアザとの出会いは高校生の頃。同じく大好きなバンドであるアジカンのラジオを聴いていた時だ。その日の放送はアジカンが主催する音楽フェス「NANO-MUGEN FES .2008」に出演するアーティストを一組ずつ紹介するといった内容だった。その中の一組がスペアザで、そこで紹介された楽曲がファンに愛され続ける名曲『Laurentech』だった。

初めて聴いたときの衝撃が今でも忘れられない。
こんな音楽があるのかと、とても驚いた。まずほとんど歌っていないじゃないか。これがスペアザ、これがインストバンド・・・。その衝撃は凄まじく、当時から出無精だった私が次の日すぐに某レンタルショップに行きCDを借り漁ったほどだった。

その出会いから半年経ったくらいだろうか。スペアザは『PB』というアルバムをリリースする。これがまたバケモノのようなアルバムで、改めて虜になってしまった。

この『PB』とその次にリリースされる『THE GUIDE』というアルバムは、本人たちも後に語っているがロック期といえる時期の作品で、ジャムやインスト、ポストロックといったジャンルを聴いてこなかった人にも親しみやすい曲になっている(現に私もそうだった)。なので初めてスペアザを聴くという人にはこのあたりの曲をオススメすることにしている。

初めてのライブ

2009年4月17日。今は亡きZEPP SENDAIというライブハウスでスペアザのライブが行われた。私にとって人生初めてのスペアザのライブ(そもそもこの時ライブ自体も人生で2回目だった)。
本当の本当に最高だった。当たり前のことを当たり前に言うが、やっぱり生は違う。特にスペアザのようなジャムバンドはライブでこそ真価が発揮されるのだと思う。
細かいセットリストまでは正直覚えていないが、とにかく楽しかったことを覚えている。そしてこの時、演奏と同じくらい強烈に印象に残っていることがある。
 
当時のスペアザにZEPP SENDAIという箱は大きすぎたのか、後ろのほうは正直ガラガラで、人がまったくと言っていいほどいない状態だった。それでも人生2回目のライブでまだまだ緊張していた私は前に行く勇気はなく、ほぼほぼ最後方くらいの位置を陣取った。
ライブ終盤、私の数メートルほど前でライブを見ていた女性が突然履物(おそらくサンダルのようなものだったと思う)を脱ぎ、それを両手に掲げて踊り始めたのだ。周囲に人がいれば完全に迷惑行為だが、女性の周囲には人はおらず、私がだいぶ後方から眺めているだけという状態だったので許してあげてほしい。
 
後にも先にもあそこまで楽しそうにライブを見ている人は見たことがない。ライブの鑑賞方法は人それぞれで、私もどちらかといえば静かに見ているタイプではあるが、楽しみ方の完全究極体を見たような気がした。
普段は物静かで遠慮がちなあの女性(クソ妄想)をあそこまで踊らせてしまうとは・・・スペアザの音楽、恐るべし。

この経験が影響してか、私はライブに参加する時、特別良い番号でない限りなるべく後ろからライブを見るようになった。それはライブで盛り上がっている観客も見たい、盛り上がっている観客越しのアーティストが見たいと思うようになったからだ。特にスペアザの場合はそれが顕著で、楽しそうにしているみんなを見るのがたまらない。
もちろん、少しでも前で見たいという人の気持ちはわかるし、繰り返しになるがライブの鑑賞方法は人それぞれであり、何にも囚われず、ただ楽しむことが正解だということは言っておきたい。

謎の新人バンド、デビュー

SPECIAL OTHERS 野音2014大阪公演にて、謎に包まれた新人バンドがデビューした。その名もSPECIAL OTHERS ACOUSTIC。通称S.O.A(ソー)。
スペアザにとてもよく似たバンド名だ。楽曲もスペアザのようなグルーヴとアコースティックながらしっかり踊れる曲になっている。きっとスペアザと同じように今後も聴き続けるバンドになると確信した。
しかし、私はそのバンドの正体を知って愕然とする。
 
なんとS.O.Aは、SPECIAL OTHERSがアコースティック編成で活動する際の別名義だったのだ・・・!
 
 
~~~~~~~茶番ここまで~~~~~~~
 
 
前述のとおり、アコースティック編成になってもスペアザの魅力はまったく失われておらず、スペアザの入門としてアコースティックから入るというのもアリだと思う。
むしろボーカルっぽいメロディライン(音楽に詳しくないためこのような表現しかできない)はアコースティックのほうが際立っていて曲としてとっつきやすい気がする。

以前、あまりにも活動がアコースティック推しになった期間があって、「もういいよアコースティックは」的な発言をXでしたこともあったが、今ではアコースティックも変わらず愛している。愛ゆえに、というやつだ(?)

特別な他人として

SPECIAL OTHERSというバンド名だが、由来は特にないとのこと。SPECIALって付いたらかっこいいんじゃね?くらいのノリらしい。最初は得意のはぐらかしかな、と思っていたが、好きでいる期間が長くなるにつれ、本当に何も考えてないで付けたんだなと納得できた。そのいい加減さもスペアザの魅力のひとつだろう。(強引)

SPECIAL OTHERS、直訳すると"特別な他人"。
(先日のSPE納め2023で柳下は”特別なその他”と言っていたが)
私だけかもしれないが、他人という言葉には少し冷たい印象を受ける。バンドとリスナーという関係は他人といえば他人だ。しかしそこに”特別な”が付くとどうだろう。一気にまんざらでもない気がしてくる。
前述のとおりこのバンド名にはそんな意味は込められていないが、私は勝手にそう解釈している。改めていいバンド名だなと思う。

ここまでよくわからない長文乱文を書いてきたが、結局のところ、スペアザのことが好きな人には「スペアザっていいよね!」と話したいし、スペアザをよく知らない人には「スペアザってめちゃくちゃかっこいいよ!」という話がしたいというだけかもしれない。
 
スペアザのことを好きな人はみんな特別な他人だし、好きな人にはスペアザを好きになってほしいのだ。
 
友達以上恋人未満の関係を”特別な他人”と呼ぶ日も近いかもしれない。
告白したら「まずは特別な他人からお願いします。」という返事もありになるかもしれない。
 
スペアザが新曲をリリースする時に出すコメントくらいふざけてきたので、このあたりで終わります。
今後もスペアザの新曲が聴ける、ライブに行けるという幸せをかみしめて生きていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。