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食品ロスの闇を知ってしまった大学生の話

私の趣味の一つ。 それは、ビュッフェに行くことです。 好きなものを好きなだけ。 見ても美味しい。 食べても美味しい。 そんな非日常感に魅力を感じます。

しかし、最近、異なる視点から考えるようになりました。 きっかけは、ホテルのホールスタッフのアルバイトです。 私は朝食ビュッフェ会場に配属されました。 主な仕事内容は、接客や料理の補充、バッシング(食器類をテーブルから下げること)など。 そして、お客様が帰られた後に待ち受けているのが… 残った料理の廃棄処分です。 想像してみてください。 手つかずの料理が幾重にも重なり、ゴミ袋を満杯にしていく様子を。 まだ食べられるのに捨てられてしまうなんて、もったいない… これだけの食料を焼却することで、どれほど環境に負荷がかかるのだろうか… 食品ロスの現場を目の当たりにし、大変ショックを受けました。 農学部で学ぶ者としても、食料問題の一端を見逃すわけにはいかないと思い、情報を集めてみました。


消費者庁が公表した最新データによると、2021年度の食品ロス量は523万トン。¹⁾ このうち、外食産業における排出量は80万トンで、全体の約15%に相当します。 また、農林水産省による食品ロス統計調査報告(外食調査)によると、食堂やレストランでは約4%が食べ残されているのに対し、宴会場では約14%、すなわち3.5倍もの食べ残しが発生しているそうです。²⁾

2021年の統計値。事業・家庭ともにかなりの量がロスとなっている。

提供する側・食べる側双方が意識的に行動しなければ、ビュッフェは食品ロスの温床になってしまいます。 では、どのような取り組みが効果的なのでしょうか。

具体例を二つご紹介します。 一つ目は、フードシェアリングアプリ「TABETE」です。 味や品質に問題がないのに廃棄されそうになっている食べ物を、ユーザーとマッチングします。 利用方法はとてもシンプルです。
 ①店舗が商品を出品する
 ②ユーザーがアプリ上で購入したい商品を選択し、購入手続きと受け取り時間の設定、決済を行う 
③ユーザーが来店し、本人確認後に商品を受け取る 

足立区HPより。

このアプリのユニークな特徴は、ユーザーを「ヒーロー」、商品購入を「レスキュー」と表現している点です。 「自分が食品ロス削減に貢献しているのだ」とユーザーに実感してもらえるよう、世界観を作り込んでいるのだそうです。³⁾

 二つ目は、ドギーバッグ(外食先で食べきれなかった料理を持ち帰るための容器や袋)の活用です。

日本国内の導入店舗数は、アメリカや中国、台湾と比べると少ない傾向にあります。 この現状の背景を、ドギーバッグ普及委員会の小林富雄委員長は次のように説明しています。 『店舗にすれば、客が持ち帰る間に食材が傷んで食中毒などの症状が起きれば、損害賠償を請求される可能性がある。一方で客が料理を食べ残しても、持ち帰っても得られる金額は変わらない。つまりリスクを負ってドギーバッグを導入しても、経済的なメリットはあまりない。(中略)要は訴えられることによるイメージダウン、応訴する労力等のリスクが問題なのである。』⁴⁾ 

食べ物は限りある資源であり、限りある資源、命の糧そのものです。 人間の身勝手な理由で粗末にすることは許されません。 社会全体で、持続可能な未来を目指し、できることから少しずつ始めるべきだと考えます。 まずは、「TABETE」をダウンロードしてみるだとか、ドギーバックを探してみるなど、すぐできることを広げていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。


参考文献:
1) 消費者庁消費者教育推進課 食品ロス削減推進室 食品ロス削減関係参考資料(令和5年6月9日版)
2) 農林水産省 平成27年度 食品ロス統計調査報告(外食調査)
3) ITmediaビジネスオンライン 高級ホテルブッフェの残り、弁当で提供 2カ月で100キロの食品ロスを削減できたアプリ「TABETE」とは?
4) 飲食店ドットコム じつは奥が深いドギーバッグ問題。食品ロス対策へ、普及に問われる「社会の成熟性」 

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