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最後の花火の想い出(榊正宗)

こんにちは、榊正宗です。

1995年のある夏の日。当時大学生だった私は、海辺で友人たちと花火を楽しんでいた。空に打ち上がる連発式の花火は、夜空を華やかに彩っていた。しかし、その美しさの裏には思いがけない危険が潜んでいた。

私は打ち上げた花火の残骸を、安全だと思って浜辺で燃やしていた。しかし突然、火薬が残っていた花火が暴発し、その事故は発生した。

浜辺で薪のように萌えている花火の残骸から弧を描くように打ち上げ花火の光がわたしの目に飛び込んできたのを今でもはっきり覚えている。私はその美しさに目を奪われ、目を閉じることが出来なかった。その光はそのまま目に吸い込まれるように眼球に直撃した。

コンタクトレンズをしていたため目の外傷は最低限で済んだ。コンタクトレンズは消し飛び蒸発していたらしく浜辺のどこにも見当たらなかった。すぐに眼科に行ったが、外傷はないので安静にしていれば大丈夫という事だった。

翌日、私は以前から予定していた通り映画「ガメラ」のエキストラに参加した(ギャオスが福岡ドームを襲うシーンでギャオス捕獲のための肉をしかける自衛隊の役)。しかし、その次の日の朝、片目の視界が真っ白になっていることに気づいた。内出血が原因だった。眼科を訪れると、緊急入院となった。

1週間、トイレも行けず、絶対安静の寝たきり生活を強いられた。本を読むこともできず、友人が持ってきてくれた馬渡松子さんの曲を聴いて過ごした。その音楽は、暗い病室での唯一の慰めだった。

この経験から得た教訓は、使い終わった花火は決して燃やしてはならないということ。

今となっては笑い話のようでいて、実はとても深刻な教訓だ。楽しい時間を過ごす中にも、安全には十分注意しなければならない。この出来事は、私にとって忘れられない夏の記憶となった。

なお、この日を最後に私は50歳になる今日まで一度も花火をしてない😂


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