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シジュウカラとヨウムの本と、メダカ

こんにちは、メダカ飼育担当のメダたんです。
メダカ飼育について検索すると、屋外飼育ではメダカの天敵に気をつけよ、と出てきます。我が家の周辺では野鳥をよく見かけるので、1番気をつける必要があるのはやはり鳥でしょう。ハクセキレイはウチの庭で、大音量で歌いながら我が物顔で闊歩したり、ヒナを連れて飛ぶ練習をしています。お隣の家のアンテナはキジバトに大人気の歌スポット。そしてなんとスズメは、メダカ水槽で水を飲んだり水浴びをしていました😱

メダカにとっては何とも恐ろしい鳥たちですが、鳴き声にはパターンがあるようです。ただ鳴いたり歌っているのではなく何かを発信しているようで、それによって鳥たちはコミュニケーションをとっているみたい。リビングで鳥の鳴き声が聞こえると「小魚発見!」とか言ってたらどうしょうと心配になるけど、もし鳥の鳴き声を理解できたら、すぐに追い払った方がよいのか放っておいてよいのかわかるので助かる、そんなこと考えている人いないかな、と思ってネット検索したら、すでに研究者いました😅 鈴木俊貴さん、主にシジュウカラの鳴き声を研究していて、当時、京都大学白眉センター特定助教(サバクトビバッタの前野ウルド浩太郎さんと同じ)。学会や論文で発表しているだけでなく、すでにメディアにも出ていた。みんな知ってたのー⁈ そんな鈴木俊貴さんが関係する本を2冊読みました。

1冊目は「動物たちは何をしゃべっているのか?」。ゴリラ研究者の山極寿一さんとの対談形式の本です。シジュウカラ語の単語や文法について、まず現象に気付き、仮説を立て、実験系を考え、データを取って証明する、というエピソードの他に、霊長類や他の鳥類、それ以外の動物のコミュニケーションのエピソードもたくさん出てきます。対談形式なのでサクッと読めますが、野生動物がいる現場で研究するタイプの2名の対談だからか、意外な気付きがいくつもありました。霊長類と鳥類は似ていて視覚と聴覚に頼って生活しているけど、コミュニケーションでは、霊長類は視覚優位で、鳥類は聴覚優位だそう。確かに、ヒトは言語を使うけど、まさに今その場についてのやり取りだと、例えば口に食べ物入っている時とか相手が外国人とか、言葉が使えない時でもボディランゲージで簡単な意思疎通はできてしまいます。鳥は飛びながらコミュニケーション取れるように聴覚優位だそう。
魚類であるメダカはどうなんだろう??? 視覚が重要な情報源なのと、ヒトのように空気を介した聴覚は使っていないだろうけど、それ以外はナゾ。でも、メダカ間で何らかのコミュニケーションは取っているように見えるんですよね。水槽の掃除をするとご機嫌ナナメになり、エサをあげても私が近くにいると誰も食べに来ない集団ハンストモードになることがあります。しばらくすると1匹来て2,3匹続いて、その後一気に大勢で食べに来てスト終了となるのですが、そのとき水槽の中でどんなやり取りがされて私は許されたのか。ナゾです。

ゴリラとシジュウカラのイラストの入った表紙。本の中でも可愛いシジュウカラのイラスト付の説明が出てきます。

トップの写真は、近所で初めて見た(多分)シジュウカラ。去年12月の撮影です。今月も見かけましたが、毎回メジロが近くにいます。狙っている食べ物が同じなのかな。

トップの写真の直後に撮った、もう1枚のシジュウカラ写真。お尻を撮ってしまった。失礼しました😓

2冊目はアイリーン・M・ペパーバーグの「アレックスと私」。世界的に有名なヨウムの話です。鈴木俊貴さんが巻末の解説を書いています(下のnote記事で読めます↓)。この記事を読んで、この本を購入しました。

人間の言葉を理解し、人間と対話するヨウムのアレックスと、その研究者である著者についての話です。ヨウムの言語能力や認知能力の研究とその成果の話だと思って読み始め、確かにそれは本の一部でしたが、一部でしかありませんでした。
アレックスは人間の言葉を覚える訓練をしたり、統計学的に意味のあるデータを取るためにテストを繰り返したり、研究室で著者や学生たちと日常生活を一緒にするのですが、思わず笑ってしまうエピソードが何回も出てきます。教えられてもいないのにアレックスがI'm sorryと効果的なタイミングで申し訳ない雰囲気を醸しながら言うようになったり、新しい単語の訓練中にアレックスが造語を作ったらしく人間の単語を拒否してその造語に固執したり、テストが退屈すぎるとアレックスがわざと答えを間違えたりイタズラしたり。
1番笑ってしまったのは「n・u・t」のエピソードで、下のnote記事の最後でも少し触れられています。スポンサーに披露する場で、自分の希望が受け入れられなかったためアレックスは感じ悪く「n・u・t」と言うのですが、それは著者の期待をはるかに超える言動でした。著者にとっては大事な場面で、協力的ではない上に腹が立つような態度で、だけどそれをしているのは可愛い小さな鳥で、しかもすごい能力を発揮していて。面白くて声を出して笑ってしまったのですが、エピソード自体の面白さだけでなく、本全体から著者のアレックスへの愛情が滲み出ていて、それで微笑ましくて、ついつい笑ってしまうのかもしれません。

アレックスがとても賢いことを著者はデータで証明しているし、論文化した内容以上に賢いことを著者たちが実感したエピソードがこの本の随所に出てきますが、読みながら私が何度も思い出したのは、最初にペットショップでアレックスを購入する時に、ランダムに選ぶために個体の選択を店員にお任せしたこと。おそらくアレックスは特別ではないのだろうと思いながら読み進めていました。巻末の「よくある質問(おそらく著者の回答)」でも、鈴木俊貴さんの解説でも、アレックスが特別に賢いのか?について触れていますが、著者はアレックスは待遇が特別だったと、鈴木さんはもっとサンプル数が必要だと答えています。何の証拠もないけど、同じくらいの能力を秘めた鳥はきっといるだろうし、もしかしたら近所にいてウチの庭に来るかも。

日本語で読むと実際にアレックスが何と言っていたのかわからないので、YouTubeで動画を探してみました。この動画↓では、アレックスだけでなく、アレックスの後輩ヨウムのグリフィンも出てきます。グリフィンが幼鳥だった時の様子も出てきて、かわいい。

アレックスの可愛いイラストの表紙。緑色の鍵をくわえていますが、これは訓練中の様子かな。

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