詩 響滅
熱の居ぬ間に抱き合わせの競争を紐づけられた
見た目に違わぬ愚かさの泥、夢見るもの 痴れた機械に哀れみを抓る
ヒートアップしていく道過ぎを焼け爛れて歩いている
とどまるなよ、無数の札束など架空の数字の前に無力
生きることの前には土の匂いがしまた湧き水がどこからか滴る
柔らかい苔の上に横たわり地滑りする山麓を感じた
叫びだしそうな闇かつては体に馴染み柔らかな世界だったもの
数々の生物たちの這い回る<道理>も<構造>もない場
ずず、ずず、と音を立てたように動き姿かたちもない
火にくべよ 熱の中でこそ生きられる
あるいは鳥の形をした地鳴りの形態を幻視するように
認知した先に生まれる振動はもう夢見るばかり
釘を打ち込み打ち込まれる。 そんなところです。