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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#11

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • da Vinci 5がFDA承認

  • VR関連:Apple Vision Proで更に活性化?

  • スリープテック関連市場の見通し

です。



・医療AI

問診に生成AI活用、システム開発着手 医師の負担軽減に期待 (2024.03.12)

「開発するシステムでは、問診などの一部を生成AIで代替し、患者の話に耳を傾ける余裕を確保。」
「令和6年度中に乳がん、大腸がん、肺がんの診療を想定したシステムを構築し、7年度以降に同センターの外来患者らを対象に試験的に運用する考え」

「開発するシステムでは、問診などの一部を生成AIで代替し、患者の話に耳を傾ける余裕を確保。」

「令和6年度中に乳がん、大腸がん、肺がんの診療を想定したシステムを構築し、7年度以降に同センターの外来患者らを対象に試験的に運用する考え」

産経新聞

「医療危機」心配ない社会=AIロボット医師がやってくる…韓国銀行が報告書 (2024.03.14)

「人工知能(AI)が人間に取って代わることができる職業として医師の確率が高いという結果が、韓国銀行が昨年出した報告書「AIと労働市場変化」に盛り込まれた。」

KOREA WAVE

原典(報告書)読んでないですがこれは…?
労働負担を減らす・質を向上するのには貢献するけど完全に取って代わるまでにはまだまだ至らないのでは…?

OUI Inc.、細隙灯顕微鏡画像を用いた角膜混濁検出AIの開発に成功 (2024.03.14)

「Smart Eye Cameraで撮影した前眼部画像より「角膜混濁を検出」するAIアルゴリズムの開発に成功いたしました。本研究成果は、科学雑誌「Bioengineering」に2024年3月13日(日本時間)に公開されました。」

OUI Inc. プレスリリース

米・HIMSS 24 救急外来における臨床的判断の支援にAI導入 トリアージ精度や死亡率低下など改善傾向 (2024.03.15)

救急トリアージ支援AI。日本ではアルムのJoin Toriageなど。

「トリアージでは、AIの採用度が上位25%の看護師と下位25%の看護師とを相対的に比較した場合、上位25%の看護師では、重症度の高い症例における救急救命の判定が50%、緊急手術の判定は100%高く、一方で重症度の低い症例における入院の判定が60%低かったことが明らかになった。また、AIツールの導入後はEDの滞在時間にも改善が見られ、患者全体におけるED到着から退出までの時間は3.8%(11.8分)短縮し、重症患者のED到着からICUへの移動は8.7%(42.3分)短縮していた。」

ミクスOnline


・手術支援ロボット

「フクオカベンチャーマーケット大賞2024」大賞を、マイクロサージャリー支援ロボットを開発するF.MED株式会社が受賞。 (2024.03.11)

高い注目度・期待度を維持しているF.MED。
前臨床〜臨床試験くらいのフェーズからが勝負でしょうか。

Intuitive Announces FDA Clearance of Fifth-Generation Robotic System, da Vinci 5 (2024.03.14)

da Vinci 5がFDA承認されました。(承認自体は2月中)

なんとフォースセンシング・フィードバックを搭載しました。
組織にかかる力を最大43%低減することを前臨床試験で実証とのこと。

フォースフィードバックはそれほど要望が高くない技術でIntuitive surgicalも過去はあまり肯定的では無かったですが、SenhanceやSaoraといった後発が搭載していることから避けては通れなかった感じでしょうか。"First-of-its-kind force-sensing technology"とは言っていますが…

個人的には、操作性を上げるためのマスターへの触覚フィードバックよりも、組織にかかる力を計測しデータ化・可視化すること自体が重要で、様々な可能性を秘めていると思います。

The ability to measure this force adds an important new data stream to surgical data science, which can bring future analytical insights supported through artificial intelligence.

Intuitive surgical プレスリリース

の部分ですね。

計算能力向上はMy Intuitive app, SimNow (virtual reality simulator), Case Insights (computational observer), and Intuitive Hub (edge computing system)との連携などに関わっているようです。


・SaMD

潜在患者100万人のアルコール依存症、非専門医も減酒治療アプリで対応可能に (2024.03.11)

2月13日に治験完了を発表したCureAppの減酒治療アプリと治験結果についての解説です。

個人の医療情報を管理するPHRアプリ「MySOS」に血液検査情報を二次元コードで一元管理できる機能が追加 (2024.03.14)

PHRの活用事例として情報共有と受診勧奨。


・デジタルヘルス

〜デジタル×地域医療の進むべき道〜「ポストコロナを見据えたヘルスシステム・イノベーションに関する研究」提言 | 研究プログラム | 東京財団政策研究所 (2024.03.11)

本邦のヘルスケアDXに向けた提言の公開です。


・VR/XR

医療にVRという選択肢を 仮想世界によるデジタル治療が現実に (2024.03.12)

ジョリーグッドの紹介。医療VR(教育)と治療VR(DTx)。

手術シミュレーターで「失敗」を経験する重要性【23年注目点と24年展望◆デジタルヘルス編】臨床ニュース | m3 .com (2024.03.12)

「シミュレーターでは、失敗を実害なく経験でき、それを検証することもできます。困難な状況やトラブルを想定し、トラブルシューティングの練習を積み重ねられることは有用です。VRやARを用いた手術シミュレーションが普及し、技術と安全性が向上していくことを期待したいと思います。」

m3.com

また手術ナビゲーションへの応用にも言及されています。

バーチャルツイン・エクスペリエンスを活用して重症化リスクの高い患者の保護と医療従事者の教育を支援するためにダッソー・システムズとパリ公立病院連合 サン・ルイ病院が連携 (2024.03.12)

デジタルツイン技術で

「シミュレーションと拡張現実技術(AR)を利用し、透析室内でウイルス粒子が空気中に拡散していく様子を、様々な条件下で視覚化し予測」

ダッソー・システムズ プレスリリース

することにより、

「この驚くほど革新的な学習体験は、医療従事者の院内における飛沫による交差感染のリスクに対する意識を高め、我々の期待を超える成果をもたらしました」

ダッソー・システムズ プレスリリース

とのこと。

独シーメンス、Apple「Vision Pro」向けの人体3Dモデルアプリをリリース。医療教育や手術支援に - Mogura VR News (2024.03.13)

シーメンスもVison Proを用いた医療XRサービスを。

イギリスの公的医療機関がVRトレーニング導入、輸血時の「クロスマッチング」学ぶ - Mogura VR News (2024.03.15)

医師以外の医療従事者向けVRトレーニング市場も活性化するでしょうか?


・スリープテック

「スリープテック市場」2.9倍175億円、新規参入が活発化 | ニュースイッチ (2024.03.10)

個人的注目のスリープテックです。

「睡眠の改善を目指す装置やサービスなどのスリープテック市場が2026年は22年比2・9倍の175億円になると予測」

ニュースイッチ

スマートリングの時代がやってきた…サムスンが2024年後半に発売予定。アップルは開発中?|BUSINESS INSIDER (2024.03.11)

個人的には電池持ち最優先なので、スマートウォッチ買い替え時にリングも検討の範疇にあります。
OuraかSoxaiか。あまりゴツくないほうがいいですね。

居眠り運転の未然防止にAI活用へ、ドライバーの眠気を可視化する技術を検証 (2024.03.14)

健康管理に加え事故防止にもスリープテック技術が期待されています。

「ドライバーなどにResQ Bandを装着して得たバイタルデータなどをResQ AIで解析し、眠気を感じている場合には管理スタッフに警告し、事故を防止する。」

日経クロステック


・遠隔医療

「Teladoc HEALTH」を用いた、周産期・新生児医療での地域医療連携に関する共同研究を開始 (2024.03.15)

PHC傘下のウィーメックスと聖マリア病院(福岡)による共同研究です。

パナソニック系のこちらはともかく、テラドックヘルス(米国)の事業はうまくいってるんでしょうか。
遠隔医療といえばテラドックヘルス、ということで昔個人的に株買うか検討したことがあるのですが、今のところ手を出さず正解という状況です…


・サプライチェーン

ドローンによる医療機器配送実証実験 2日目は無事静岡市から沼津市に配送成功 静岡県(静岡朝日テレビ) (2024.03.08)

医療機器サプライチェーンのレジリエンスもますます重要になってくる分野でしょうか。

医療器材物流アウトソーシング市場、2022年度は1250億円で堅調に推移:医療機器ニュース - MONOist (2024.03.14)

医療機器サプライチェーン関連。
2013年度から10年で1.6倍の市場に。おそらくこの先もかなりの成長が見込まれる一方で、GDP対応、2024年問題対応の上での強いレジリエンスが求められる難しい分野に思えます。


・スタートアップ

自分の健康管理をもっと便利に簡単に! 前橋で見た進化する医療系スタートアップの最新テクノロジー (1/2) (2024.03.10)

口腔ケアアプリ、救急AI、がん患者生活支援アプリ、乳がん早期発見の4企業・製品を紹介。

OUI、スマホのアタッチメント型の眼科用医療機器で海外展開、診断用AI開発も (2024.03.11)

期待のOUI Incです。


・研究・大学

直径0.1mmの光ファイバーからなる極細径レンズレス内視鏡技術を開発:医療機器ニュース - MONOist (2024.03.11)

埼玉医大・阪大・宇都宮大学の共同研究成果です。
回転拡散板によるスペックルパターンと散乱光の関係を用いて画像再構成を行う手法とのこと。具体的な臨床活用シーンや新たな病理研究への応用が見えてくるのを心待ちに。

プレスリリースは
https://www.saitama-med.ac.jp/new/pressrelease_240215.pdf

初任給賃上げ続々、院卒は30万超え多数も「博士はスルー」されるワケ|BUSINESS INSIDER (2024.03.14)

先週の「理系女性人材>>博士人材」の記事に続いて、「博士卒の給与が安い問題」です。

「日本では、企業側の需要に偏りがあることや、業務内容とのマッチングの難しさなどが博士人材の採用を難しくする要因になっている側面がある。ただ博士人材の能力は、高度な専門性だけではない。研究を積み重ねる中で培ってきた仮説検証能力やプロジェクトマネジメント力など「周辺の専門性」が、イノベーション人材としての価値にもつながっているはずだ。博士人材の民間採用が広がっていくには、企業、大学、学生側ともにこの認識改革が必要になるだろう。」

Business Insider


・ビジネス・企業

オリンパス、韓国の医療機器買収契約を解除ーデータ不適合で (2024.03.08)

オリンパスレベルでもこのタイミングまで問題に気が付かないことがアルのでしょうか?M&A・子会社化完了後でなかったのは不幸中の幸いなのでしょうか。


・行政・規制

「肌の色が濃い人では正常に機能しない」という医療機器に英国で対応を求める声 | Forbes JAPAN 公式サイト(2024.03.12)

既にFDAでも指摘されているパルスオキシメータにおける人種的バイアスの危惧についてイギリスでも。


経済産業省 令和4年度 委託調査報告書 HP掲載一覧

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2022FY/itakuichiran2022FY.pdf

産業技術・マーケットなどの調査報告書が閲覧できます。
大手コンサルティングファーム等がどのような調査をしてどの様にまとめているかなど、参考になります。

こちらでは受託金額等の情報も。https://www.meti.go.jp/information_2/downloadfiles/itaku_bid_R5.xlsx



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