見出し画像

4月30日(火)メディア日記

 前明石市長で弁護士の泉房穂が「メディアの『政治部』批判」をテレビで繰り広げた。きっかけは、28日夜のフジテレビ報道番組「Mrサンデー」。番組では同局の政治部デスクが(今回自民が負けたことは)、「国民から自民党に『おきゅうをすえる』結果で、自民票が戻る可能性に言及した」と解説した。泉房穂はすかさず「おきゅうではすまないですよ」と真っ向否定し、「一時的な不信感ではない」と主張した。泉はこの政治部デスクの発言に不満をもったのか、翌29日、自らの「X」に「政治家以上にタチが悪いのが、全国紙やテレビのキー局の『政治部の記者』。『政局』ばかりを取材して、『政策』の勉強もほとんどしていない。『政治部』じゃなくて『政局部』に成り下がっている。政治部が日本を悪くしている」と過激に言い放った。
 この続きは30日のテレビ朝日の「モーニングショー」で再燃した。オンラインで出演した泉房穂は再び政治部批判を展開。司会の羽鳥慎一が「ポスト岸田」を話題にすると、スタジオ出演した同局の官邸キャップの千々岩森生が「今、噂になっているのは『小石河陽子さん』、小泉進次郎、石破茂、河野太郎、上川陽子の4人が中心になる」と解説した。これを聞いた泉は「テレビ局がすぐにそうやって好きに言うから(おかしいですよ)。ポイントはポスト岸田じゃなくて、ポスト古い政治、ポスト金まみれの裏金政治、ポスト国民負担増からの転換だと思うんですよ。そこが国民世論とテレビ局の報道がズレてると思いますね。この時点で『小石河陽子』なんて言っているからみんなが勘違いするんですよ」と早口でまくしたてた。
 ここでコメンテーター玉川徹の一言が泉に再び火をつけた。「泉さん、なんか政治部批判の話、伝わってきていますよ。政治部が悪いんだ…って」。泉はすかさず「やっぱり新聞とかテレビ局の政治部が権力者に取材して、権力者の言い分を代弁するような報道ばかりしている。国民の声をもっと報じてほしいと本当に思います」と持論を展開。「きょうは(番組に)呼んでいただいて感謝しますけど。国民は怒っていますよ、本当に」と言って納めた。
 安倍政権時代に政治部と権力の癒着をたびたび指摘してきた今は亡き卓越したジャーナリスト感覚を持っていた原寿雄を思い出した。原寿雄は、集団的自衛権の行使容認が国会で議論されず、閣議だけで決定されたとき、「政治部の動きはあまりに緩慢だ」と嘆いていた。安倍時代はメディアの幹部がそろって安倍首相と食事をし、安倍に気に入られた政治部記者だけが重用されていた。財務省の公文書が改ざんされ、責任をとって近畿財務局の赤木俊夫が2018年自殺したが、その後の政治部の追及は総じて甘く、公文書の改ざん追及は時間とともに薄れている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?