春休みに読んだ本7冊のみにみに感想

布団の隙間からこんにちは。春休みがそろそろ終わるということで私が春休みに読んだ本の感想をここに書き記しておこうと思います。もう忘れててちょっとあんまり書けない作品もあるけど。眠い。眠い。眠い…
それではスターーーート!

1冊目「傲慢と善良」辻村深月


この本はとにかく言葉が私をぶっ刺してきたよね。ひどいよ。私を刺そうと思って書いたでしょこの作品ってくらい言葉で刺されました。「自己評価は低いくせに自己愛は強い」って言葉、私の心臓に棘となって今でも突き刺さってるんですけど!!自分の値段は高いんですよね。読み終わった後はなんかこの2人がすごくキラキラ輝いて見えました。がんばれ!暗い闇を抱えていたしお互いが傲慢で善良だったからこそ生まれた歪みからいろんなことが起こっていたんですけど、たぶん完全には乗り越えられていないんですけど、2人の未来が幸せなものでありますよう祈るしかないよね。私って自分の値段高くつけてるんだな~って自分を内省するきっかけになったのでよき本でした。

2冊目「社会人大学人見知り学部卒業見込」若林正恭


オードリーの若林さんのエッセイですね。若林さんのエッセイをまとめたものみたいな本だったんですけど読んでるとなんか若林さんの成長を見られてなんか神視点で物事を見ている感覚になりました。痛みは確かで。笑いは一番信用できるらしいです。なんかテレビ番組のいろいろなことにがんじがらめになっている人を最初はうがった目で見ていた若林さんの気持ちもわかるし、その後適応していった若林さんの気持ちもわかる。みんな高いものに興味があっておいしいものに興味があって自分はそうは思えなくてもリアクションをしなければいけないって大変でしょうけどリアクションをする方が楽だと気付いたりする。大人になるってそういうことなのかなって読んでみて思いました。オードリーの椅子破壊事件いまだにこすられてるのおもしろいよね。

3冊目「本日は、お日柄もよく」原田マハ


インスタの本紹介するアカウントをフォローしているのでそれで気になって買ってみました。どっかの日記で書いた気がするけど、主人公のこと葉がthe女主人公って感じがして最初はいけ好かんな~って思っていました。でもなんか自分の人生かけて何かに熱中している人をみると思わず胸が熱くなっちゃいますよね。私も何か頑張らなきゃな!って思わせてくれた。言葉って本当に大事だよね。ワダカマいい男すぎるし、久美さんの仕事できる女感尋常じゃない。こと葉の行動力もすごい。登場人物の嫌みがなくてめちゃくちゃ心温まる作品でした。最後に久美さん出てきたところ全私がスタンディングオベーションしました。そしてみんな泣き崩れました。

4冊目「生命式」村田沙耶香


これもインスタで見つけました。もともと「コンビニ人間」を読んだことがあって、なんかこの人すごい人だなって思った記憶があったので今回の本も圧倒的価値観でやられるんだろうなって思ってました。案の定ですよ。案の定。言葉が鈍器。鋭い刃。「正常は発狂の一種」って言葉めちゃくちゃなるほどーーーーってなったよね。本能って言葉も普遍的なものじゃないんですよね。世界は一瞬の幻でみんなディズニーランドみたいな世界に生きてるんだって。短編集なので私の個人的おすすめを一つ。最後の短編「孵化」です!ここまで極端ではないけどみんなそのコミュニティに合わせた顔を持っていて適した振る舞いをしてるんだよね。本当の自分なんてものはないんだろうな。てか本当の自分ってなんなんだろうなってそういうことを考えちゃう作品でした。

5冊目「彼女は頭が悪いから」姫野カオルコ


本屋さんで見かけてちょっとなんか胸糞悪そうだなって思ってなかなか読めなかったんだけど春休みだしなと思って読んでみました。圧倒的胸糞の悪さ。読み進めるのがしんどいページあり。読みたくないけど続き気になるしな。というそんな感情に陥る最悪な気持ちになっちゃう作品だったね。なんか勧善懲悪ものじゃないしかといって加害者をめちゃくちゃ悪く書くわけじゃないし。いい塩梅で書かれてるなと思いました。なんか中盤のページで本当に悪気なく差別しているシーンがあってもうどうしようもねーじゃんって思っちゃいました。そういう環境で生まれ育ってこうやって育ってきて、うんぬんかんぬんって感じなので一概に加害者だけを責めることはできないけど、けど、でも!これだけは私の気持ちが叫びたがってる。加害者!反省しろよ!!まあたぶんこの先も何で逮捕されたかわからないまま過ごしていくんだろうなってなんともいえない無力感に包まれる。そんな作品でした。

6冊目「二木先生」夏木志朋


「きみ、結構いやらしいよね。性格が」っていうセリフが本の表紙に書かれていて気になっちゃった。実際そのシーンよかったわ。なんか終盤物語がどんどん絶望に進んでいくのが読んでいてつらかったよね。受け入れられないのかな。やっぱりさ。まあ誰も救われないエンドともとれるし広一の最後に見せた強さみたいなのを感じられたから救われてるエンドともとれる。二木先生は揺るがなかったな。自分を愛さないと、自分に嫌われたらおしまいだっていうセリフがあったけど本当にその通りなんだよな。自分の大切なものは自分の心の中に大切にしまっておくのがいいんだよな。でもそれすらも許してくれない社会の風潮ってなんかあるよね。嫌ですね。とにかく終盤のページのクラスのあの雰囲気めちゃくちゃ息が詰まる。自分があの場にいたら逃げ出したくなると思う。たぶん泣いちゃう。

7冊目「スター」朝井リョウ


朝井リョウだからっていう理由で買いました。作り手側の意識みたいなのが見えてきた。そして受け取る側の私もとても考えられる作品。自分がいいと思ったものをいいって胸を張って言えることの強さってすごいよね。流されずに自分がいいと思うものを生み出すってめちゃくちゃ難しいよね。それだけを求めていてはお金は生み出せないし、お金を生み出すことがいいのか?自分がいいと思うものを生み出すのがいいのか?っていう葛藤ね。なんも生み出したことがない私ですがなんかわかるよね。歯医者さんが言ってたことなんですがどの業界にも悪い遺伝子があって気づいたらそれに飲み込まれてしまうっていうの本当に常に感じているんですよね。鐘ヶ江監督が言ってた待つことができなくなっているっていうの本当にそれだ。自分の好きなものについて語れるようにしておくことって大事だよなって思いました。


以上!全7作品でした!
小説は誰かわからない人の人生を覗くことができていいよね。誰かわからない人のエッセイとか読むの好きなんだけど、小説はもっと密にその人の人生を見ることができる、人生を追体験できる感じがしてやっぱり面白いよね。この人から見ればくだらない出来事だけどこっちの人から見れば人生を変えるような大きな出来事だったり、そういうことが小説だけじゃなくて人生でも起きるんですよね、これが。反対に自分の体感ではしょうもないような出来事でも他の人から見ればめちゃくちゃ面白い出来事だったりするわけですよね。そういうのってなんか言語化できないけどおもしろいよね。そういうことが小説では見られるのでやっぱり面白い。あと人生経験が乏しい私にとって小説は人生のバイブルだったりしなくもない。そんなこんなで小説を読もう。最後に私が聞いたうろ覚えの名言を一つ。
「本を読まないということは、その人が孤独ではないという証拠である」


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