写真が出てきたからやることにしたんだ（笑）無くしたと思ってたから出てきて嬉しかった。60年代は緩くていろんな人が出入りしてていろんなものが無くなってたからこれも無くなってるものと思ってた。発見して驚いたよ。

カメラマンは周りにいっぱいいたけど、居るのが僕だからジョージの寝顔も撮れた。ジョンが眼鏡をかけた写真も同じだ、バディホリーが眼鏡をかけてジョンもかけるようになったけど、女の子たちが現れたら外してた。
ジョンがガムを噛んでるのは、緊張してたわけじゃなくていつものことだ。そういうちょっとした習慣を思い出すことができて嬉しい。

ジョンが顔を洗ってるとこの写真とか好きだな。これも僕だから撮れた写真だ。彼は当時出版されるなんて思ってなかったからね、ゴメンよジョン。僕らみんな一緒に過ごしてたからこういう写真が撮れた。写真を見返してあの頃を思い出せるのは素晴らしい。

ただカメラを置いてたから。他のメンバーかローディのマルやニールが撮った写真もあるよね。僕らみんなペンタックスかなんか持って写真を撮るのが好きだった。リンゴも最近写真集を出しただろ。
当時はただスナップショットとして撮ってただけだけど、こうやって時間が経って見返すと当時のスタイルやホテルの様子やいろんなことが捉えられているのがわかる。

（若い頃の自分を見て）イケてるじゃんって思うよ（笑）みんな若くてカッコよくて好きだ。撮ってる時は「撮られるの好きじゃないな」とか思っても、10年後見返したら「そう悪くもないじゃん」って思うだろ？20年後には「めっちゃいいじゃん」って思う。

ジョージの父ハリーはバスの運転手で、母ルイーズはしっかりした主婦だった。家にセールスマンか何か招かざる客が来たとき、2階の窓から水を浴びせてた。

僕とマイクは14才と13才の頃に母親を亡くした。乗り越えなきゃいけない悲劇だった。父親が泣くのなんて見たことなかったし、でも隣の部屋から聞こえてくるんだ。でもなんとかやっていったし当時のリバプールは覇気に溢れていた。父と母も戦火を免れてきた。音楽やジョークと共に乗り切ったんだ。
悪い時をどう乗り切っていくか学べたのは、、人生のレッスンだよね。

父は音楽を演るのを応援してくれて、家にピアノもあったしそこからも学べた。そういうことの積み重ねが、のちの成功につながっていった。

パリのことは知らなかったから、二人で歩き回ったりほんと一緒にいろいろやった。映画館にいって「タイムマシーン」をみたり。バルコニーのシートに行ったら、前にいたフランス人がニンニク食べててさ「うっわありえねえ！」って言いあったり、いろんなことをしたんだよ。

ユルゲンにパリで会った時は、「君みたいな髪型にしたい！」ってとにかく丸め込んでやってもらった。リバプールに帰ったら「なんだ、どうした？！」ってめっちゃ言われて「これが最先端だぜ」って

パリは建物も違うし人も違う。奥さんとパリに行く時も「ねえ、みんなフランス語で物事考えてるんだぜ、きっと犬もだよ」って、なんかエキゾチックな気分になる。