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5月9日(金)メディア日記

 自民党の裏金問題でスクープを出している広島の中国新聞は、9日朝刊1面トップにまた独自ネタを報じた。以下記事の要旨。
「2013年7月の参院選で、当時自民党総裁で首相だった安倍晋三が、東日本の選挙区で争う同党公認候補の応援に入った際に現金100万円を渡していた疑いがあることが8日、中国新聞の取材で分かった。候補者が関係する主な政治団体などの収支報告書にはいずれも100万円の記載はなかった。
 自民党の元幹部によると、政権の幹部が候補者の応援に入る場合,『表に出ないカネ』などを使い、激励のための陣中見舞いを渡す慣行がある。複数の元政権幹部は、使途が公表されない内閣官房報償費(機密費)が使われた可能性があるとの見方を示した。5年の時効が成立しているとみられるが、政治資金規正法違反(不記載)などに当たる可能性もある。
 この候補者は匿名を条件に中国新聞の取材に答えた。参院選中に安倍が応援演説に入った当日、個室で面会する場面があり、安倍からA4判の茶封筒を受け取った。茶封筒の中には白い封筒が入っており、その中に100万円が入っていたという。 候補者は100万円の趣旨について「陣中見舞いのような感じで差し出された。厳しい選挙戦の足しにしてほしいという意味と思った」と説明。『表にしないカネ』と受け止め、選挙運動費用や政治団体の収支報告書には記載しなかったという。実際には切手代や電話代など選挙費用の支払いに充てたとしている。 一方、安倍が関係した政治団体のうち、今も存続しているとみられる「晋和会」(東京都)に文書で取材を申し込んだが、8日夕までに回答はなかった。 機密費は、内閣が施策を円滑かつ効果的に進めるための経費で、年約12億円が官房長官の判断で使用できる。領収書なしでも支払うことができ、使途は公表されない。98~99年の小渕内閣で官房長官を務めた野中広務氏(18年死去)は10年に共同通信の取材に応じ『機密費は月7千万~5千万円くらいを使い、そのうち1千万円を首相に渡していた』と明らかにした。選挙への流用が取り沙汰されたこともある。  13年7月の参院選は、12年12月の衆院選で民主党から政権を奪還した自民党が初めて迎える国政選挙だった。参院で野党が多数を占める『ねじれ国会』が解消されるかが最大の焦点で、自民党は圧勝し、ねじれを解消した。安倍氏は期間中、候補者の応援のため、35都道府県を遊説に回った」。

 水俣病患者らと伊藤信太郎環境相の懇談の場で、環境省の職員がマイクの音を故意に遮断したことを巡り、伊藤環境相は8日、熊本水俣市を訪れ、直接謝罪した。メディアは9日にかけて大きく報じた。しかし、この懇談の場は5月1日だった。取材していた一部のテレビはこの映像を2日に放送、ネットでもマイクの音が切られた瞬間が拡散された。ほぼ全社が取材していたが、翌日2日の各紙朝刊は、「水俣病68年の慰霊式」がほとんどで、その後の懇談会で患者のマイクが切られた模様を報じた新聞は4日朝日新聞東京版2社面2段だった。ワイドショーなどでさらに騒ぎが大きくなって伊藤環境相の8日の謝罪となった。

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