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先駆者として

普段、仕事では新卒の就活支援サービスを運営しているわけだが、そこでカウンセリングした大学生がこんなことを言っていた。

中学時代はかなり勝気で、絶対自分が1番になりたいという気持ちが強かった。
でも高校時代にいろいろな人と出逢ってその自分がいなくなった。今は競争心が消えてしまって、本当の自分が分からないんです。

なんだかどこかで聞いたことある話だな…と思いながら、私はこんな風に伝えた。

それはきっと、中学時代は他人と比較していたからピリピリしていたんだと思う。
でも高校時代に出逢った人から良い刺激を受けて、自分を認められるようになったから、今は自分のことに集中できるのだと思う。
だから、何かに挑戦したいっていう気持ちは今も昔も変わっていないと思うよ。
高校時代のクラスメイトは好き?

そう聞くと彼女は一瞬幼い顔になり、照れくさそうに大好きです。と答えた。
その時の表情がとても可愛らしかったし、じんわりと納得してくれていた様子が嬉しかった。

毎日7人の学生とカウンセリングしているのでとにかく慌ただしく、瞬く間に1日が終わってしまう。
ただこの時のカウンセリングは、昔の幼い自分自身に逢っているようだった。懐かしいね、久しぶりだね。本当に、良かったね。

彼女の進路にはもちろんできる限りの事をするが、正直彼女次第なところもある。
でも、あんな表情になれるくらいの人に出逢えているのだから、この先もきっと大丈夫だと思ったのだ。

自分のコンプレックスを克服しようとしたり、乗り越えようとするのは素晴らしいこと。
ただそれ以上に「え、それってコンプレックスなの?」と、そのままの自分を当たり前のように受け入れてくれる人に出逢えたら、それはもっと幸せなことかもしれないね。


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