サブグループ解析

医学研究では、特定の集団に対して観察や介入を行う。しかし、時にその集団のさらに細かいサブグループで全体と異なる傾向を示すことがある。これを明らかにすることがサブグループ解析である。

サブグループは、さまざまな目的で用いられているが、サブグループ解析についてのまとまった文献はほとんどない。サブグループ解析については、以下のように定義される。

治療の違いが特定の患者の特性に依存するという証拠があるかどうかを調査すること

Pocock, S. J., Assmann, S. E., Enos, L. E., & Kasten, L. E. (2002). Subgroup analysis, covariate adjustment and baseline comparisons in clinical trial reporting: current practiceand problems. Statistics in medicine, 21(19), 2917-2930.

まず、統計学的に言うと、サブグループ解析を行うことで有意水準が変わってくる。α = 0.05の統計を2回行うと、0.975となる。10回行うと0.4を超える。サブグループ解析を行いすぎると、たとえ有意差が出たとしてもその時の p 値は、計算されたのもより大きいのである。Lancet では以下のように提案している(強調は追加)。

臨床試験では、ベースラインデータ、特に共変量調整分析およびサブグループ分析を使用するにあたっては、事前に定義された統計分析計画が必要である。 調査担当者とジャーナルは、統計レポートの改善された基準を採用し、サブグループの調査結果から結論を引き出す際に注意を払う必要がある。

Rothwell, P. M. (2005). Subgroup analysis in randomised controlled trials: importance, indications, and interpretation. The Lancet, 365(9454), 176-186.

感度分析

サブグループ解析を用いる目的の一つに感度分析がある。この感度分析は、サブグループ解析以上に理解が難しい。その原因の一つは、感度分析は医学研究以外で使われることが多いからだ。

Saltelli, A., Tarantola, S., Campolongo, F., & Ratto, M. (2004). Sensitivity analysis in practice: a guide to assessing scientific models. Chichester, England.

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