1月18日(木)メディア日記

 東京地検が岸田派の元会計責任者を立件することが、NHKの18日朝ニュースと同日の朝日新聞朝刊が1面トップにスクープ扱いで報じた。岸田派は2020年までの3年間で、派閥が実際に集めたおよそ3000万円のパーティー収入を派閥の政治資金収支報告書に記載していなかったとして、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で立件する方向
 岸田首相は18日午前、報道を受け「事務処理上の疎漏(そろう)と思う」と耳慣れない言葉を使って濁したが、朝日のスクープに衝撃を受けたことは想像に難くない。この時、すでに岸田派の解散を検討していたようだ。
 午後6時半過ぎ、時事通信は突然、「岸田派は解散する方向」と速報を流した。そしてNHKの「ニュース7」は放送中、「岸田首相が官邸内のぶら下がり会見で、突然、『岸田派を解散する』と表明した」と速報した。同夜のテレビニュースは、「岸田派の解散は他派閥に相談なく自派の幹部数人だけに相談したらしい」と報じた。

 共産党は18日午後、熱海市で開催した党大会で、志位和夫委員長が退任し、後任に田村智子政策委員長(58)が就く人事を決定した。委員長交代は23年ぶり、女性が就任するのは初めて。同日の朝日新聞朝刊は1面中央に「志位委員長、退任の意向 後任に田村氏か」と報じた。なぜ「志位委員長退任へ 後任に田村智子氏」と踏み込まなかったのか。党内では去年から後任委員長の名前に田村智子の名前は取りざたされていた。共同通信もすでに12月30日、「田村委員長」見通しを報じていた。
 かつて共産党が38議席を保った時代は、野党担当記者は「赤旗」の特ダネをいくつも記事にした。今の野党記者クラブは共産党に対しては歯牙にもかけないようだ。記事にするのは党の方針に抗議する党員の動きばかりじゃないか。昨年10月、「しんぶん赤旗」があれだけ裏金問題を書いても東京地検が動くまで何も報じなかった。今回の裏金騒動をみても、委員長人事をみても野党記者クラブは共産党からネタを取ろうとする努力はまったく見られなかった。野党担当記者はもっと「赤旗」を読んだ方がいい。裏金以外にも辺野古はじめ政府が秘匿しようとしている事実をいくつも記事にしている。

◉時事通信全国世論調査(12~15日実施)
 同調査は全国18歳以上の1987人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は59.9%
能登半島の被害を受けた石川県は調査対象から除外した。個別面接方式は時事通信だけ。

◎岸田内閣支持率    
支持する   18.6%(前月調査比1.5ポイント増)
支持しない  54.0%(前月調査比4.2ポイント減)

◎政治資金規正法    
必要だ    81.0%
必要ない    4.7%    
同調査で内閣支持率が増加に転じたのは4カ月ぶりだが、前月に続く1割台だった。不支持率が過半数となるのは3カ月連続。

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