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何の変哲もない医学生がMedmainインターンで得たもの

はじめに

本記事を開いていただき、誠にありがとうございます。医学部5年の吉積智也と申します。
Medteriaを運営するMedmain株式会社で2年間、長期学生インターンとして活動しました。

今回は、企業での長期インターンを考えている大学生(特に医学生)に、私の2年間の経験を少しご共有できればと思い書きました。
よりリアルにお伝えするためにボリューミーな文章になりましたが、「早く社会に出たい」「何か力をつけたい」という前のめりな学生の皆さんの一助になれば幸いです。

※本記事は就職活動の一環としての長期インターンではなく、アルバイトに近い意味でのそれになりますので、予めご了承ください。

筆者の自己紹介

地元の中高一貫校から、1年間の浪人を経て隣県の国公立の医学部に進学しました。
得意科目は英語で、上位の大学にはいま一歩届かない成績でしたが、浪人の甲斐あって入学することができました。

その後の大学生活では、とにかく部活ばかりしていました。
運動部と文化部を兼部しており、自主練を含めて週6で部活をして、残り1日でバイトをするような日々が続いていました。部活は自分がしたことのない競技を選んで苦労しましたが、受験で肥大化したプライドを叩き直せた良い場所でした。また、競技の上達以上に、学内の先輩/同級生/後輩と信頼関係を育む時間を過ごせたことはとても嬉しかったです。
また一時期は、他の文化部や学生団体の活動など、暇することなく過ごしていました。

ここまで書いてみると、(少し部活の比重は大きいですが)一見何の変哲も無い大学生活のように思えます。充実してて悪くないけど、どこか面白みに欠ける。
自分もそんな日々が6年生まで続くのだろうと思いつつ、何か変化があって欲しいとも思っていました(もちろん当時は、この相反する感情を言語化できているはずがありませんでした)。

インターンに応募したきっかけ

自分が2年生だった2020年の1月頃から、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界中で起こりました。
大好きだった部活が軒並み中止になり、これから部活で幹部学年として頑張ろうと思っていた自分の意気込みは見事にへし折られてしまいました。

落ち込みながらの「Stay Home」の最中にTwitterで、あることを知りました。
どうやら世の中でモノやサービスを作っているのは大企業だけではなく、「ベンチャー企業」「スタートアップ」という業態の人たちがいて、医療分野もけっこうアツいらしいぞ、と。

実は自分はもともと、経済に関するニュースが好きでした。
自分の生活に関わるモノの価格やサービスが、どのように作られたり決められたりしているのか。誰しも多少は興味があるとは思いますが、自分は経営者のインタビューなどを読んで「こんなことを考えている人がリーダーの会社のサービスは…」などとよく考えていました。

そんな中で、弊社Medmainの飯塚社長のTwitterアカウントを見つけました。ツイート内容は会社のリリースが主でしたが、医学部に在学中の社長という肩書きを見て「珍しい人だな」と思い、フォローしていました。
飯塚社長のTwitter:https://twitter.com/osamu_iizuka

少し時間が経ち、自分がインターンに応募したのは2020年の10月、東京オリンピックの延期が決まり、新型コロナの感染者数は減って日常生活の落ち着きを取り戻しつつある時でした。
インターン募集のツイートを見たのは2020年の10月3日土曜日で(今でも覚えています)、その時自分は某携帯ショップで日雇いのバイトをしている時でした。飯塚社長がリツイートしたMedmainの「医学生インターン募集」の告知を見て、具体的な内容を読まずとも「これだ!!」「何か掴めるかもしれない!」という直感がありました。
その日一緒にバイトをしていた女の子からのごはんのお誘いを断り、帰宅してから一心不乱にエントリーフォームの内容を考えたのを覚えています。あの時〇〇ちゃんのごはんを断っていなかったら、今の自分は全く違っていたかもしれません。これを読んでいる皆さんも直感的に「これだ!」と思うものがあったら、自分の直感を信じてあげてほしいです。

その後、当時ちょうど他大学の友人が就職活動中であったため、エントリーフォームの文章の添削をしてもらい、Zoomでの面接練習もしました(ちなみにその友人は、第一志望だった高倍率の某自治体に採用されました)。
面接ではその熱意が伝わったのか採用を決めていただき、インターンチームの第1号のメンバーとなりました。

インターンの活動内容

インターンの主な活動は、まだまだ知名度の低かったMedteriaを各大学の学生にご案内する、いわゆる「営業」という仕事でした。Zoomで各大学の学生とお話をして、Medteriaを使いたい人にはコミュニティを作成して使い方をご案内する、という業務内容です。

営業というと馴染みのない人にとっては「玄関先に来て何かを売りつける人」というイメージかもしれません。
ただ自分は「Medteriaを使えば医学生がより良い学生生活が送れる」と信じていたので、「使ってくださいよ」という押し売りはせず、あくまでも「使いたいです」という人に寄り添う人でありたいと意識していました(実際、学生はMedteriaを完全無料で使えるので、学生にとってデメリットがなくおすすめしやすかったです)。
また、Zoomでお話する方の中には、無償で学年での仕事を引き受けている学年代表などの方が多くいました。そのどなたも共通して「学年のみんながより良い学生生活を送れるようにしたい」と常に考えており、自分も自然と「この人の助けになりたい」という気持ちでお手伝いすることができました。

では実際、どうやってご案内するのか。
まず、Zoomでスムーズにお話できるようにあらかじめロープレ(ロールプレイング:相手を顧客と見立てての練習)を行う必要があります。医学生がOSCEの練習時に、友だちを患者に見立てて練習するのとちょうど同じです。初めてのロープレは、とても会話とは思えないものでした。「えっ…と〜、〇〇さんはガガッ学年でどのような役職をされていラる…んです、か?」みたいな感じだったと思います。
自分は相手に関わらず会話できるほど陽キャラではありませんので、決まりきった質問をしようとすると、どうしても緊張が先走って違和感だらけの言葉になってしまいます。「良い会話」はしようとするほど難しいです。
「営業は自分に向いてないかもしれない」と絶望したこともありました。ただ、上述のとおり「どうすればこの人(この学年)の助けになれるか」を念頭に置いてから話すと、自然と質問は浮かぶし、適切な回答もできるようになりました(もちろん、完璧はむずかしいですが…)。

このマインドセットはインターン以外でも役立っています。例えば部活の後輩にレクチャーする時に「相手に伝わってほしい」「どうすれば自分の意図が伝えられるか」を意識することで、相手の理解度やリアクションは段違いに変わります。当たり前に聞こえるかもしれませんが、かなり奥深い技術だと今でも思います。また、登壇して数十人の前で自分の考えを発表する時にも、オーディエンスに語りかけようと意識するだけで、ぶっつけ本番なのに「どれだけ練習したの?!」と驚かれることさえありました。

ご案内の方法に話を戻しますが、サービスをご案内するには、Zoomでお話する時の言葉だけでは不十分です。
納得して使っていただくためにはサービス内容の詳細な資料が必要かもしれません。学年の皆さんに知ってもらうためには別途資料が必要かもしれません。はたまた、サービスを多くの人に知ってもらう活動(いわゆるマーケティング)が必要かもしれません。

Medmainのインターンチームでは、何が必要なのかを自分で考えます。誰かから一方的に「これやっといてよ」と言われることはあまりなく、自分の中の違和感を第一にして、それを実現します。自分以外のメンバーの協力が必要であれば、自分から申し出ます。
ルーティンにはマニュアルがありますが、それ以外の一挙手一投足を指示してくれる人はいません。そのため、指示がないと何もできない人にとっては地獄ですが、「自分で考えて自分で動く」という経験を何度も積みたい人にとってはとても心地よい環境です。それが実際にユーザーのMedteriaの利用→ユーザーのより良い学生生活につながれば、これほど嬉しいことはありません。

友人からの反応

医学部では企業での長期インターンは決してメジャーな活動ではないため、友人に活動内容を話しても理解されにくいのが現状です。自分の大学が地方にあることもひとつの要因かもしれません。
とにかく、「それって医者になるのに必要なの?」という感じの反応です。また、営業をしていると言えば「マ◯チ勧誘でもやってるの?」とまで言われる始末です。いつからかは説明するのも億劫で、「何してるの?」と聞かれても「ちょっと作業。」とだけ答えるようになりました。

以上から分かる通り、「同級生から称賛されたい」というモチベーションであれば、長期インターンはあまりおすすめしません。同級生から称賛されるには、部活の大会で活躍して、コツコツ学部の勉強をして良い成績を取るのが一番の近道です。
これは「自分が誰から評価されたいか」の話なので、正解は各個人の中にあります。同級生以外にも、家族、部活の仲間、バイト先の人、学生団体の仲間など、人によって様々だと思います。
ただ自分の場合は、企業で評価されることが今後の自分の成長につながると思っただけです。そう考えた理由は難しいものではなく、①学生より経験豊富な社会人からのほうが教わることが多い、②営利目的の集団の緊張感は学生には生み出せない、と考えたからです。経験豊富な人と緊張感ある環境で評価されれば成長するだろうというのは、想像に難くないかと思います。

ということで、学生の皆さんは「誰に評価されたいか」を今一度考えてみると、より自分らしくいられるかと思います。決して長期インターンだけが正解ではないですが、自分を成長させたいという人にとっては一つの手段になりえます。

ちなみに自分は、最近同級生からスキルを見込まれて学年の仕事を頼まれることもあり、面倒だなと思いつつ少し嬉しかったりもします。

活動を振り返って

弊社のインターンは上述の通り自分で考える姿勢が求められるため、相応のコミットメントを求められます。しかし自分が勤務時間中を苦だと思ったことはほとんどなく、「勉強しながらお金もらえるって最高じゃん!」と思っていました。
休日に夢中で業務をしていたら、朝食も昼食も食べずに夕方になっていたこともありました。もちろん個人差はありますが、Medmainのインターンチームはそれくらい夢中になれるポテンシャルがある場所だと思います。

また、チームはどのようにうまくいき、うまくいかないのかの全てを見ることができたのはとても良い経験になりました。
チームは好調な時ばかりではありません。その時に自分や他人はどのように役割を果たすのかによって、チームの雰囲気は大きく変わります。ミーティング中の一言でみんなを奮い立たせることも、意気消沈させることもできます。全員が高いコミットメントを維持しているチームなので、自分の言動の一つ一つはとてもリアルな反応として現れます。
そして、それを全員が理解しているからこそ、連帯感のある素晴らしいチームとして、学生だけで企業の一部門を成立させることができているのだと思います。

さいごに

自分も気づけばもう5年生になりました。自分が好きなことができる大学生活が6年ある医学部で本当に良かったと思います。
今後はここで得た知見を活かして、新たな挑戦をする予定です。このインターン活動も就活も、全くゴールではありません。

長期インターンがしてみたくてうずうずした方、やり場のない熱意をぶつけられる場所を探している方は、(採用期間外でも)ぜひ弊社にご連絡ください。

少し説教臭い文章になってしまったかもしれませんが、一つでも参考になるものがあれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの素晴らしい学生生活をお祈りしています!

吉積智也



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