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文句を言っても相手が疲弊するだけで改善にはつながらない

人間ドックでいろんな検査をしたばかりですが、そのときにできなかった検査があったので再度病院へ行ってきました。そこで出会ったおじさんの話です。

いつも人が多い病院なので待ち時間が結構あることを想定し、スマホでできる作業を用意していました。しかも人間ドックのときとは違っていくつもの検査をするわけではないので、今は何で待たされているのかがわかりやすいためストレスも特にはありませんでした。そうやって待っているとき、横にいた一人のおじさんが看護師さんにネチネチ言い始めました。

こういうのが好きじゃないので聞きたくもなかったんですが、聞こえてしまう距離だったので仕方ありません。内容は「8時30分から検査のはずだったのに1時間経っても検査に呼ばれない、いったい何をしているのか」というものです。声の大きさは普通なんですが、明らかに圧をかけにいっている感じでした。それでも看護師さんは「8時30分からというのは検査ではなく診察で、それは終わったので次は検査が行われることになってます。検査を事前に予約しておくことはできないので時間がかかっていますが、ちゃんと順番にお呼びしますので、もう少しだけお待ちくださいね。」と丁寧に対応していました。

それでもおじさんの気持ちは収まらないようで、「もういい、検査の人に文句を言ってやる」と看護師さんに言って席に戻りました。看護師さんは「文句を言うのはやめてください・・・」と小さな声でお願いをしていましたが、おじさんには届いていない感じでした。そのやりとりを見ていて、病院以外でも似たような場面にたまに出くわしたりしますが、なんで我慢しないんだろうなーと悲しい気持ちになります。

まず、病院に来ている人の多さを見ただけで、自分以外にもこれだけたくさんの人が診察や検査を求めてきているわけだから、そもそもかなり時間はかかると想像できるだろうし、診察後に検査を行っていくので、いろんな人の検査がある中で調整に時間がかかることも簡単に想像できるはずです。そして医師も看護師もわざとそんな状態にしているわけでなく何とか待たせないようにしたいと思っているはず(ですよね?)で、少しでも早くしてほしいなら文句を言って疲弊させてしまうよりも、「大変ですね、がんばってください」と応援した方が結果的に全体としてスピードは上がるはずです。

おじさんには私が知らない事情があって、文句を言ってしまうのも仕方がない状態だったのかもしれません。でも、あーあ文句を言ってしまうんだ・・・と残念に思いながら、その嫌な空気からは離れたかったので違う場所へ移動しました。

病院に限らずシステムに問題があったりして業務がうまく回っていないと外から見て感じたとき、改善してほしいと本気で思うのであれば中の人を疲れさせちゃいけないと思うんですよね。例えば学校に対して文句を言っていく人が未だにいますが、あれをするとその人に対応するという新たな業務が発生してしまうんですよね。結果的に中の人は疲弊してしまい、改善どころではなくなってしまいます。最終的に改善されることを求めているのであれば、何かの形で学校をサポートした上で改善のための提案するとか、より学校に対して話が通りやすい人から言ってもらうとか、いろんな手を考えた方が絶対にいいです。何でも言えばいいってもんじゃありません。

そして病院のようなセンシティブなところで相手を疲弊させるような言葉を発するのは、全体の利益のためにもできるだけ控えてもらいたいという思いは強くあります。いい診察をしてもらいたい、いい検査をしてもらいたい、いい治療をしてもらいたい、それを求めるのであれば信頼関係を築くことが大前提で、だとすればかけ合う言葉は文句ではないと思うんですよね。言わなければいけないことを我慢するとかではなく、求める結果にたどり着くために文句以外の選択肢があるなら文句は選ばない方がいい、そう思ってます。

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