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生み出すこと

雨で肌の調子がいい。
植物が青々とする気持ちがわかる。


・・・

旧赤星鉄馬邸の建築が期間限定で公開されると知り
こんな近くにそんな機会があるのであればと足を運んだ。


日曜は混むけれど火曜までの公開なので選択肢なし。

40分ほど並んでいたが、
住宅街だからなのか
並んでいる客層なのか
建築に関心がある人がそういう人たちなのか

風や樹々の葉の擦れる音が耳に入るくらいには
並んでいる人や邸宅の塀の補修跡や日焼け痕を観察して
思い耽りながら落ち着いて待つことができた。


”アントニンレーモンドの設計、曲線美を取り入れたのモダニズム建築”

順路に沿って内覧する。
当時のままに残されているところはおそらく多くなく
リノリウムが貼られていたり、カーテンが、壁紙が、うーん。違う・・



それでも、身体は反応する。惹き出される。

明かりとり、螺旋階段、書斎の一部、窓から見える緑。
あと、蔵。
わざとらしくない程度に非直線的な構造から得る体感。


光のとりこみかたやまわりこみ、曲線と直線、細部のつくり、
材である木質の良さと造り付けの家具にある使う人のことを考えたデザイン。

表面に合板の薄板を貼り合わせた
その場しのぎのものとは一線を画す雰囲気がある。


少し前に読んだ本の一節から


人のリアリティーの感覚は、この絶え間ない相互作用によって強められ結びつけられる。本来、建築は自然を人口の領域へと拡張するものであり、知覚のための地盤と、世界を経験し理解するための視野を提供する。決して孤立し、自己完結する人工物ではない。私たちの関心と実存的経験を、もっと広範囲へと誘うものなのだ。



空間をつくる人に憧れがある。


五感に響く、
意識せずともそこに居る人がその人らしく
もしくはそれ以上にその人の持ちうる感覚を惹き出す
そういうことを感じられる場を生み出す人だから。



訪れる人をずっと前から見てるんだろうなぁ、この樹は。



・・・

生み出すこと = output
消費すること = input

自分の自己調律にどちらがいいかは
選択できるときもできないときもあるけれど


アウトプットする側にいられるよう努めたくて

悔しさ半分なのか
休みの日、料理へと手が伸びる




これは最近の当たり
新玉ねぎとスペアリブの煮込みをパスタに



あーあー

日々の積み重ねでしかない

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