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役割は奪い合い。干される恐怖心でいっぱいの職場の思い出

私がとあるメーカーに勤めていた頃のお話です。

仕事は見て覚えろ、という風習は私は嫌いです。
以前いた職場は更に上で、「仕事は渡さんが、覚えろこの野郎」というとんでもない所でした。

組立て作業は椅子取りゲーム

面接時は人手不足のための増員とのことでした。
いざ配属されると、チームの先輩たちの目がとても冷たい。
仕事は何も振られず、忙しいからと聞いても無視。

そこで自分なりに仕事になじめるよう、セルフOJTプログラム(笑)を考えました。
まずは扱っている機械のことを理解しようと思い立ち。
試作機が会社に納入されるタイミングで、呼ばれてませんが組み立てに参加することにしました。

現場をみて、早速憂鬱になりました。
仕様として最小2人での組付けを想定している装置なのに、6人以上は群がっています。

「早く終わるように皆で協力」という雰囲気ではありません。
というより、奪い合いです。

古参は、主要なサブユニットの取り付けなどを、黙々と進めていきます。
普通に彼らだけでもほどなく終わりそうです。

かたや、入社1~2年目程度の新参者は、大わらわです。
先輩の持つユニットに慌てて手を添えたり、必死でボルトを集めて先輩に渡したり、梱包材をゴミ箱に捨てたりと走り回ります。
ぶっちゃけ、そこまで人数は必要ないけどやらないと怒られるから恐怖心で動いている感じ。

私も中に入ろうとしましたが、釈然としなかったですね。
既に古参二人で担いでいる軽いユニットに手を添える意味もありませんし……。

むしろ、新参者だからこそユニットの組付けをやりたかったのです。
先輩方がやっているユニットの取り付けは、ぶっちゃけ「動きが大きいけど簡単で見栄えがする」作業。
それは組み立て性を考慮して設計されているから簡単なわけです。
それを新参者が肌で感じることは、とても大事だと思うのですが……。

仕方なく細かいパネル貼りなどをやろうとしたら、隣から同時にドライバーのビットがニュッっと伸びてきました。
数か月だけ先に入社した新参者仲間もそこを狙っていたようで、つきとばされました。

「せっかく見つけた役割をとるんじゃねえ!」みたいに鬼気迫っていましたね(笑)

この椅子取りゲームに負けると、何も経験できずに干されていきます。

さっさと見切りをつけよう

普段の設計業務も同じです。上から降りてきた仕事は先輩が自分らで抱えこんでしまいます。
加工業者さんなどの取引先への連絡も、すると怒られました(笑)
かといって、新参者は何もしなければ何も覚えられませんし、叱責されます。頼み込んで、部品図の寸法入れや図面を畳むなど小間使いに奔走していました。

最初は頑張って足掻いていましたが、ほどなく降参。
腹が立つし、非効率でもどかしいし、辞意を申し出ました。
すると「下積みは大事なのに」「逃げるのか」などと言われてしまいましたが、辞めて正解でした。

こんな環境にいると、精神が壊れていきます。
空気のように扱われるのに、実際何もしないで空気でいると怒られるという理不尽な環境です。
長く我慢すればするほど、従うばかりで自分で考える力が奪われていきます。
次世代の生贄(新人)を待ちながら、鬱々と理不尽な仕打ちを耐えるなんて無駄すぎます。

理不尽で非効率な風潮は一人では変えられないので、傷の浅いうちにさっさと見切りをつけてしまいましょう。

さすがに私が入った会社がハズレだっただけだと思いますが、知り合いには「よくあることだ」と言われたので不安になりました。えっこれ普通?

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