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【旅行記】消波ブロックから月日の輪を見上げて

 宣言通り無事にパートナー氏が無事地元(大枠)にやってきましたので忘備録を認めます。
 毎度のことですが、画像も多いしヒト族の写真も出て来ますのでご注意ください。

 いや~、雪国の夏は別に涼しくないと力説しても納得して頂けていなかったようですが、これで無事、実感/痛感したのではないでしょうか。夏涼しいタイプの雪国は地形に恵まれているんですよ、単純に。

 先週金曜に有休を取ったパートナー氏がガチの地元まで新幹線から鈍行に乗り継ぎ来てくれたので、先ずは駅で彼をピックしてから遅めの朝食へ。私の母とその恋人が同席したので実質食事会です。
 新潟らしくへぎそばを頂きました。人心掌握のプロであるパートナー氏ですので、このイベントは前回に引き続き危なげなくクリアしておりました。流石だね。


 母たちを自宅へ送り、予約していたマッサージの時間まで余裕があったので海へ。どうも江戸っ子って海になにかしらの憧憬がある。
 海辺で生まれ育った引き籠りの私にはそんなものはゼロなのですが、まあ夢を叶えるお手伝いくらいはさせて頂きます。

海。

 海開きはこの翌日だったのですが、人はちらほらいました。
 そもそも日本海側の海は陰気な雰囲気を醸し出しているので、湘南や横浜とは全然違うんですよね……。嬉しそうに消波ブロックに駆け上がった彼が「青くない!濁ってる!」と喚き立てておりましたがそらそう。勿論画像は加工しております。実際の色味はグレーです。はい。


乗るな乗るな。
近所の悪い意味での名物ジジイが変わり果てた姿でブロックの隙間から見つかってんだよ。
頭打つと死ぬぞ。

 私もここの海水浴場には15年ぶりに接近したのですが、釣りやマリンスポーツを趣味としていない限り地元の人間ほど行かないってのはあると思います。夏は関東からの海水浴客で溢れかえりますが、普通に太平洋サイドをお勧めしますよ私は。ハングルが書いてある危なそうな漂着物とか無いでしょうし。

 湯の中のような湿気と暑さで滲んだ汗が潮風でベトベトになり、端的に言って「ヒエ~~~~!」って感じだったので爆速で引き返しました。
 履いていたドレスシューズが黒い砂を吐き出し続ける永久機関と化し死にました。サンダルを持ってきていたので事なきを得たけど傷は癒えそうにありません。やっぱ海嫌い。

 持ってきたと思い込んでいた汗拭きシートが無かったので、薬局へ行きDEOKOのやつを買って「女子高生の匂い!」とはしゃぎながら時間を潰し、知り合いのタイマッサージ店へ。施術の最後に『タイ流ベキバキゴキってする柔軟』をさせられ、思わず奇声を上げたのですが、それをスタッフさんたちに喜んでもらえたようでなによりです……。


 それから山道を車で移動し、長岡市へ。
 もう定番のエリアですが、こういう大きいところじゃないと普通になんもないんですね、新潟県って。観光地ではないので。

 先ずは駅中のホテルへチェックインをし、駅前の富寿司さんへ。
 以前は回転ずし型店舗へお邪魔したのですが、駅前はカウンター型です。

特上セット。
運転手のためお酒が飲めないのが残念……。

 金沢でも食べた『ガスエビ』はこちらでは『ドロエビ』というらしく、他にも『トゲザコエビ』など酷い呼ばれようですが(なんてったって見た目が綺麗ではないからね)、とても美味しいです。ドロエビで検索すると新潟の食材のデータベース的なものが出て来ますが、そこでも『不細工なエビ』とか言われていて涙が溢れそう。このデータベースではドロエビを食べるなら富寿司さん」と紹介されているので、もし此方にいらっしゃる予定のある方は訪れてみてはいかがでしょうか。

 一旦ホテルへ戻り、新潟ローカルのニュース番組を観るなどして過ごし、「まだ腹いっぱいだって!」との訴えも空しくラーメン屋さんに連行される私。
 引き摺られて行った先は前回パートナー氏がいたく気に入ったらーめんヒグマさんです。

 新潟の生姜醤油ラーメンは、真冬に食べてこそだとは思っているのですが、ヒグマさんは夏でもさっぱりいただけます。

 はちきれそうな腹をシートベルトに押し込め、ぼーっと何も考えずドライブ。しかし田舎は夜中にどこもやっていない。夜中って言うか、21時以降にすることがなんもない。「なんもないって言いましたよね?」と無味無臭のドライブから引き揚げようとパートナー氏のアイフォンのナビ(Googleかな?)で駅を設定したのですが、こいつがまた……。
 一方通行の道に平気で突っ込ませようとするし、指示が結構遅いのでスルーしてしまうと「左方向です左方向です左方向です左方向です」と連呼。「言うこと聞いてもらえなかったからって不機嫌になってんじゃねえ!アンガーマネジメントをしろ!」とナビと口喧嘩をするハメに。なんか覚えがあるなあこの不機嫌になるモラハラ気質……(勿論ナビさんに感情はありませんが挙動に覚えがあった)。

 二度とお前使わないからな!と断続的なハラハラ&ヒヤリハットに痺れを切らして交友断絶を言い渡す私。だからあいぽんは嫌いなんだよ!駐車場へ戻れたときはホッとしすぎて膝が笑いました。

 ホテルへ戻ると、しばらくテレビを点けてぼーっと脱力タイム。私もパートナー氏もTV番組を一切観ないどころかB-CASカードすら持っていないのですが、だからこそ旅先だとなんだか観ちゃいますよね。関西のTVは賑やかで面白かったですね。

ホテルは駅中なので窓の外は線路。
建物内にあるのは新幹線のホームです。

 駅前のホテルは軒並み昭和感が凄いのですが(流石に改築が入り今回予約できなかったところもある)、駅中にあるメッツは新しくて綺麗なのでお勧めです。

 寝落ちから目覚め、朝から車に乗り込み前回も訪れた寺泊港を目指します。
 しかし車を走らせてからナビ設定をしていないことに気付き、パートナー氏に設定を頼みますが走行中は設定NG(そらそう)。
 あ~~~~~~~~~~またお前かよあいぽんのナビ!!!!

 でも私も一度のミスで処遇を断じるほど鬼ではないので「昨日は調子悪かっただけだよね? 今日は気持ち切り替えていこう!」と語り掛けます。
 その数分後……。

 この道本当に通っていいやつ!!!?????
 マジ??? 嘘か本当だったら嘘のほうが信じられるレベルだが????? 今謝ったら許すけど????
 明らかにギリギリでしか擦れ違えないというか道の両端は河川敷に真っ逆さまな狭小ロード。この道の設計からまず間違ってない? なんで柵ないの???
 ていうか目的地にそこそこな回数行ってるけどこんな道通るの初めてだよ!!!

 ビキビキに張り詰めた精神でなんとか到着。
 寺泊市場通りといえば新鮮な魚介類。
 旅(片道)の疲れをぶっ飛ばすために生牡蠣をその場で剥いてくれるお店へ滑り込みます。

 あ~~~~~~生きててよかった。マジで。
 なんでこの旅では酒が飲めないのか。そこだけよ。もうそこだけ。
 パートナー氏は生牡蠣が苦手というか貝類が苦手なのですが、私が食べていると必ず「ひとくちちょうだい」と言ってきては口に入れてグチャってした顔をします。あーあー食わんでいい分らん奴は食わんでいい!!!

 今回は食事処には入らず店頭で買った刺身や丼、寿司をイートインで食べました。
 これが一番美味い。結局。

 彼は毎食後「デセールはないの?」とほざくお坊ちゃんなのでなんか映えそうなスイーツを買わせました。私はデザートとか要らない派なのでふた口ほど貰っただけなのですが、結構良かったですね。

 これ、私の写真で恐縮なのですが、年々明らかに母の血が濃くなっている気がしますね。わかる? わかるかな……なんか非常にタイ人なんですよもう。顔隠してないやつだと『マジ』です。数年前はここまでじゃなかったんだけど……写真貰って驚き散らかしたのでここに供養します。

「なんか面白いところないの?」「なんもないってずっと言ってますよね?」
 ……このやり取りを地元では延々と繰り返してきたのですが、今日は「まあ近くに小さいけど水族館はあるよ」と寺泊水族館へ。
 小さい頃から水族館といえばここ。新潟には大きい水族館がいくつかあるのですが、ノスタルジーの面では他の追随を許しません。

 先ほどの市場通りから車で3分掛からないんじゃないかな。目の前です。

 もう大人なので「うまそ~」しか言えません。なけなしの情緒、守りたかったですね。もう蔑ろです、情緒なんて。

 アステカみてえなエビ。
 美味いんかな。

 懐かしのふれあいコーナー(ヒトデとか触れた)が閉鎖されていたので腹いせに『砲』をぶっぱなしました。
 何砲か書くと面倒な人たちが湧きそうなので文字では控えますが🐋を捕るやつです。

 空を仰ぎなんらかの儀式を執り行っているペンギン。

 休憩所の自販機でお茶を買っていたら小さい子に「あ!」と指をさされたので「あ!」と指をさし返しました。あ!って言いながらお金を入れてあ!ってボタンを押したら、ちびちゃい彼がおつりの取り出し口を指さして「あ!」と叫んだので私も「あ!」と返しながらおつりを回収して「あ!」とバイバイしました。宇宙の真理のひとつです。

 帰りは車のナビで快適に走行。信じられるナビは車のやつだけ。
 市街地に戻り、恒例行事と化した『旅の恥はかき捨てプリ』を撮影しました。

純然たる事実。


プリエリアにおける老齢なのでスタンプでお茶を濁します。

 前回のプリとは違う機種で、前々回以前と同じなのですが、気付きました。アプリ『プリクラON』に対応している機種のほうが顔面の加工がまだ生き物として原型を留めています。(比較したい方は【旅行記】と書いてある記事を覗いてみてください)
 ゲーセンに置いてある数としては少ない機種なのですが、私と同じような旧い人間はこちらのほうが(比較的)好きだと思います。顎があるから。

 この後はホテルへ戻りがてら駅前のParisパイさんでミルフィーユを購入。前回は完売で手に入らなかったのですが手に入れられたので部屋でゆっくり食べました。

 まるでシュークリームのようなフォルムをしたミルフィーユには、たっぷりのクリームが挟まっています。
 これがとても美味しかった。お値段もリーズナブルでたいへんお勧めです。

 デセールも食べたことですし、お馴染みの駅中のぽんしゅ館へ。

 もうだいぶ知名度が上がったのではないでしょうか。
 新潟駅と長岡駅にある、専用コインでおちょこ一杯の日本酒が試飲できる『出張サラリーマン殺し』の魔境です。
 SNSで投稿をシェアするとコインが追加で貰えるキャンペーンをやっているので昨今は映えたい人々もたくさんいます。この日はかなり混雑していました。
 今回は二人で10枚のコインを引き換え(500円で5枚貰えるよ!高い酒はコイン2枚~かかるよ!)ました。

梅酒を攻めているのはパートナー氏です。

 全部美味かったのですが、私の一押しは右下の『つなん 藍』ですね。フルーティーな日本酒が好きな人にはかなりお勧めです。

 この後に前回、前々回と通っているお気に入りの居酒屋へ予約を入れていたのですが、この日はなにがあったのか散々でした。ので割愛。
 激烈に落ち込んでいる彼を「そんな日もあるよ。たまたまだよ。この後いい店に出会えるっていう前兆だよ!」と励ましていると、出会えました。

 ナガオカバル Luigiさんです。
 パートナー氏が元々気になっていてブクマしていたらしいのですが、ここが本当に良かった。

 サングリアが100種類あるお店。
 モバイルオーダーが値段に反映されているのかリーズナブルなのですが、それなのに店員さんたちのホスピタリティが素晴らしく、思わず彼と「ここ最高なのでは?」と目配せをし合う。

 チーズピザ、うますぎ。とろっとろ。
(蜂蜜がいるいらない論争をしていたのですが、ご親切なことにも小皿で蜂蜜をくれました)

 ここは本当に良かったのでまた行くと思います。


 翌日は朝から山岡家。正気か?

彼が食べたがったのでえび塩ラーメン。
食が細くなってきているので注文を同行者に合わせることが多くなりました。

 奥に写っているのはウマ娘のワンダーアキュートのアクスタとラーメンを一緒に撮影しているオタクです。私も恐山氏のアクスタを持って来ればよかったな……。

 この日は特に予定が無かったのので長岡花火ミュージアム(道の駅)へ。

 道の駅然とした道の駅ではあるのですが、花火ミュージアムが併設されており、なにやらシアターがあるみたいでしたのでチケットを取りました。
 出来たばかりだからかずっと人でごった返しているののを見掛けていたのですが、今回は早めの時間帯に来たのが功を奏したのか駐車場にもシアターにも余裕がありました。

 シアターの開演時間まで二時間ほど余裕があったので辺りをぶらり。

 フードコートの照明も花火仕様。

 あまりにも時間が余っているので一旦道の駅を離れ近隣をぶらぶらします。

 これはチョコバナナを買ってもらって嬉しい私。

 これは駄菓子コーナーを物色するシベリアンハスキー。

 開演時間が近付いてきたので道の駅へ戻りシアターへ。
 シアターはプラネタリウムのように球形の天井を見上げるような造り。『フェニックス』『天地人』『ナイアガラ』など、有名な花火の演目が30分間鑑賞できます。多分途中で寝てた。

 帰りがけに物産館も覗いたのですが、棚を物色している彼を見上げたマダムたちが唇だけで「あれま」と言うのを目撃。くるぞ……とひとり身構えていると「あなた大きいわねえ!!!」と囲まれる彼。ウケる。「190くらいあるんじゃないの!?」「たくさん食べた結果ねえ!」「190ないの!? 嘘よお!息子が190あるけど息子よりも大きいもの!」
 人ってデカいだけで話題になるんですね。

 リフレッシュしたので車を走らせ、「どこ行こうか~」と助手席に声を掛けると『南西へ向かいます』とあいぽんのナビの声。
 は????

 なぜか設定される知らん場所。「いいからいいから」と車を止めることを許してくれないパートナー氏。
 マジで他に道ないの? と疑いたくなるような、獣径に毛が生えた程度の山道。すれ違えない(崖下へ真っ逆さま)ので対向車が来ないことを祈るしかない峠。なんか倒木。なんか牛。
 命の危機を感じながら「心を癒すような歌を歌って!!!」と叫ぶとなぜか金沢で観たアレクッス・ダ・コルテ展『新鮮な地獄』のムービー作品で流れていた曲を流し始める助手席のユダ。
 メリバ? メリバとか好き? メリバも結局バッドエンドだけど?
「覚えてろよ!!!」と握るハンドルは汗でぬるぬるなのに冷たかったです。

 はい。

 はい。

 はい。

 ヒリヒリに焼け焦げた心に大自然の漲るパワーを誇示されなんかもうへにょへにょになる私。
 近場の公園で遊具のジップラインで遊び(相方はデカ過ぎて滑空できなかった)、シーソーで遊び(相方がデカすぎて私だけがぶっ飛ばされ続けた)、なんか……紐で出来た山を登るやつなどで遊ぶなどしました。童心を取り戻さなければあの山道を帰れないから。

 命のキワを攻めた山道をゆっくりと戻り、国道へ戻ると大安心(だいあんしん)。
 またしてもパートナー氏がナビ設定した道を辿り、またしても一通の道をぶつけられまくり半ギレになりながら安パイを取り、途中から雨の中徒歩で目当ての寿司屋前まで来ると休業。なんで検索した時点で確認しなかった?
 気持ちを切り替え営業時間中と表記のあった店に移動すると、まさかの中休み。(すぐ下に出てきた別店舗は中休み中と出ていたけどここはなかった)
 田舎ってこういうことあるよね!!!!とすべてのヘイトをギュッギュとおにぎりにして投げ出しながら向かったのは初日の食事会に行ったお店の別店舗。
 新潟県民にはお馴染みの食い処 里味へ。

タレカツとへぎそば。

 彼はここをいたく気に入っており、なんかもうここなら大団円で終わるという安心感があります。
 ニコニコしている彼を見ながらゆっくりと食事をし(胃ははちきれた)、名残惜しくも駅へ。

 ジャビジャビに泣きながら彼を見送り、車に戻っめ30分無料の駐車場のチケットを確認すると1分過ぎており、泣きながら「くそが!」と駅中で買い物をして駐車券を提示すると「ここの駐車場は割引対象外です」と言われ、散々な心地で車に走って戻り、二度目の「くそが!!!」を叫びましたが、『これは別れの涙代なのだ』と納得して帰路に着きました。

 人生の悲しみと幸福は等量であるならば、もっと幸福がなければ私の場合均衡が保てないと思います。そのくらいあいぽんのナビはダメです。はい。少なくとも私と相性が悪い。
 次回はきちんと車でナビ設定をして快適な車の旅を楽しみたいですね!

 地元の花火を楽しみにしていたらしいパートナー氏ですが、平日でこちらに来られないらしいので、YouTubeで一緒にライブ配信で楽しみたいと思います。いい時代〜。皆さんも観てみてくれよな!




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