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ソラを見上げて #09 という事で、実体化の練習を始めます

男の子だって、女の子だって
一度は変身に憧れるもんさ。
ソラだって例外じゃないみたいだよ?
昨日の夜に良い事があったんだね、きっと。

―○○の家・早朝―

(除霊騒動から一夜明け……)

何やら女性のうめき声が聞こえてくる。

ソ:はぁ!ぬぬぬ……ぬぁぁっ!

〇:んんぅ、うるさいなぁ。今何時?

ソ:んんん……オラに元気を分けてくれぇ!

〇:まだ六時じゃん……ソラ、何してんの?


ソ:あ、おはよう○○。昨日のアレ、もう一回出来ないかと思ってさ……

〇:アレって……ソラに触れられる様になった事?

ソ:そう! 結局何が引き金であぁなったのか分からなかったでしょ?

〇:だから朝っぱらから思い付くままに大声で気合を入れていると。


ソ:うん! はいぃっ! やぁっ!

〇:闇雲動いても疲れるだけだよ?

ソ:そんなこと言うなら、○○も一緒に考えてよ

〇:何かきっかけみたいなモノ……あ!

ソ:何か思いついた?

〇:気合じゃなくて、掛け声とかポーズだったり?


ソ:例えば?

〇:変身!……とか?

ソ:よし、試してみよう

(ヒーロー、決め台詞で検索中……)


ソ:よし。じゃあ始めるわよ? ちゃんと見ててね?

〇:いつでもいいよ、ソラ


ソ:さぁ! お前の罪を数えろ!
〇:ダブルっていうか、ゴースト感がにじみ出ちゃってるな……


ソ:海賊王に俺はなる!
〇:海賊団の一味にはなれそうだけど……


ソ:お前はもう……死んでいる。
〇:言ってる方が先に死んじゃってるけどね……


ソ:もう! 真面目にやってよ! ツッコミ入れて遊んでるだけじゃない!

〇:あ、バレた?

ソ:ていうかそのツッコミ能力があれば女の子としゃべるのなんて簡単に出来そうじゃん

〇:いや、ソラだから気にせずズバズバ言えるだけで……


ソ:ふん! ○○のいじわる!

〇:僕にとってソラは特別だから

ソ:(小声)またそういう事をサラっと言うんだから……

〇:え? なに?

ソ:なんでもない! もう今日の練習終わり!


〇:なんだ、面白かったのに……

ソ:あー! やっぱり面白がってたんだぁ! 酷い! 人でなし!

〇:人でないのはソラの方でしょ?

ソ:あ、そっか。って……なるかぁぁぁ!

〇:あっはははは

ーつづくー



【おまけ】




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