1月11日(木)メディア日記

 横浜市の化学機械メーカーの社長ら3人が不正輸出の疑いで逮捕され、その後無実が明らかになった「えん罪事件」をめぐり、国と東京都は「検察と警視庁の捜査は違法だった」として賠償を命じた東京地方裁判所の判決を不服として10日、控訴した。捜査を担当した警視庁公安部の現役警部補が「これは捏造です」と裁判で証言したようにこの事件はまったく冤罪だった。しかし、検察も警察も謝罪もせず、「上級審の判断を仰ぐことにした」としか言わない。このまま冤罪を認めてはメンツに関わるということなのか。反省も謝罪も一切ない、あきれた「控訴」だ。

 毎日新聞は11日朝刊に、「清和政策研究会(安倍派)の複数の事務総長経験者が東京地検特捜部の任意の事情聴取に、パーティー券収入のノルマ超過分のキックバックの処理について、派閥の事務局長から会長に直接報告される『会長案件だった』と供述していることが関係者への取材で判明した」と報じた。事務総長は詳細を知る立場ではなかったとしているが、会長の安倍晋三、細田はいずれも故人、事情聴取された事務総長経験者の誰が言ったのかもわからないかが、死人に口なしではないか。

 自民党は派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受けて「政治刷新本部の」の初会合を11日午前開いた。メンバーは38人、なぜか安倍派が10人と最多数。田崎史郎によると人選は幹事長代理の木原誠二が担当したらしい。もっとも刷新に力をいれていたと言われる石破茂は外された。13日の朝日新聞朝刊は1面トップに「刷新本部 安倍派9人裏金か」と報じた。
TBSニュースによると、初会合の後、菅義偉前首相は、「非常にわかりやすいのが、派閥の解消。スタートラインとして、そうしたことを進めていく必要がある、そういう趣旨の話はした」と述べた。派閥必要論の麻生太郎元首相は目下、訪米中。麻生元首相と菅前首相が最高顧問に就いている。岸田は「政敵」の菅義偉を取り込むために最高顧問に就けたようだが、のっけから菅が「派閥不要論」をぶち上げたが、挙党体制を目指すこの人事は思わぬ誤算を生じさせている。

 毎日新聞によると、「陸上自衛隊で航空事故の調査に携わる『航空事故調査委員会』の陸上自衛隊の小林弘樹陸上幕僚副長ら幹部十数人が今月9日に東京・九段北の靖国神社を参拝したことを、毎日新聞記者が確認した」(電子版に小林の背広姿の写真あり)。その後、防衛省は11日、事実関係を認めて、参拝にあたって実施計画が作成されていたことなどを公表。宗教施設に部隊で参拝することや、隊員に参加強要することを慎むよう求めた事務次官通達に違反する可能性があるとして、調査を始めたことを明らかにした。
 靖国神社は戦前、軍国主義の精神的支柱となった国家神道の中心的施設だ。自衛隊幹部がぞろぞろ参拝に出向くことに批判されることは当然。

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