研究者の敬称

この論文を読んでいた。ここで思い出したのが、日本で大学院に通っていた時のことだ。ある教員が、米国の教授を、「Dr. Smith」(仮名)と呼んだ。

Clegg A, Young J, Iliffe S, Rikkert MO, Rockwood K. Frailty in elderly people, Lancet , 2013, vol. 381 (pg. 752-62)

さて、この論文のウェブサイトを見ると、著者はこのように列挙されている。

Dr Andrew Clegg, MD, Prof John Young, MBBS, Prof Steve Iliffe, MBBS, Prof Marcel Olde Rikkert, PhD, Prof Kenneth Rockwood, MD

実は、学術界において英語の敬称は、以下のようになる。

・教授は Prof。Professor というのは肩書であるだけでなく、敬称でもあり、Dr より上と考える人が多い。つまり、教授であり博士号を持っているSmith氏に対しては、Prof. Smith と呼ぶ方が無難である。もちろん、教授によっては気にしない、あるいは Dr. の方が好ましいと思っている人もいる。なお、上述の Smith 氏は、「Dr. Smith」と紹介されたときに、ぼそっと「I'm a professor, though.」とつぶやいていた。

・Dr。これは、博士号と医師が使う敬称である。上の論文の例では、Dr. Andrew Clegg, MD とあり、MD は医師であることを示しているので、医師として Dr という敬称を用いていることが分かる。

・Sir。イギリスでは、女王より Sir の称号を賜ることがある。この場合は、教授であれば、 Professor Sir Peter Hall というように、Prof の後に Sir を付けることになる。

また、学術界以外では、大使などと会うことがあるが、この場合の敬称についてはまた後程書いてみたい。 

参考


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