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医歯薬系の大学受験英語入門 キモのキモ (2) ----受験勉強はどんなパズルか


 皆さん、こんにちは。
 「実戦 医歯薬看護系大学受験英語の部屋」へようこそ。
 受験英語入門のnote 集中講座の第二回です。
 ここではふだんの授業ではあまりやらない、受験勉強の「基本」のキホン、より正確に言えば「キモ」となるべき考え方のようなものを取り上げます。
 これは最初のシリーズですから、とくに受験勉強に関する根本的な、大事な話をしようと思います。これがわかっているかどうかで大きな差が付くと、私は個人的には思っています。でも意外とみんなわかっていないんじゃないか。
 それは、受験勉強においては、というか受験勉強に限りませんが、何かを勉強するさいには、まず全体像をつかむことが大事だ、ということです。

 受験生の中には受験はクイズみたいなものだと考えている人がいます。しかし私は、受験勉強というのはジグソーパズルを解くようなものだと思っています。
 ジグソーパズルを解いたことはありますか。もちろん低学年向きの簡単なものじゃなくて、大人向きの難しいやつ。あのパズルのピースが入った箱には必ず完成したときの絵がありますよね。でも、あの絵がなくって、完成したらどんな絵になるか知らないでやろうとしたら、相当難しいんじゃないですか。ほとんど不可能かも知れません。
 受験勉強だって同じことで、あらかじめ全体像を知らないでやるのと、全体像を知った上でやるのとでは全然効率が違うんですよ。
 しかも入試問題というのは、とくに英語なら長文の総合問題とか、そういうちょっと難しめの問題というのは、受験生がいかに全体像を把握できているかを問うているのです。
 だから今、受験勉強というのはジグソーパズルを解くようなものだと言いましたが、こつこつ一つ一つのピースを埋めていくのが毎日の勉強ではあるけれども、実は入試問題というのは、例えて言えば「そのピースはどこに当てはまりますか」を問うているわけではありません。
 では何を問うているかというと、

「その絵のどこに何が描かれていますか」

ということを聞いているわけです。
 ですからパズルの絵が完成していないと当然わからない部分も出て来るわけですが、完璧に全てのピースをあてはめた上で試験に臨む受験生なんていませんよね。だから、ピースが完全に埋まっていないからわからないという部分があるわけですが、そんなときに「これは大きな山の絵だ」とか「海上の船だ」とか「動物だ」とか、そういうことが大体でもいいからあらかじめわかっていると、ものすごくやりやすいんですよね。

 ところが成績が伸び悩んでいる生徒さんというのは、そういう全体像みたいなものにあまり関心がいかない人が多い。ジグソーパズルでいうと、このピースがどこにはまるか、ということだけが大事だと思っているみたいなんです。あるいはそういうところに目が行く余裕がないのかも知れません。
 つまり試験勉強でいうと、個々の問題の解法をバラバラに覚えようとするだけで、問題どうしのつながりには興味がない、というか、問題と問題、項目と項目とがつながっているということ自体に気が付かないわけです。
 項目と項目とがつながっているということに気付いたならば、それは芋づる式で一つのことなのに、そういう人は、個々バラバラなことだと思っているので、結果的にたくさんのことを覚えなくてはならなくなって、心理的にも、労力の上でも、とっても負担が大きいんです。
 そういうところが、勉強のよく出来る人と、努力はするけれどもなかなか成績の伸びない人の違いだと思っています。

 教師の重要な役割の一つは、そういうつながりに気が付かない生徒さんに向かって、つながりに気付いてもらって、できるだけ早く全体像をつかむためのヒントを出すことなんですね。


 今回はここまで。具体的な英語問題の話まで行かなくてすみません。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

[参考文献]

 初めてめての大学受験英文法 ”超”入門講義 医歯薬系・空所選択問題を中心に: 志望校合格のために 予備校講師が本当に伝えたいこと』
https://www.amazon.co.jp/dp/B09YHHXG2P?&linkCode=ll1&tag=cstransbiz-22&linkId=cc55387ce88782912cf2e7240aebd17d&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl

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