1月20日(土)メディア日記

 東京地検の新河隆志次席検事は19日午後3時半、東京霞が関の東京地検で1時間15分にわたって記者会見を開いた。記者からは安倍派幹部議員の立件を見送った判断に質問が集中した。新河次席は「政治資金規正法の虚偽記載は、還流の有無ではなく、資金の流れを正しく政治資金収支報告書に記載しているかどうかだ」と強調。派閥の収支報告書作成は、もっぱら事務局が担っていたとし、幹部議員は記載内容を知る立場になかったとした。
 毎日新聞は20日朝刊で「検察審査会、対象外か」と報じた。他紙は報じていないが、記事の中にこの出所ともとれる「ある検察幹部」という情報源の記述がある。この記事を読んだ友人は、「不起訴処分でなく立件見送りの判断に関わったかなり高位の検察官ではないか」と推察した。

 政治ジャーナリストの田崎史郎が20日、「情報7daysニュースキャスター」(TBS)に出演し、自民党3派閥解散の内幕を明かした。田崎の取材によると、岸田首相が18日午後7時過ぎに岸田派の解散検討を表明した直後に麻生太郎が岸田に電話。 『なんだ、これは。自分たちのことは自分たちで考えるよ』と啖呵を切ったのに対して岸田は『そりゃそうですよね。私たちは私たちで考えましたから』のような〝ケンカ別れ〟のような感じになった」と明かした。こんなことをテレビで オープンにすることは岸田、麻生も先刻ご承知済だろう。岸田と麻生は今、腐れ縁を切るのは双方とも損に決まっている。テレビはその後、自民党会合で麻生太郎の不機嫌な顔を大写しして「麻生が激怒」など見出しを取っているが、二人のパフォーマンスにテレビはまんまと乗せられているのではないか。 
 
 岸田派に続いて、翌日19日は安倍派と二階派も解散を決めたが、麻生派、茂木派は存続を強調している。しかし、20日の「天声人語」は「永田町には派閥解消と禁煙くらい容易に実行できるものはないと笑い話がある」と皮肉った。結局、大方の見方は、派閥解散などは「偽装解散」じゃないかという声が一般的。本質は派閥の悪弊となっている「人事とカネ」問題だ。今は派閥を解散してもいずれ息を吹き返すのは目に見えている。

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