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資格取得 ⑧ボイラー技士 特級

本記事は2020.12.28別ブログ(閉鎖)に掲載していた記事です

ボイラーを有する工場や各施設(病院・学校・ビル等)で必要な資格です。二級・一級・特級とありますが、ここでは特級について述べます。
難易度高ですがエネルギー管理士や公害防止管理者同様、科目合格制度があります。
また、ここで記載している期間や勉強法は、”資格取得”に特化してます。「その領域の知識を深める」の類ではありませんので、ご了解願います。

概要

ボイラー技士(ボイラーぎし)とは、労働安全衛生法に基づく日本の国家資格(労働安全衛生法による免許証)の一つで、各級のボイラー技士免許試験に合格し、免許を交付された者をいう。空調・温水ボイラーの操作、点検を業務とする。二級技士で全てのボイラー取扱いができ作業主任者は、 各級の技士が必要になり労働基準監督署に各種申請を届ける必要がある。
ボイラー技士は病院、学校、工場、ビル、機関車、銭湯、地域熱供給などの様々な場所で、資格の必要なボイラーを取り扱い、点検、安全管理を行う技術者である。近年、ボイラー技士資格の必要の無いボイラー及び多様な熱源設備が普及してきている。そのため多くの現場や企業では、ボイラー技士の資格を事実上、知識や技能を証明する検定試験的な捉え方をする場合が多くなっている。 級の区分にかかわらず、全てのボイラーを取り扱うことができる。ただし、取扱者を統括する立場の作業主任者に選任されるには、次の区分に応じた級の免許が必要となる。 特級 - 全ての規模のボイラー取扱作業主任者となることができる。 一級 - 伝熱面積の合計が500m2未満のボイラー取扱作業主任者となることができる。 二級 - 伝熱面積の合計が25m2未満のボイラー取扱作業主任者となることができる。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ボイラー技士

 上述の”二級技士で全てのボイラー取扱いができ作業主任者は、 各級の技士が必要になり”と”ボイラー技士は病院、学校、工場、ビル、機関車、銭湯、地域熱供給などの様々な場所で、資格の必要なボイラーを取り扱い、点検、安全管理を行う技術者である”がポイントです。

・ボイラーを取り扱う目的としては二級を取得すればいい→だから二級は人気があります

 ボイラーはおそらくどこの工場でもあります。ちょっと大きな工場であれば、ボイラーも当然大きくなりますし、それに伴い必要な取扱作業主任者の級も上がります。プロフィール欄にも記載しておりますが、私は某製造業の会社に勤務してます。ウチの会社では、技術系総合職で入社10年~、エネルギー管理士と公害防止管理者を合格済みの中堅が毎年数人受験します。大体ここまでが、ウチの会社が取得を薦める資格取得ですね。

受験資格

資格あり。要件は下記URL参照
受験資格(特級ボイラー技士) (exam.or.jp)

試験概要

試験日程:  年1回(10月頃)
試験会場:  全国7カ所の各地区安全衛生技術センター
試験形態:  筆記のみ(選択+記述)
試験時間:  4時間
試験問題:  4科目24問

資格取得に要した期間と勉強法(経験談)

<注意>
あくまで筆者が要した期間と勉強法です。万人に当てはまる訳ではないので、参考まで。
資格取得に要した期間:  4ヶ月
勉強法:         過去問題集を繰り返し実施、不明な用語はテキストで確認
私は下記テキストと問題集を使用しました。

  • ボイラーの構造

  • ボイラーの取扱い

  • 燃料及び燃焼

  • ボイラー及び圧力容器安全規則の解説

  • 特級ボイラー技士試験問題及び解答集(平成16年~平成25年)

  • 平成27~30年度特級ボイラー技士試験公表問題・解答・解説

日本ボイラ協会 図書オンラインショップ / 受験準備図書(特級ボイラー技士) (jbanet.or.jp)
(楽天・Amazonで検索ヒットしませんでした。出回ってないのかも)
他には
特級ボイラ技士試験問題解答集(2021年度版) 平成28年度~令和元年度試験 [ ボイラ技士試験研究会 ]
特級ボイラ技士試験計算問題の考え方(1)増補 基礎・取扱編 [ 片山嘉明 ]
特級ボイラ技士試験計算問題の考え方(2)増補第2版 構造編 [ 片山嘉明 ]
特級ボイラ技士試験計算問題の考え方〈3〉燃料及び燃焼編
特級ボイラ技士試験計算問題の考え方〈4〉?法令編
ぐらいですね。1級及び2級ボイラー技士のテキストと問題集は多く出版されてますが、特級はあまりありません。最初に紹介した「日本ボイラ協会」発行のテキストと問題集が間違いないと思います。

今まで資格取得で紹介した中で最も勉強に時間を要した資格です。

・傾向は似ているが、同じ問題はない

・記述がほとんどなので正しく覚えておく必要がある。(誤字・脱字も無いように)

・計算過程も書かないといけなので丸暗記はアウト。内容の理解が必要。

・選択も5択問題で「2つ正しい/誤っている組合せどれか?」を問われるものが多い

ので、正しい理解と記憶が必要になります。
とはいえ、やっぱり基本は過去問を解きながら実践して理解していくのが早いと思います。
やっぱり、過去問/類似問をやってないと合格できないということです。
下記URLに過去からの合格率が掲載されています。2019年度で合格率:約30%です。
試験実施統計 (exam.or.jp)
https://i.gyazo.com/8b8470c4ec68cc72d8d39da6a99d7cc9.png

 ただしこの合格率は科目免除を含めた合格率です。特級ボイラー技士は公害防止管理者やエネルギー管理士試験同様、3年間の科目免除制度があります。つまり4科目を3年間で取得すれば合格できるということです。そういった人達も含めた合格率:30%なので、一発合格の合格率はかなり低いと思います。
以下は推定ですが、令和元年度 特級ボイラー技士の場合
 免除ありの受験者数 ?人(非公表)→仮の割合:70%、つまり498×70%=349人
 免除なしの受験者数 ?人・・・4科目受験した人(非公表)→仮の割合:30%、つまり498ー349=149人
 合計受験者数    498人
 合格者数      151人
 合格率       30.3%(=151/498)・・・免除あり/なし全て含む
 一発合格率(推定)  9.1%(=30.3×149/498)
10人に1人の割合程度の合格率となります。実際、うちの会社で受験し合格した人の割合はこのぐらいでした。

「この資格取得して何になるの?」ですが、

・対象ボイラーの取扱い

は二級ボイラー技士を取得すれば事足りる訳ですし、実際技術系一般職が毎年受験・取得しています。特級取得の目的は

・対象ボイラーの取扱作業主任者を選任するため

・対象工場で業務に従事している1級及び2級ボイラー技士の監督・指導を行うため

だと思います。
資格を取るのは、この知識を得て自分のものにするための手段です。
1年で一発合格が難しいなら講習会に参加するのも手だと思います。また2~3年計画も作戦の一つです。
ただし、3年超えると振出しに戻るので注意。

以上

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