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IMAT (イタリア医学部共通試験)は文系でも合格できる?!

 突然ですが、問題です。
 次の5ヵ国のうち、国連安全保障理事会の常任理事国でないのは、どの国でしょう。

 A アメリカ合衆国
 B フランス
 C 日本
 D 中国
 E 英国

 「いきなり何だ?」と思われるかも知れませんが、実は、これ、イタリアの国公立大学医学部共通試験 (International Medical Admission Test = IMAT) の過去問を日本語に訳したものです。原文はイタリア語ではなくて、英語です。
 ちなみに正解は「C 日本」です。
 簡単に解説すると、国連というのは第二次世界大戦の戦勝国中心の国際秩序を体現したものですから、敗戦国である日本が常任理事国であるはずがありません。ドイツ、イタリアなどが常任理事国でないのも同じ理由でしょう。これは日本人には比較的よく知られた事実ですし、とくに文系の受験生にとってはやさしい問題だと思われます。

 「こんな問題がどうして医学部入試に?」と思われるかも知れません。しかし、イタリアのIMATではこのような一般知識・社会常識を問う設問が一定の割合を占めているのです。その理由は、おそらく「人の命を預かるべき医師が単に理系知識に凝り固まっているだけでは不十分だ」という考えからでしょう。
 IMATは医学部の入学試験ですから、むろん半分以上は理系的な問題です。しかし、このような問題が重視されているところから判断すれば、文系出身の受験生にとっても十分にチャンスはあると見るべきです。

 でも、なかには「数学もあるんでしょ。数学は苦手だから・・・」と思って尻込みする人もいるでしょう。
 確かに、数学はあります。でも、心配はご無用。IMATの数学は文系受験生でも十分に解けるレベルのものです。例えばこんな感じです。

 「12-x2 > 8 と 2x + 3 > 5 を満たすxの値の範囲は次のうちどれか。」

 (数式の表示がうまく行かないかも知れないので念のためにいうと、ここで「x2」というのは、「エックスの二乗」のことです。つまり「2」は上付きの小文字となるべきものです。)

 くどくなるので選択肢と解答は省略しますが、これは理系どころか、中学生か、せいぜい高1程度の数学でしょう。文系の人は「数学なんて忘れた」と言うかも知れませんが、たとえ今は解法が思い付かなくても、ちょっと復習すれば思い出せる範囲だと思います。とにかく文系で習わないような理系数学をゼロから学び始める必要なんて全然ありません。まして理系の人なら、数学に苦手意識のある人でも難なく解けるのではないでしょうか。「IMATの数学は、恐れるに足りない」と言って間違いないと思います。

 とはいえIMATは医学部の試験ですから、さすがに生物と化学では難易度の高い問題が出ます。また当然ながら問題が英語で書かれていることも日本人受験生にとってのハードルではあるでしょう。しかし、結局それだけだとも言えます。日本の医学部受験と違って、面接も小論文もありません。しかも生物と化学の出題傾向はかなりはっきりしていますから、丁寧な指導を受けて適切な対策をとるなら、文系出身の受験生でも合格できる可能性は十分にあると思います。「数学や面接・小論文が苦手」という理系受験生にもチャンスがあることは言うまでもありません。
 興味を持たれた方は以下のサイトをご覧になって下さい。イタリア国公立大学医学部共通試験 (IMAT)の出願・受験の方法・大学一覧などの基本情報が公開されています。

https://euro-med.info/


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