6月23日(金)メディア日記

テレビは朝ニュースから一斉に沖縄の「慰霊の日」を取り上げた。NHKは昼ニュースに続いて、糸満市の沖縄全戦没追悼式を生中継した。玉城デニー沖縄県知事は「平和宣言」の中で、沖縄の防衛力増強を危惧したが、岸田首相は、防衛力増強や辺野古基地建設などには一切触れず、ありきたりの挨拶で、訴える言葉は何もなかった。

今から10年前の2013年6月23日はどんな記述だったのかと、当日の「デスク日記」を開いてみた。慰霊式典の詳報はなかったが、「沖縄慰霊の日」に合わせ、ジャーナリスト原寿雄の『復刊デスク日記』の集いが東京であった」とあった。以下再録する。

「集会には、奥平康弘、澤地久枝の他、現役のジャーナリストら今のメディアの現状を憂えている200人以上が集まった。さまざまな議論があったあと、原は『今の程度のジャーナリズムでは安倍右翼政権をまともに監視していけるかが非常に心配だ』と述べた。原は最近のメディアの負の具体的事例を数例挙げたあと、『今の政治部は権力から圧力をうけたときのアキレス腱になっている』と政治報道の政治部の意識改革を求めた。原寿雄が小和田次郎のペンネームで書いた全5巻の「デスク日記」が刊行されてから半世紀。出席者から「デスク日記」に流れているジャーナリズム精神は現在でも脈々と生き続けている」という希望の声が出されたが、現状のジャーナリズムには救いがたいという声が多かった。内容は非常に盛り上がりのある会だった」

長野県中野市で警察官を含む男女4人が殺害された事件で、容疑者が立てこもった現場の住宅の敷地内に、取材中に無断で立ち入ったとして、長野県警中野署は23日、朝日新聞東京本社映像報道部の男性写真記者(52)を住居侵入の疑いで書類送検した。
これより前、信濃毎日新聞は18日紙面に「朝日のカメラマンが容疑者の敷地内に10分ほど無断侵入した疑いで任意で取り調べを受けている。県警は週内にもカメラマンを書類送検する方針」と報じていた。ここでは地元紙と県警の息はぴったり合っている。ただ他社の記者は、「長野県警は、やることに事欠いて朝日のカメラマンを住居侵入で書類送検するとは・・・アホじゃないの・・・こんなの『厳重注意』で終わらせることで十分」と非難が上がった。
朝日は24日朝刊の社会面で、2段の扱いで丁重にお詫び記事を載せた。


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